村崎哲也

ビデオグラファー / 名古屋市在住 / 株式会社muvin代表/日本デザイナー芸術学…

村崎哲也

ビデオグラファー / 名古屋市在住 / 株式会社muvin代表/日本デザイナー芸術学院非常勤講師/ 著書「伝わる映像〜感情を揺さぶる映像表現のしくみ〜」(幻冬舎)

最近の記事

映像表現は「言語化」が重要

「優れた映像表現のコツは何ですか?」的なことをたまに聞かれますが、そういった時はこう答えています。 それは「言語化」ですよ。 こう言うと大概の人に「何言っているの?」といった顔をされます。 おそらくこういった質問をする人の真意は撮影の練習法だったり、編集のコツだったり、演出の極意を聞きたいんだと思います。 しかしですね映像表現という括りで言うのであれば「言語化」を極めることが上達の近道です。 なぜかと言うと映像表現で最も大切なのは「伝えたいことが伝わる」ことだからです。

    • 本を出しました

      かなり長いことnoteをサボっていましたが、これからは定期的に更新しようと心に決めた今日この頃です。 まず、ご報告として今年の5月に初の書籍となる「伝わる映像〜感情を揺さぶる映像表現のしくみ〜」を幻冬社より出版しました。
「本を出すなんてすげ〜」と思う方もいるでしょうが今回は自費出版なので大して凄いことではないです。 ここ数年、僕は映像表現で人の感情を揺さぶるという現象を「論理的」かつ「体系的」に言葉にするということに注力してきました。
映像表現はジャンプカットやイマジナ

      • ライブ表現とデザイン表現

        映像を作る目的の多くは何かしらの情報やメッセージを伝えることだと思います。一言に映像で伝えると言っても表現方法はたくさんあります。 ドキュメント? ドラマ? イメージ? インタビュー? アニメ?CG? などなど。 どの表現方法でも重要なのはライブ表現とデザイン表現をどれくらいのバランスで調整していくかを考えなければなりません。 ライブ表現というのは時間が常に途切れていないように感じさせる表現方法です。 例えばテレビのスタジオ収録みたいにカメラが5、6台あってスイッチングされ

        • 「情動喚起」と「感情移入」

          鑑賞して何の感動も起きない映像はやっぱり面白く無いですよね。 映像で人の心を動かすにはビジュアルの格好良さ、斬新なアイデア、リズミカルな編集、面白いストーリー、魅力的な演技など様々な手法があります。要因はたくさんありますが大きく2種類にカテゴライズすると「情動喚起」と「感情移入」に分類できると僕は考えています。 まず「情動喚起」ですがこれは自分の意思とは関係無く情動が強制的に引き出される現象のことです。 情動とは人間の本能的な心の動きで、生理的な反応を伴い比較的急速に引き

        映像表現は「言語化」が重要

          ビジュアルの格好良さは手段でしかない

          個人的感覚ですが、ここ数年でフリーランスのビデオグラファー が一気に増えたような気がします。そして一眼カメラ、電動ジンバル、ドローンなど機材の進化も手伝って映像作品の平均的なクオリティも一昔前とは比べものにならないくらい上がりました。今はYouTubeで世界中の有名クリエイターの作品を参考にすることが出来ますから、センスの良い人も間違いなく増えています。 個人的偏見ですが若手のビデオグラファーは、とにかくカッコいい映像が大好きでビジュアルにこだわりを持ってる人が多い気がしま

          ビジュアルの格好良さは手段でしかない

          映像表現の4原則

          僕は数年前から定期的に映像のワークショップ活動を行っています。ワークショップというとカメラの操作方法や実践的な制作ノウハウを教えるのが一般的なイメージですが、僕のワークショップやセミナーでは明日から役立つ実践テクニックなどはやらずに、映像の原理、ストーリー作り、人の想像力を喚起するにはどうすれば良いかなど映像が人の心に与える基本表現を中心に教えています。 「感情を揺さぶる作品を作れるのは結局センスだよね」というフワッとした言葉で片付けられるのが昔から嫌いでした。基本は理系人間

          映像表現の4原則

          「映像」と「動画」の違い

          最近ネット上で視聴するものは「映像」とは言わず「動画」と言うのが一般的になっています。 意味としては基本同じなので深く考えなくても良い気はしますが、やはりずっと「映像」という言葉を使ってきた人間として、その辺りをうやむやにするのは嫌なので「映像」と「動画」の違いは何かと考えてみました。 「映像」と「動画」の違いを語る上で「動画2.0VISUAL STORY TELLING」を執筆した明石ガクト氏は以下のように定義しています。 動画=IPT(情報密度)が高いもの 映像=IP

          「映像」と「動画」の違い

          テクニックより世界観を磨く

          前回の投稿でビデオグラファー は「撮影編集技術を持ち合わせた映像ディレクター」という内容を書きました。 こう言うと「いくら機材の操作が簡単になったからって浅く広くになるんじゃないの?」という疑問が真っ先に思い浮かぶと思います。 答えはまさにその通りです。ビデオグラファー の技術力は基本広く浅いです。撮影なら撮影だけに全てを捧げているカメラマンにはやはり敵いません。 従来の映像業界はディレクター、カメラマン、編集マン、照明マンなど役割がはっきりしていました。しかしこれか

          テクニックより世界観を磨く

          ビデオグラファー という職業

          僕は自分のことをビデオグラファー と名乗っています。ビデオグラファー を一言で説明すると「映像の企画から撮影、編集、演出まで一人でこなす人」というのが世間一般的な認識ではないでしょうか。 言葉の由来としてはphotographer(写真家)+video(動画)を合わせた造語です。日本語で言えば「映像作家」ですね。 僕がsonyのビデオカメラVX2000とMacのG4を手に入れてフリーランス活動を始めたのは22歳の時でした。その時に名刺に何て書こうか非常に悩んだものです

          ビデオグラファー という職業

          note始めます

          2019年の始まりをきっかけにnoteを始めることにしました。 まずは自己紹介、私は1979年生まれの39歳、現在は名古屋で映像制作の会社をやっております。 岐阜県の飛騨高山で生まれ育ち、20歳の時に名古屋ビジュアルアーツ放送映画学科を卒業。その後映像制作会社を何社か渡り歩き26歳でビデオグラファー として独立、37歳の時に法人化をしました。ジャンルとしては主にウエディング映像、舞台映像、企業系PVなどが中心です。 最近では映像制作のスクール活動にも力を入れています。 映

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