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看取った

今宵は我が家の猫のういなりさんを看取った。

かれこれ1週間以上ずっと水分も摂らずに玄関に居るもんだから、流石に病院に連れてってくれと言われて、いや自分で言ったのか定かではないが、木曜日に病院に連れていった。

2年くらい前にも同じ症状で来院されてますねと医者に言われたんだけど、カルテを見るとほんまや!って感じだったので、2年くらい前と同じビタミン剤の点滴と食欲増進剤という処置をしてもらった。

本人(猫)は点滴が挿さっているのかわかってないようだったから、これはまずいんじゃないかと思っていたけど、帰ってきてから失禁するし
歩き方がひょこひょこしてるし、階段は上れないしで付きっきりで面倒を見るしかないなとなった。

熱中症かもしれないから冷え冷えマットみたいなやつと、水分不足を補うパウチみたいなものも買って来た。

でも失禁してマットは終わったし結局食べなかった。

階段は2段しか上がれないし、2段上がったところで呼ぶし、こんなに体力が落ちていたのかと思ったけど、脚が痛いのかなとも思った。

部屋に連れて来ると最早真っ直ぐに歩けていない事にも気が付いた。

しかも部屋の隅に寝に行ってしまう。

何年も住んでいる家なのに本人はそんなところで寝たことはない。

なるべく家族から離れたい心理なのか、広場恐怖みたいなものなのか。
そして何分か置きにパニックになって「ママー!ママー!」と呼ぶ。

ママは近くにいる。

わたしも近くにいる。

「近くにいるよ」と言うけどなかなか落ち着かないし、呼吸は人の心臓の鼓動並みの速さである。

呼吸が速すぎるから、同調するように肺を圧しながらテンポを2ずつくらい遅めていったりもしたけど、フーフー言ってしまう。
しまいにはヤーダー!と言われる始末である。

いつもは、ヤーダー!と私の手を噛むのがセットだったのだが、首をこちらまで持って来るのも大変なのかもしれない。

とりあえず部屋の隅っこに寝かせて、私はFFXをやっていた。最近友人のノエルにFFXをやってないならやった方が良いと言われて買ってしまったからである。でも昔発売した時にリアルタイムでやった筈なのにやってみると全く憶えていない。ママはういなりの近くに添い寝している。

30分置きに立ち上がってどこかに行こうとするんだけどフラフラのヨタヨタである。

ぽたが心配して見に来て近くに座っている。

ぽたの唯一の遊び相手である。彼は子供っぽいけど成長している。

夜中の3時くらいにフラフラしながら部屋の中央にういなりはやって来た。
苦しいと猫は伏せるらしいけど、部屋の中央で伏せていた。

ぽたは出窓に移動した。

私はFFXをやっている。

突然パタっと倒れる音がしたのでわたしゃ身体を起こした。
部屋の中央に横になっていて、今にも逝ってしまいそうだったのでわたしゃ心臓マッサージを施した。
何回か戻って来たけど3時25分に逝ってしまった。

何故か最期に尻尾が膨らんでいたんだけど、あれはどうゆう意味だったのだろうか。

とりあえず近くにいれて良かったと思う。

ういなりは逝く瞬間に今までの事を思い出したのだろうか。いや、昨日の昼間に家中フラフラしながら徘徊していた気がする。その時に一つ一つ思い出していたのかもしれない。

私は何も思い出さなかった。

逝く瞬間だからといって思い出すわけではない。その瞬間の情報量でけっこう私はいっぱいいっぱいである。
つまり思い出せなかったのかもしれない。

そこから棺を探したり、ママと葬儀の話をしたりしていたら朝になった。

地球の形の晴雨計を見たら物凄く高気圧だった。

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