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ゲームやアニメの感想。マガジンを整理しました。

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最近の記事

ブルアカ『-ive aLIVE!』感想──放課後スイーツ部の距離感

 ブルーアーカイブのイベント「-ive aLIVE!」の感想です。同イベントの他に、イベント「甘い秘密と銃撃戦」や関係人物の絆ストーリー等の内容に触れています。  ふだんはイベントの感想を書いたりしないんだけど、今回ばかりは興奮醒めやらぬという感じで書いている。それくらい良かった。  前回の放課後スイーツ部イベント「甘い秘密と銃撃戦」はブルアカのイベント全体のなかでもトップクラスに好きな話で、「-ive aLIVE!」はその流れを汲みつつさらに期待を上回ってきた。演出もリッ

    • 『伝道の書に捧げる薔薇』はアリウススクワッドの元ネタなのか?

       ブルーアーカイブに登場するアリウススクワッド(およびアリウス分校)のモチーフ(元ネタ)のひとつはロジャー・ゼラズニイのSF小説「伝道の書に捧げる薔薇」なのではないかと思ったので、それについて説明する。  あとそんなこととは関係なく『伝道の書に捧げる薔薇』は傑作短編集なので、これを読んだひとが少しでも興味を持ってくれたら嬉しい。  ロジャー・ゼラズニイはアメリカのSF作家で、短編小説「伝道の書に捧げる薔薇」(A Rose for Ecclesiastes)はその代表作に数え

      • ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る②

         前回の記事から3ヶ月近く空いてしまったが、けっしてやる気がなくなったわけではないということは強く主張しておきたい。いろいろあって映画どころではなかったんです。ヒナ委員長のピアノの練習を毎日やることもできない感じの状況だったので……。  そんなことを言っているうちにブルアカも3周年のアニバを迎えたりアニメの企画が動いていたりといろいろと話題があった。便利屋のイベントもあったし。『ロシアより愛をこめて』というタイトルでも知られる映画『007/危機一発』(一髪じゃないんですよね)

        • ドルフロ『慢性虚脱』感想──創造力とは何か

           ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『慢性虚脱』の感想です。  ネタバレを含みます。  やたら長い回想パート、しかも記憶が改竄されているからどこまでほんとうなのかよくわからないという非常にトリッキーな話でいろいろ困惑させられたが、話としてはあるべきところに収まったように思う。アンジェの話というよりは、パラデウス側の内在論理が見えてきた話という印象が強い。  また、ドルフロがずっと追求してきた「人間とは何か?」「戦術人形と人間の違いは何か?」といった疑問がパラデウス

        ブルアカ『-ive aLIVE!』感想──放課後スイーツ部の距離感

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        • ブルアカ感想
          10本
        • ドールズフロントライン感想
          6本
        • アニメ感想
          7本
        • デレステ感想
          2本

        記事

          ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る①

           ブルーアーカイブに出てくる映画ネタの元ネタをひたすら見ていきます。ただ映画を見て感想を書くだけなので、8割くらいはブルアカとなんの関係もない話をしています。(残り2割はほんのりとブルアカと関係があります)。  映画とかブルアカのネタバレはありません。  見ていく順番はノリで決めているので、2023年の話題が多いです。あと、映画によってぜんぜん感想の量が違います。筆が乗って、つい。ごめんっす!  全員で地獄に行くっすよ。 男たちの挽歌(1986年)  もはや説明不要かと

          ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る①

          ブルアカ『百花繚乱編』1章感想──物語る行為の裏と表

           ブルーアーカイブのメインストーリー百花繚乱編第1章(いつかの芽吹きを待ち侘びて)の感想です。あまり整理できていないので取り留めない感じになっています。  ネタバレを含みます。    物語る行為について  物語というのは基本的にフィクションだけど、物語るという行為は必ずしも虚構のみを対象にしていない。つまり、まったくの嘘八百を物語ることも可能だし、現実に起こった出来事を物語ることも可能だ。ただし、現実は物語ではないので、現実を物語ろうとするといろいろと齟齬が生ずる。吉

          ブルアカ『百花繚乱編』1章感想──物語る行為の裏と表

          ドルフロ『縦軸歪曲』感想──名付けという”ごっこ遊び”

           ドールズフロントラインの大型イベント『縦軸歪曲』のネタバレを含む感想です。  指揮官とグリフィンはほぼ登場せず、ほとんどの登場人物が初登場という異色のイベント。マフィアの内部抗争の話とか、孤児とロボットの話とかもうなんのゲームなのかよくわからなくなってきたが、終わってみるとまあなんか良かったかなくらいのところに落ち着いた。  汚染地域を通過する列車の中で事件が起きるというシチュエーションが良く、演出面やゲームシステムにもこだわりが感じられた。同時期に別のゲームでも列車を扱

          ドルフロ『縦軸歪曲』感想──名付けという”ごっこ遊び”

          アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズU149』感想──原作の新たな切り口

           U149のアニメはとにかく手が込んでいた。リッチな画面づくりと大量の新曲など、原作からのファンたちの期待に十分応えてくれる質量だった。12話まで駆け抜けた今は感無量で、U149という作品が永久に続いてほしいというただひたすらそういう気分になっている。  一方で、個人的には10話くらいまで、このアニメ版をどういうスタンスで見れば良いのか掴みきれていなかった。  周知のこととして、U149はアニメと原作(漫画)でだいぶ話の組み立て方が違う。個々のエピソードはわりと原作から拾っ

          アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズU149』感想──原作の新たな切り口

          ドルフロ『静止点』感想──いちおう一区切り?

           ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『静止点』の感想です。  ネタバレを含みます。  どこへともなく姿を消したパラデウスを追って、指揮官とシュタージは謎に包まれた「死海」に戦術人形を派兵し、アンジェを救出するためのアエネアス作戦を決行する。過去に類を見ない苛烈な戦いが幕を開ける──。  今回は戦闘シーンがほとんどなのでストーリーはあまり進まなかったが、ウィリアム周りの話が思わせぶりに描かれていて、新たな展開を予感させつつ、ドイツでの戦いにいちおうの決着がついた。

          ドルフロ『静止点』感想──いちおう一区切り?

          ブルアカ『カルバノグの兎』2章感想──「何でもしますから」

           ネタバレあり(エデン条約1~4・最終編・カルバノグ1~2)  RABBIT小隊が変わっちまった憧れの先輩たちに戸惑いつつも、やっぱ違うだろ!とNOを突きつける展開はシンプルに熱い。一方のFOXもRABBITにかつての自分たちを見出して投降するというのも、ベタながら良かった。思えばこのゲームは学園RPGを謳いながら、こういう直球の先輩-後輩ものをやってこなかったから妙に新鮮だった。  定番の共闘展開も、しっかり格好良いカンナとか新たな掘り下げがあったキリノとか想像を超えて活

          ブルアカ『カルバノグの兎』2章感想──「何でもしますから」

          ROAD TO THE TOP感想と2000年問題

           ウマ娘RTTT、良かったですね。1999年クラシック戦線のみに焦点を絞って全4話web配信という独自スタイルで全力を傾注してくる感じがほんとうに良かった。現実の皐月賞当日から始まって毎週日曜日更新というのも巧みだったね。  個人的にはオペラオーのことが好きなので、終始オペラオーの器の大きさが描かれていたのが嬉しかった。どうしてもクラシックを軸に話が進むと、オペラオーはトップロードにとっての超えるべき壁という扱いになってしまいそうだけど、それだけではなくて常に同期に目を配っ

          ROAD TO THE TOP感想と2000年問題

          『グリッドマン ユニバース』感想──夢みたいなことばかり起こってしまう物語

          『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』について語るうえで必ずといって良いほど指摘されるのは、その会話劇の自然さ、ひいては人間ドラマの秀逸さだ。特撮アニメという非常にオタク的な題材を扱いつつ〝萌え〟に頼らない人物造形と脚本に裏打ちされた危なげない話運びが魅力だ。  両作の直接の続編にあたる映画『グリッドマン ユニバース』も相変わらず人間ドラマが滑らかだ。マルチバースもののお祭り映画は近年流行りのジャンルではあるが、勘所も押さえつつシリーズとしても話をしっ

          『グリッドマン ユニバース』感想──夢みたいなことばかり起こってしまう物語

          ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想③──誰にも帰責できない奇跡の話

          最終編4章(完結)までのネタバレを含みます。 ↓過去の感想  ストーリー更新があったばかりで、ちょっと興奮醒めやらぬ気持ちだが、いろいろ考えることもやめられないので吐き出していこうと思う。思えば1月からほんとうに更新があるたびに感情を揺さぶられ、良い意味で翻弄され続けてきた激動の日々だった。やりきったなあ……ブルーアーカイブ。 プレナパテスについて  途中まで単なるATMかと思ったプレナパテスだが、単に失敗した世界線(ブルアカにおいては「時間軸」と呼称される)の先生だ

          ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想③──誰にも帰責できない奇跡の話

          アイマスHIPHOPプレイリストを作ろう

           皆さんHIPHOPって聴きますか?  いわゆるラップのことです。  私は好きでHIPHOPを聴くのですが、嬉しいのはアニソンとかで何気なく聴いたものがめちゃめちゃHIPHOPチューンだったときですよね。思いがけず突然ビートが聴こえてきてラップが始まって、しかもそれがバチバチにかましてたりするととても嬉しい。  アイマスの曲でもしばしばそういうことがあります。特に最近の曲は多いようです。たぶんヒプマイとかパラライのおかげでそういうのに理解が深い関係者が増えたからだと思います。

          アイマスHIPHOPプレイリストを作ろう

          ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想②──勇者の資格

           最終編3章までのネタバレを含みます。  ↓ 前回の感想 連合作戦  なんといってもペロロジラvsカイテンFX Mk.∞ですよ。すごすぎる……。特にロボが理屈とかなく巨大化するというジェットジャガーのオマージュもあり、特撮をふだん見ない自分でも激アツになれた。なにより、ペロロジラもカイテンFXもすでにプレイヤーが「知ってるエネミー」だからこそ安心して見られる。  しかもなにがすごいって、カイテンFXの巨大化の制限時間3分がブルアカのふだんのバトルの制限時間と完全に一致し

          ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想②──勇者の資格

          ブルアカの「七つの古則/ジェリコの古則」について

           ブルアカ最終編3章までのネタバレを含みます。  ブルアカのストーリーの要所でこれ見よがしに語られるのが「古則」である。最終編3章までの時点では2番目と4番目しか語られていないが、今回はひとまずこれについて考えていきたい。ストーリーの考察というよりは、古則を通してブルアカのストーリーを改めて読んでいこうというくらいの気持ち。  お遊びに近い文章なのでくれぐれも真に受けないでください。  あと、前提としてシッテムの箱の起動時に出てくる「七つの古則」といわゆる「ジェリコの古則」

          ブルアカの「七つの古則/ジェリコの古則」について