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面白いけどかなり考えさせられた本①【14歳からの哲学入門】


読書数珠つなぎ

最近の投稿で


の中の推薦図書で

の作者の飲茶さんの別の本

について書かせていただきました。

これは哲学の本なので、考えることが仕事の方々の思考回路で日常的な現実とは当てはまらないかもしれません。
しかし、色々考えさせられるパートが有ったので 皆さんにも ちょっとブルーになってもらいながらも前向きに考えてもらう材料になるように書かせていただきます

【破綻しない資本主義社会】


これは、フランスの哲学者ボードリヤールの解説章の中での記述です


ボードリヤールなんて僕たちの生活には関係ない!?


そんな哲学者知らん!と言われそうですが、上記のWIKIにありますように
堤清二はボードリヤールの著作『消費社会の神話と構造』などに触発されて1980年に無印良品を始めた

無印良品の商品を一度も買ったことない人は少ないと思います。


話を戻します

僕たちの時代(現代)はもうこれ以上 新しい時代を作り出すことはできません。 実は僕たちが生きているこの社会こそが 「最後の社会」であり どん詰まりなのです」 と言った感じの衝撃的な説。

P295資本主義社会はすでに生産時代を終えて消費社会に移っており、しかも記号を消費する時代になったから破綻しないのだ。

記号を消費するとはどういうことだろうか?


例えばブランドですね
「消費される記号に実体がないため 無限に生産できるから」

P298 
まず前提として 社会を構成する僕たち人間を「欲望をもった生き物」であると定義する。 
しかし、幸か不幸か 現代は技術力が向上しすぎて いわゆる生物的な欲望がすべて満たせる時代になった。要するに 食べるものも 着るものもの 簡単に手に入る社会ができあがってしまったというわけだ。 そうすると「欲望をもった生き物」としては当然次にはこういう欲望が出てくる。

「より美味しいものを食べたい、より素敵な服を着たい」 つまり すでに得ているものに対して「より」「さらに」という形で欲望することだ。 しかし、残念ながらその欲望を満たすことはできない。 なぜなら「より」「さらに」というのには限界(上限)が有るからだ

「20XX年 最新モードの冷蔵庫!(ぶっちゃけ いらないであろう)マイナスイオンで殺菌除菌などの最新機能が満載」
あらゆるモノがこれ以上、本質的な意味で進化することができなくなったので(改善されつくされたので)もはや今の社会は「買いたいと思わせる記号(実体のない印)」をつけた商品を次々と生産し、購買意欲を創出して経済活動をまわしていくしかないのである。

これ以上より良い商品をつくることはできないのだから 普通に考えれば 前年と同じものを生産し続ければ良いということになるであろう。
しかし困ったことにそれでは経済は破綻してしまう。 まず同じ商品が生産されるのであれば 前になった商品がこわれでもしない限り 新しい商品を買う理由はなくなる 
結果、商品を買う人は少なくなり 商品を作る企業にお金がはいってこなくなる。 すると当然 企業は雇う人を減らすわけだが それはすなわち 一銭もお金が入ってこない無職(商品を変えない人)が増えることを意味する さあこうなるともうだめ 負のスパイラルがはじまる

しかし、少なくとも現時点においては経済が破綻するほどの負のスパイラルは起きていないし 無職が延々と増え続けるよいう事態も起きてはない。 何故? その答えとして ボードリヤールは新たな図式を提案する

かつては生産社会で 確かに破綻の可能性があったが いつの間にか 記号消費社会へと移行しており それによって 破綻を免れているのだとボートリヤールは言うのである。

小括
①実体のない 見せかけだけの記号(高級感、お得感など 欲望を刺激するイメージを生み出すなにか)が付与された商品は無限に生み出すことが出来る
②でも所詮は見せかけだけの商品なのだから そんなものをいくら作ったところで(経済を回したところで)社会は今のまんまどんな未来にも到達しない
③しかもこうした経済活動の不毛さ おかしさに気づく前に人間の寿命は尽きてしまう。 だから同じ経済活動が永遠に繰り返され 社会が変わることはありえない。

ちなみにこれらのことをもっと意地悪くいえばこうなるだろう
お前らは 次々と 生み出されるありもしない見せかけの記号(ゴール)に踊らされて 社会(校庭)という小さな枠の中を死ぬまで回っているだけなんだよ! それが永遠に続き、お前らは もうそこから抜け出せないんだよ

秋元康さんと記号

これは むかし友人に勧められて読んだ 秋元康さんの「さらばメルセデス」

この中で【僕は知らないうちに ちっぽけな夢を抱いていた自分自身に落胆した こんなに早くゴールへ着いてしまって僕はこれから何をすればいいのだろう 今の生活を守るために必死になれというのか?メルセデスを維持するために頑張れというのか?】というのも記号に対するアンチテーゼですね

でも!


P308 でも、そんなに記号消費社会が不毛な繰り返しだと言うなら その記号を生み出している誰かを排除するという案はどうだろうか? 例えば「実体のない記号を提供している人(黒幕)」を抹殺すれば この無限の営みは止まりそうな気がする  いいやそれではだめだ なぜなら その記号を生み出しているのが実は他でもない僕たち自身だからだ。

ちょっと想像してもらえればばわかるだろう 僕たちは 何らかの記号に興味を惹かれ それを手に入れるために お金を手に入れようとするわけだが、それは要するに あなた(またはあなたの親)が記号消費社会の中で働くということを意味する。

記号消費社会で働くということはもちろん記号を作り出すということ

要するに 自分の欲望が他者の欲望を生み出すような形で記号生産の輪廻は途切れることなく延々と無限に続くのだ。
このゲームを止めることはできない。どうしても止めたければ仕組みそのものをまるごと爆破するしかないだろう。


今日はここまで


なかなかの理屈ですが、わからんでもないです。 まだまだ考えさせられる記述があったのですが疲れたので今日はここまで



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