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オンワードも本腰!‟マスカスタマイゼーション″の魅力

3本柱の1つはF2C

昨日、オンワードホールディングスの19年2月期の決算説明会がありました。そこで今期(20年2月期)から始まる3カ年の中期経営計画を発表しました。ざくっと言うと、以下の3本柱で売上高2800億円(前期は2407億円)、営業利益100億円(前期は45億円)にしたいと言うものでした。

<中期経営計画の3本柱>
①クリエーションファースト事業
②ファクトリー・トゥ・カスタマー事業
③ハイクオリティ・ライフスタイル事業

①のクリエーションファースト事業は、既存のブランドの開発・販売事業をもっと頑張りますという趣旨で、③のハイクオリティ・ライフスタイル事業はアパレル以外のコスメやグルメも展開しますということでした。

注目したいのは、②のファクトリー・トゥ・カスタマー(F2C)事業。これはオンワードが展開するオーダースーツサービス「KASHIYAMA the Smart Tailor」など、デジタル技術を駆使して、顧客と工場がダイレクトにつながることでオーダースーツが3万円から買えちゃうサービスのこと。最近ではD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)と言われるビジネスモデルの一つだと思います。

ZOZOのPBとは何が違う?

ZOZOが展開しているプライベートブランドのビジネススーツと同じモデルですが、ZOZOがZOZOSUITSで採寸しようとしたのに対して、オンワードは店頭や出張でスタッフが採寸して、2回目以降はネットで注文してねというモデル。店舗をたくさん展開し、スタッフもたくさん抱えるオンワードの強みを生かしています。

まだネットでオーダーメードを頼むカルチャーが根付いていない現状では、オンワードのモデルの方が安心感があって、頼みやすいと思います。ZOZOはその2歩も3歩も先を見越して、ZOZOSUITSで採寸する先端技術にトライしたけど、まだ技術も市場が追いついていなかったのかもしれません。今後はどうなるかわからないですが。

マスカスタマイゼーションとは?

オンワードとZOZOの対比はさておき、オンワードが新たな柱として注力するF2C事業はマスカスタマイゼーションというモデルの1つ。マスカスタマイゼーションとはウィキペディアの解説を引用すると・・・

マスカスタマイゼーション(英語: mass customization)とは、マーケティング、製造業、コールセンター、経営戦略論における用語で、コンピュータを利用した柔軟な製造システムで特注品を製造することを指す。 低コストの大量生産プロセスと柔軟なパーソナライゼーションを組み合わせたシステムである。

ポイントは、"低コストの大量生産プロセスと柔軟なパーソナライゼーションを組み合わせたシステム"であるということ。設備投資は大きいが、受注生産かつ大量生産できる仕組みにすることで、顧客一人一人に合わせた商品を安価に提供できるといいます。普通は「オーダーメードは良いけど高い」ですが、「オーダーメードで良いのに安い」ができちゃうので最高ですよね。

代表事例はNIKE BY YOU

マスカスタマイゼーションはアメリカではそれなりの市場規模になっているといいます。代表事例は「NIKE BY YOU(旧 NIKEiD)」。スニーカーを好きなデザインにカスタマイズして買えるサービスです。このサービスなら自分の好きなカラーリングのスニーカーを作ったり、好きな洋服に合わせてスニーカーをデザインすることも可能です。

「NIKE BY YOU」の成長やマスカスタマイゼーションの拡大余地について、教えてくれたのはアメリカでカスタムシャツブランド「Original Stitch」を運営しているOriginal Inc.のジン・コーCEOでした。そうこの会社は先日、ワールドが買収した会社です。ワールドもM&Aによって、マスカスタマイゼーションに乗り出しているわけです。

マスカスタマイゼーションが今後、普及すると期待されています。自分好みのサイズ、デザインにカスタマイズでき、しかも安価に商品を買えるからです。これはファッション業界だけでなく、コスメやフード、ヘルスケアの業界にも広がります(すでにサービスもあります)。アパレル業界では製造工場への投資があるので、大手が積極手に展開していますが、コスメの業界ではスタートアップもこの分野に乗り出しています。多くのユーザーがマスカスタマイゼーションの魅力に気付くのは時間の問題かもしれません。

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EC業界向け専門紙「日本ネット経済新聞」で記者してます。EC、通販、モノづくり、流通、マーケティングなど取材していく中で紙面には書かない自分の考えや疑問について書いていきたいと思います

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手塚 康輔/Eコマース記者

EC・デジタルリテールに特化した専門紙「日本ネット経済新聞」で記者をしています。デジタルの台頭で流通を取り巻く環境が大きく変わる中、ショッピングの未来について考える日々を過ごしています

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