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『マチェーテ・キルズ』ショート感想

みんな大好きメキシコ(テキサス)の福本清三こと、ダニー・トレホ主演映画『マチェーテ』シリーズ。今回見た『マチェーテ・キルズ』はその第二作目にあたる。
監督はロバート・ロドリゲス。あの『デスペラード』の監督であり、ダニー・トレホの親戚だ。

あらすじ:メキシコ転覆を目論む革命家がアメリカに向けてミサイル発射を企てていた!マチェーテは、アメリカ大統領に腕を見込まれて極秘依頼を請け負うが…

前作『マチェーテ』はメキシコ不法移民の是非が(多少)テーマであり、それなりにシリアスな作風だった。
しかし今作は完全にバイオレンス全振りのバカグロB級映画に仕上がった。

全編に渡って「おバカ殺法四十八手」と言わんばかりに繰り広げられるダニー・トレホによる悪者解体ショー。悪者をヘリローターでミンチにしたり、三徳マチェーテで股間を八つ裂きにしたり…と様々な調理方法で悪者を処刑していくので全く飽きが来ない。そのバラエティーの豊かさは、殺しの万博『アウトレイジ』(北野武)も真っ青だ。
この映画からトレホ本人がインスピレーションを得て、後にレストランを開いたという話は実に有名だ(異論は認める)。

そしてこのテンションを108分保てるロドリゲス監督のスタミナには感嘆する。監督のスタミナ力はその映画の出来栄えに直結すると言っても過言ではない。
他のマジモンのB級グロ映画の場合、だいたい予告編用のおいしいシーン以外でテンションが落ちる場合が多い。その度に監督の体力切れがひしひしと伝わってくる。低予算でも上手く工夫して有名になった映画は多いのだから、スタミナは金以上に重要なのだ。

さすがはロドリゲス。内輪でB級リスペクトの皮を被ろうとしても、AAA級監督の貫禄はいい意味で隠せなかった。

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