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CFGの野望(1/3)

たまたまCFGの戦略についての論文?を見つけました。1年以上前に発表されたものなので、すでに読んだ人もいるかもしれません。頑張って英語を読んだので、自分なりにざっくりまとめてみました。直訳と感想が入り混じっています。
訳には全く自信がないし原文はもっと詳細に書いてあるので、これは感想文だと思ってください。


パート1/3 の要旨

元ネタページが3つに分割されているので、このnoteも同じように分けます。

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・スポーツマーケットはGDP以上に成長している
・その中でもフットボールは世界中にファンがいて、大きな位置を占めている
・アメリカ、中国、インドでの伸びしろが大きい
・CFGは従来のビジネスモデルを崩壊させる


スポーツはビジネスである

改めて言われるまでもなく我々も体感していますね。

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・お金持ちの道楽から、投資ファンドによる利益追求ビジネスに変化


世界のスポーツマーケットはGDP以上に成長しています。

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で、その中でフットボールが一番伸びてます。

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スポーツエコシステムの中では、ファンの数こそが正義!多いほど良い。
ではファン(顧客)とは誰なのか、何を売れば良いのか、どんなビジネスモデルでアプローチすべきなのか、その答えを出すには詳細なデータ分析が必要である。

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アメリカ、中国、インドの3カ国で世界の人口の40%を占める。その中でフットボールに興味がある人の割合がこれだけあり、今後の伸びしろもまだまだあるとなれば、そりゃあビジネス的に放置できないでしょう。

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CFGのビジネスアプローチ

CFGはひとつの答えを出した。ソリアーノ氏がバルセロナ時代から温めていた構想であることは既によく知られていますけどね。
2019年時点で5つの大陸に7つのクラブを保有し、更に増やそうとしている。一般的なビジネス界ではよくある世界戦略で、初期は出費を厭わずマーケットでのプレゼンスを重視する。スポーツ界ではこれだけの規模で実行したのはCFGが初めてということらしい。
CFGは100% 投資ファンドによって運営されていることも革新的である。

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複数クラブを保有するグループは他にもあるけれど、CFGの規模は別格です。
図の片隅にマリノスがいる!
Red Bullも拡大しているものの、飲料製品を売る目的が強く、CFGとは少し毛色が違う。

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個人が保有しているパターン。(道楽??)
よく見るとシントトロイデンもある。

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”Disneyfication”
= 商業主義やグローバル化による文化の均質化を指す軽蔑的な用語

今はまだ欧米のスポーツビジネスと日本の(マリノスの)ビジネスに、あまりにも大きな差があるため、彼らのノウハウをありがたく受け入れて、国内マーケットでの優位性をしっかりと引き出している。しかし、将来的にもっと成熟してきたらディズニフィケーションの弊害が出てくるのかもしれない。
世界中どこでも同じ味のビッグマックばかりじゃなく、日本ではてりやきバーガーも食べたいぞと。今はワイルドなオージーBBQ風味だけどね。

プレミアリーグの地方クラブが、世界中に信者がいるバルセロナやレアルマドリードに勝つための戦略である。マリノスは(幸運にも?)こんな先進的なビジネスに取り込まれてしまったのであった。

マリサポとして気になるのはこのコメント。CFGはマリノスを買ったのではなく、マリサポを買ったのかもしれない。

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CFGは、マンチェスターシティ自体がそこになくても、永続的に各国マーケットに存在し続け、ファンと年単位でエンゲージすることができる。
- Omar Berrada, COO in CFG


(パート2/3 につづく)


Tukasz Stojecki 氏

I work professionally as a consultant in the strategic consulting company A.T. Kearney, where we provide services for global companies from various sectors of the economy by dealing with strategic and operational issues, such as: transformation of companies, strategies for new market entry, product strategies, M&A, cost optimization, etc.





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