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令和六年四月十三日『第三回 黒酒ひとり』於・なかの芸能小劇場

4/13は私の誕生日。(林家とんでん平師匠の誕生日でもあります)
今年で37歳になりました。
35歳の時は全然まだ30歳!という感じで、
36歳になったら、気持ちはまだ30歳!という感じでしたが、
37歳となると、どうあがいても40歳!という感じがします。
心境の変化のようなものはないですが、身体や脳の変化はあって、
どうしても若い頃と同じようにやろうとしてしまい、
何だか上手くいかないということが増えてきました。
一日で自由に使える時間も少なくなってきたように思います。
十日で覚えられた噺が十一日かかる。
この変化を受け入れて、生活の無駄を省きつつ、より洗練された人生を送らねば──と思いつつも上手くいかない。
食べ過ぎるのが私です。

ネタ下ろし三席。

◎転失気
前座の頃に教わって「上げの稽古はなくていいよ」と言われ、
「じゃあすぐには覚えなくていいか」とほったらかしにしていた噺です。

前回の初演三席では大ネタ三席+おまけで一席で四席ネタ下ろしをしたけど、
今回はいきなり前座噺の【転失気】。
ぬるくないか? と思いつつやってみましたが、お客さんは私が思っている以上に寛容で、
「いや転失気かよ!」なんて人は滅多にいないんですね。
同じように「またコイツおんなじマクラ喋ってる」とか「また同じ噺やってる」とも思わないのかもしれません。

今回やった【転失気】は、筋はそのままですがほとんどのくすぐりをマイナーチェンジしてやってみました。
今後やっていくかは分かりません。

◎一文笛
感情を乗せ過ぎるとセリフが追いつかない、セリフを追い過ぎると感情が乗らない。
この辺はもうしょうがないですね。
要稽古です。
声を張らずに迫力を出す、というのもなかなか難しい。

兄貴分の

  • 元スリ仲間のくせにカタギになったら説教してくるところ

  • 人の命を救うためなら盗んだ金を普通に受け取っちゃうところ

が納得できなくて、自分が腑に落ちるように手を加えてみました。
色々聴き比べてもらいたい噺です。

◎花筏
私の体型や貫禄が噺と合っているかな、と覚えてみましたが難しっ。
ウケるのが難しい笑いの少ない噺とは聞いていましたが、これほどとは。
相当語りの技術がないといけない気がします。
元は講談ですから、講談のように飽きさせない工夫が必要だと思いました。
聴かせる技術を上げる、笑いを増やす、噺を端折って短くする、とかですかね。

お客さんの反応は良くも悪くもなく。
引っかかってない。
これが一番ダメな気がします。

色々な人の花筏を聞いてみましたが、賑やかな上方落語の方が聴きやすいなぁと思いました。


さて、今回は前座のわたし君も【強情灸】ネタ下ろししてくれました。
私は大体付け焼き刃でネタ下ろしして高座で真剣にしていくタイプですが、彼は危なげなく。
いやはや生意気ですね。
嫌いじゃないです。

第一回黒酒ひとりは『記念すべき第一回』だからお客さんに来てもらえました。
第二回は『物販』『落語協会百年当日』で、来てもらえました。
第三回は『生誕祭』『初演三席』で、それなりに来てもらえました。
さぁ、ここからが本当の勝負ですね。
一応次回は『GWすぺしゃる 〜白酒噺三席〜』ということで白酒から教わった噺を三席やる予定ですが、怖い。
小さい会場であれば大入りレベルでも芸小だと寂しさが際立ちます。
とりあえず赤字にだけはならないようにしたいところ。
ぶつくさ。

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