バンド結成のメリット

年齢性別環境問わずバンド結成をお勧めします。私はバークリー音楽大学の夏期講師としてバンド指導を行ってきました。通常は夏休みの期間ですが、アメリカの大学では「キャンプ」と呼ばれる12週間の夏季講習の体験入学期間があるのです。その期間にたくさんの高校生が体験入学に来ます。そして、アメリカの文化として、社会人やリタイアした方もたくさん参加するのです。

その中でバンドを組ませると「こんなにメリットだらけなのか」と老若男女問わず驚いて、「地元に戻ったらバンド組みます！」といって夏季講習を終了します。

メリット①一時的な人間関係

どうしても他人とバンドを作ると人間関係が大変です。しかし、バンドだと音を鳴らしているときは人間関係もへったくれもありませんので、表面的な人間関係だけを維持すれば大丈夫です。12週間経ち、「そうえいばこのキーボードの人と、ドラマーとは一言も話したことないな」というのを目撃することもしばしばです。

メリット②相乗効果

音楽家として自分単体での成長よりも大きな成長が見込めます。自分では気付かないのですが、例えば、大胸筋の筋トレでチェストプレスという動きが定まったマシーンで筋トレするよりも、ベンチプレスで、不安定なバーベルを持ち上げる方が「スタビリティ」と言って「安定させよう」とする細かい筋肉が刺激されるので効率良く筋肉が発達するんです。これと同じで、普段ではあまり気を使わないような細かいリズムや、同調、音量などに敏感になることでメンバー全員の相乗効果が見込めます。

メリット③年齢とレベル無制限

60歳のクラシック音大卒の男性キーボーディスト、20代のバークリーを目指す女性ギタリスト、40代の男性初心者ベーシスト、10代のJK女性ボーカリスト、ドラマーは教授というバンドをしばしば作りました。これが・・・成立するんですよね。そして、友達同士で組んだバンドとはひと味違う良さができるんです。

メリット④美しくなる

夏季講習では最後に発表会をしますが、やはりバンドをやったら何かしらのライブに参加したいでしょう。対バンといって多数のバンドが参加するイベントに参加するのならお金もかかりません。そして、少なからず人に見られる場があると、人間誰しも見栄がありますので、自ずと美しくなります。若くなります。これってたった12週間のアンチエイジングとして本を書きたいくらいの効果があるんですよ。

メリット⑤目的意識の重要性を知る

目先のゴールに向かって集中して成功体験を積む大切さが分かります。バークリーの夏季講習では本業が別にある方が多いのですが、バンドをやることで自分の本業に活かせるようになったとの連絡をもらうことがたくさんあります。1曲という細かい単位に分けて、担当楽器として一部の責任を担い、5分という短い時間で全員で一丸となって、時間に価値を生み出す。この達成感に味をしめたら、もう虜になります。

まとめ

いくつからでも遅くないです。楽器が演奏できなくても今から始めればいいのです。嫌になったらいつでも辞めればいいんです。楽器なんてメルカリで買って、メルカリで売ればたいした出費もありません。
仲間がいなければ私が紹介します。社会的立場を忘れてバンドはじめませんか？

最後までお読み頂きありがとうございました

津本幸司

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