日本では当たり前だったサービスの受益者としての感覚をタイに持ち込んでもストレスが溜まるばかりである

今、住んでいる場所があまりにもBTSの駅から遠いというのもあり、ソンテウを日常的に使っている。

はじめはソンテウに乗るのも少しばかり抵抗があったが、慣れてしまえばどうということはなかった。とても便利な乗り物だ。

オンヌットのソンテウはどこまで乗っても9バーツらしい。安い。

タクシーに乗るより安上がりだし、タクシーというのは運転手によってその性格に差があって、感じの良い運転手なら良いが、悪い運転手に当たると不快な気分で過ごさねばならなくなる。

前にタクシーに乗った時は、運転手がスナック菓子をボリボリ食べながら運転していた。その菓子の臭いが車中に充満して気持ち悪かった。客に対して何も気にしていないというか、タイ人らしいといえばそうなのだけれども、随分とまあ、人生というか、仕事に対して投げやりな態度にも見えた。

あの運転手にとってみれば、それこそ、仕事で頑張ろうと頑張らなかろうと、売り上げは変わらないし、自分の人生も上向いていかないみたいな、諦念があるんだろうなと見受けられた。

まあ、基本的にタイで見かける仕事人というのは、自分の仕事以上のことまで、自らのサービスレベルを高めようとか、顧客満足度をあげようということまでは考えは至らない人がほとんどである。

客の方は客の方で、サービスの受益者として、日本人ほどはうるさく供給者に対して要求をしないようだ。日本人だったら、「金を払ってるんだから、これくらいやれよ」と言って、どんどん要求度を上げていくところだろうけど、タイだとそういうわけにはいかない。

やる気がなく、愛想もないコンビニの店員も多いが、そういう店員に対しても客側は一切の感情を介さず、ただただ、商品を買えれば良いという風に諦めて、店員のやる気のなさを受け入れるしかない。

タイに長く住んでいても、このあたりの感覚というのはどうも馴染めないというか、おそらく筆者自身が真面目な性格なのだろう。日本の感覚が抜けきらない。また、タイで働くといわゆる「タイ人化する」、「タイ化する」というのを日本人顧客が嫌がることもあるので、やはり、根本のところで、日本人としてのきっちりとした意識というか、仕事への向き合い方の感覚を忘れない方がいいのだろうと思っている。

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