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高麗茶碗

やきものに高麗茶碗というのがあります。この茶碗は現代の作で、韓国の京畿道利川の窯元のものです。茶碗の勉強用に現物が欲しく中古で調達しました。桐箱付きで数千円で購入しましたが、制作過程などを考えると安すぎるような気がします。高価なものではありませんが個人的には大変気に入っています。

茶碗の見方(佐藤進三 著)という本に、物の美しさを形の上で理解するものに、黄金比(1 : 1.618)があり、茶碗もこの黄金比によって美しさが変わるようです。そこでこの茶碗の高さと幅の比率を計算してみました。結果は1.635で、黄金比に近い値であることがわかりました。

古い茶碗に大井戸茶碗というのがあります。大井戸の特徴は高台が高く、竹節高台になっており、高台の内外にかいらぎが出ていて、胴には大まかな太い骨(ろくろ目)が通っている。口造りは厚く、見込みは深く、茶だまりは自然で、目跡があることなどがお約束のようです。この茶碗は目跡がないほかはこれらの条件をほぼ満たしているようです。

大井戸は赤みが目立つ色になっていますが、この茶碗の色味は青い部分と赤い部分がちょうど半分ぐらいで、還元焔焼成であろと思われます。青井戸茶碗と言ってもよさそうです。使用するにしたがって色味は赤味が増し、貫入が進んでくるので、今後の変化についても興味あるところです。


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