見出し画像

筑波8耐・もてぎエンデューロに行ってきました

約1年ぶりくらいにレース系イベントに出てきました。ご存知ない方も居るとは思うのですがスズキは割とガチガチにレース畑の人間だったりします。
実はTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)という国内で行われる海外チームも参戦するレースに出た事もあります。そんな訳で実際のレースやその準備については拘りがあったりもします。レースの内容よりもレースの事前準備や走り方について書いて行こうかと思います。

▪️点検&整備は2週間前に一度完了させておきましょう

「え?直前の1週間前でいいんじゃないの?」そう思われた方も居るでしょう。整備点検の持ち込みのタイミングは2週間前がベストです。何故かと言うと。。。
「2週間なら大抵の修理作業は完了できるから」に尽きます。
レースの為の「トレーニングに打ち込まれてるライダーあるある」なのですが「乗れない期間があるの不安過ぎてOHなどの大きな整備に出せない」と言うパターンが散見されます。個人的には何らかのセカンドバイクを用意しておいて頂けるのが安心なのですが中々そうもいかない方もいるでしょう。

2週間前にメンテナンスを完了させておけるように、スケジューリングしておけば後は点検などの確認作業をすればOK。1週間前くらいのタイミングで弊社でしたら「バイククリーニング」(5500円)を受けてより完璧な状態にできる訳です。
予想外のトラブルというのは時期が関係なく発生するものですが、レースの日は決まっていてそこに向けて作業をする事は、計画する事もできる訳です。細かい「確認作業」が予想外のトラブルの発生確率を最小化できます。

あくまでも定期的なOH作業は必須ですし、重整備系の作業もレースに頻繁に出る方は年2回くらいの頻度で行われた方が良いですよ。

▪️ウェアや補給食などの用意は2−3日前に終わらせておく

大抵の場合前泊しない事が多いと思います。そうするとレースの開始時間が8時とかだと移動を含めて3時起き4時起きがザラだったりします。急いで仕事をやっつけて帰宅し、さらに準備のパッキングをして。。。慌てて忘れもの頻発!しかも寝不足!良い事全くありませんからね。
個人的なオススメは遠征用のバッグを決めて置く事です。スズキは1日の行程用と宿泊&1週間くらいの合宿用と2パターンの鞄を用意してあります。モノを入れる場所を決めておけば準備の終わってないパートが確実にわかります。

そして準備をする順番も何となく決めています。参考までにスズキの場合は。。。
①「ヘルメットケースの準備」

ヘルメット、アイウェア、グローブ、心拍計のバンド、キャップ
これを1つのケースに収めるようにしています。理由は走る時に身につけるから
②「シューズケースの準備」
シューズ、シューズカバーをシューズケースの中に入れます
③「レースウェアの準備」
ジャージ、パンツ、アンダー2セット、アームウォーマ、レッグウォーマ、、ベスト、レインウェア、ソックス、予備のグローブを天候問わず用意します。使わない事も多くても必ず持つようにしています。雨天などに対応する為です。ウェア類は洗濯ネットに入れて管理しています
④補給食・ボトルの準備
補給食類は実際に使う想定の量の2倍くらいを持つようにしています。そしてボトル類も同様に予備ボトルを持っています。チームメイトが忘れたりする事もあるので
⑤サイコン・変速機・パワーメーターの電池残量確認&充電
割と現地で発覚すると詰むので前日に必ず確認します。終わったら遠征セットに充電器&モバイルバッテリも入れておきます。
⑥エントリー用紙ライセンスなどの準備
最後にこれなのは意外かもしれませんが、当日のタイムスケジュールなどを把握したりもします、個人的にはタイムスケジュールのページをスクショしておいたりしていますよ。

こうやって準備する手順を同じにしておくと「忘れ物」を格段に減らせますし時間も短くなっていくのです。

▪️食事は3時間前に食べ終えておく

これ割と知らない人が多かったりします。お腹が空いてしまうと不安になる方も居るでしょう。レース時間が長いと固形物をレース中に摂ったりもしますが、いわゆる「食事」に関して言えば3時間くらい前に終えておく。という意識でスケジュールしておくと良いです。スタート時間が8時だったら5時に食べ終えておくという感じです。車移動する方は途中のSAや運転しながらになるかもしれませんね。脂質や繊維質のものを避けておくのもポイントですよ。

▪️試走は必ずする!

最近は試走時間が異様に短いイベントもありますが、試走はとても大事です。ウォーミングアップと試走は同じではありません。よくコースの左端をゆっくり走って終わらせちゃう人いますが、全く意味がありませんよ!
直線はゆっくりでも良いですが、コーナーはレースの時の速度で入るようにしましょう。そして景色を覚えて置くことと、コース上のエスケープゾーンや路面なども確認しておきましょう。一番広く取れるラインは何処か?コーナーは何処までアウトに寄れるか、インはどこまで入れるか?こう言った事を確認して置くのが大事ですよ。

▪️レース中の補給食は予備を必ず持つ

例えばジェルを4本くらい使うな。。。そう想定したレースなら1−2本の予備を持っておくことです。もしかしたら補給に失敗しちゃうかもしれない、思いの外消耗してエネルギー切れになってしまうかもしれない。チームメイトの補給切れを起こすかもしれない。持っていて損はないので予備を携行しておくのはオススメです。

▪️レースでの走り方とローテーションを覚えよう!

エンデューロ系のイベントに出て痛感したのは「走り方」を覚えようという事です。純粋に「参加してみる体験してみる」の場合は特に安全に真っ直ぐ走る!が出来てればOKです。先ずはレースの雰囲気を楽しんでみましょう。
そこから進んで「レースに加わる」に進みたい方は「レースの走り方」を覚えていく必要があります。

サンクスサイクルラボでは「トレーニングライド」というイベントを行なっております。ここでは集団走の仕方や、必要なスキルトレーニングなどもやりますよ。

またスズキは「サイクルスクール」というイベントで講師もしております。
そこでは自動車教習所を借り切って行うのですがコーナリングなども含めたスキルを学ぶことができます。

▪️ローテーションとは力を誇示する為にやっている訳ではない

アタックやスプリントはレースの動画を見ていても痺れますね。憧れる気持ちもわかります。ただ、あれは音楽で言うならギターソロみたいな物ですし、飲み会で言うならテキーラのショットのような物です。
バンドでギター弾いててズーーーーーーーーーーーーーーーっとピロピロギターソロ弾きづづけたらりしたら怒られますよね?「俺は貴族だ正確には伯爵だ」という人はいいんですけど(笑
飲み会で開始30分からずっとショット祭りしまくる奴迷惑ですよね?大抵そういう人周いを巻き込んで自分も潰れるじゃないですか(笑

リズム大事なんですよ。丁寧にバッキングを弾ける、リズムやカウントを正確に取れる。飲み会だってリズムが大事!生中!生中!熱燗!熱燗!最後にウィスキー!じゃないですか(悪酔いするチャンポンやないか)

はい、話が脱線しました。忘れてください。

ローテーションの極意は「速度維持を皆で行う」なのです。
そもそも論として皆さん「長く引きすぎ」&「速度上げ過ぎ」です。先頭にいる時間は10秒も要りません。エンデューロでよくあるのは30−40名近い人数になっているのに先頭交代に加わっているのは4−5名なんて事ザラにありますよね。ロートルの嘱託社員のオジちゃんと若者が必死に業務を回していて、途中から集団に加わってきた中途採用の働かないオジサンがダラダラぶら下がってるような状況です。勿体無い!全員野球で業務を回しましょう!

あるあるなのは「なんか微妙な速度でずーっと前を引き続ける人」で辛そうにして下がってくる「大丈夫?長く引かなくてもいいんだよ」と教えても「うわー!きついっす」とか言って延々前を引きたがる。そうです。一人で手酌で飲みまくるオジサン。もしくはハイテンションテキーラーオジサンみたいな感じです。

いいんです。その集団内で瞬間的に強い事は解るんですけど、集団の後ろを切る事も出来ない。勝負に絡む動きをする訳でもない。自滅するだけなんですよ。それなら回数多く引いて欲しいし、スムーズな流れを作って欲しい訳です。

▪️みんなで回せばすごく楽!

例えば1ラップ7分のコースがあるとします。秒数で言うと420秒です。先頭交代して10秒先頭に出るとします。交代回数は42回です。仮に20名で回せれば1ラップのうち2回10秒だけ頑張れば良いと言う事になります。10秒前後でしたら40キロくらいの速度を出すのも可能です。ちなみに今年の「もてぎ4時間耐久」の平均速度は優勝者で41.7キロ10位で39キロです。あくまで机上の計算ですが4時間で33周回するとしたら先頭に出る回数は66回で10秒間だとすると660秒即ち11分間その出力を出せればOKという事になります。当然それ以外にも上り坂などの要素があるので一概に言えませんが。。。力を見せる事よりも「上手に走る」事の重要性が解って頂けたかと思うのです。

ちなみに「何処で前を引くか」も大事なので、それによって「脚をどうやって貯めるか」も変わってきますよ。

無駄にペースアップしない。
前に出たらすぐに代わる。
横にずれたら脚を緩める。

これを集団全体でできるようになるのが大事です。
綺麗にローテの回る集団内にいると、なんかバチっとグルーヴの決まったバンドの演奏のような気持ちよさがあって、これもロードレースの魅力の一つだと思うのです。
サンクスサイクルラボではそれを学べる場所も用意しておりますので是非遊びにきてくださいね。

異様な熱量によって文章が長くなってしまいました。
今回はこの辺にしておきますが、わからない事なども是非質問しにきて下さってOKです。ライドイベントにも是非ご参加くださいね。