000モダンアート

modern art / Art Pepper Quartet

私は典型的な日本人でありますので、絵画なら印象派が大好き。特に、クロード・モネの絵が好きですねぇ。絵画展があると、仕事をサボってでも美術館に足を運びました(昔の話ですから誤解のないように)。
音楽の世界も絵画のムーブメントと時代が符合するように印象主義(音楽の場合「派」ではなく「主義」という言葉が使われています。どうでもよいことです…)が、19世紀後半に登場します。ラヴェル、ドビュッシーがその代表。そして、どちらも偏屈であったり、変態チックな趣味があったようです。
ここでの話は、変態趣味とは関係ありません。ジャズの世界における印象派は誰になるだろうか?なんて、私なりに検討してみました。アドリブが中心であるジャズの性質上、全員が印象派ということもできますが、敢えてそこを絞り込んだわけです。その結果、アート・ペッパーを指名させていただくことにしました。これは、自称“印象派”である私の勝手な印象で決めたわけですから異論があって当然。
ご紹介しているアルバム:モダンアートは、ジャズ・サックス珠玉の名盤です。1曲目のBlues Inは、ベースとのデュオ。これが何とも形容しがたい深い印象を心に刻んでくれます。そして、アルバム全体をひとことで形容するならば「しぶい!」。私はアート・ペッパーには人間国宝、アルバムには世界遺産の称号を捧げたいと思っています。
レコード・ジャケットもまたすばらしいと思いませんか!? 抽象画をバックに「なんぼ儲かるのかなぁ…」とか「シェアオフィス借りて、事務所でも作ろうか…」なんてことを考えているはずもなく、何か大きな悩み事を抱えているように見て取れます。この頃の彼は、麻薬との縁を断ち切るべく、相当に苦しんでいたそうです。デザインには、その辺りの事情が絡んでいるのかもしれません。
このアルバムをSTUDIO080で聴くならば、Blues Inではなく、まずはフロントでCIEG INをお願いします。そして、退出される場合はBlues Out ではなくCIEG OUTをお願いします。ちなみに、Blues Outは、ベースとのデュオによる曲で、このアルバムに収録されています。


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