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『むかしばなし』が時代とともに変遷し、刺激が少なくなる件

土日はノンジャンルで。

幼稚園や保育園で『お伽噺おとぎばなし』の読み聞かせ、早い話が保育士さんが子供たちに絵本を読んであげるわけですが、その内容について我々が聴いたり読んだりして育ってきたものと少し違うらしいという件を知人の保育士さんから聞いていました。
あ、『我々』と一括りにしたら多くの若い読者に失礼ですね。
ざっくり、昭和の頃に一般的だった『童話・昔話』が平成後期から令和にかけて少しずつ内容が変わってきているというのです。

その辺を掘り下げようと調べてみたら、かなり前のTV番組『月曜から夜更かし』でも採り上げられたそうで、代表的なものを紹介してみます。

●ももたろう

【昭和のストーリー】
・お婆さんが川を流れてきた桃を持ち帰って割ると、中から男の子が登場。逞しく成長し、犬・キジ・サルを家来として引き連れて、鬼退治に向かった!
・犬・キジ・サルは桃太郎から随行の褒美としてキビダンゴを貰い、桃太郎の護衛と兵隊となって鬼たちと戦う。
・鬼が島へ向かう船は桃太郎が指揮を執り、3匹の家来がオールを漕いだ。
・犬は鬼を噛み、キジは目潰し、サルは引っ搔いて鬼たちを成敗した。
・桃太郎は鬼が島から財宝を持ち帰り、お爺さん・お婆さんと平和に暮らした。

【最近のストーリー】(昭和との違い)
・犬・キジ・サルは家来ではない。桃太郎との間に上下関係の存在しないパートナー。
・キビダンゴは褒美ではなく栄養補給アイテム
(パートナーではなく雇用契約であるとし、キビダンゴを契約金とする記述も)
・鬼が島までの船はローテーションで漕ぎ、キジは空中から確認する役目。
・キジは鬼に対して目潰しではなく、手を突いた。
・桃太郎が鬼を倒すと、回収して持ち帰った財宝は村人に分配した。

なんか違う…

●さるかに合戦

【昭和】
・タイトルは『さるかに合戦』
・サルに固い渋柿を投げつけられて親ガニを殺された子ガニが、仲間と復讐しサルを溺れ死にさせる

【最近】
・タイトルは『さるかにばなし
・最後はみんな仲良くなり、ハッピーに終わる。

●赤ずきんちゃん

【昭和】
・オオカミがお婆さんを食べ、それを知らずに訪ねてきた赤ずきんも食べてしまう。
・猟師が助けに来て、オオカミが眠っている間に腹を切り裂いて2人を助け、代わりに石を詰める。
・目覚めたオオカミは、腹が重くてバランスを崩し井戸に落ちて溺死する。

【最近のストーリー】
・オオカミはお婆さんをクローゼットに閉じ込める。
・訪ねてきた赤ずきんを襲おうとするが、赤ずきんに軽くあしらわれ、やる気を無くして退散する。

そんなアホな!

とまぁ、児童の情操教育に配慮する余りマイルドな表現になり過ぎ、物語の本質すら失いかねない改変となっています。
そんなことでいいのか!
と言いたいところですが、我々が(しつこい)昭和の頃に読んだり聞いたりした昔話でさえも、それが書かれた大昔の作品とは変わり果てたストーリーだと言います。
あの昭和の頃の表現すらも、原作?よりはマイルドだというのです。

例えば、よく知られている話しでいうと先ほどの『桃太郎
お婆さんが川で洗濯をしているよ川上から大きな桃が流れてきて、それを持ち帰ってお爺さんと食べたところまでは現代も同じですが、その桃を食べた老夫婦2人がみるみる若返り、その夜の営みで産まれたのが桃太郎!と、あちこちの古文書に紹介されています。
この流れでは、当時の文部省としても子供向けの読み聞かせには使いづらい。それで、包丁でパッカーンと桃を割る記述に…(苦笑)

『かちかち山』は、お爺さんに捕まってしまったタヌキを可哀そうに思ったお婆さんがタヌキの縄をほどいてあげるところまでは、今も昔も同じ。
今のストーリーでも、タヌキはお婆さんを言葉巧みに騙して縄をほどかせ、ほどけた途端にお婆さんを突き飛ばして逃げる悪いヤツです。
ところが、大昔のストーリーでは、縄から解放されたタヌキがお婆さんを鈍器で撲殺し、その肉で『ばばあ汁』を作って、帰宅したお爺さんに食べさせるという、猟奇ホラーサスペンスの様相を呈しています。
寓話として何を教訓に残したいのかも分からない…

『浦島太郎』についても、『浦島子伝』・『続浦嶋子伝記』というタイトルの原作を確認すると、内容もちょっとアレでした。
今では、竜宮城に連れて行かれた浦島太郎が、タイやヒラメの舞い踊りを観て遊んでいる間に年月が経過してしまったことになっています。
原作では、宴会のあと乙姫様と来る日も来る日も愛し合い、年月を忘れて廃人と化してしまっています。
子供には読み聞かせできたものではありません…

『月曜から夜更かし』'13/5/27 放送分

結論、
昔の原作はアレ過ぎるし、令和のストーリーはマイルド過ぎて面白くない。
昭和の時代に読んだものが一番、人間の残酷さ、業の深さ、因果応報、努力・正直・協力の大切さなんかをうまく盛り込んで、人生の教材として相応しいものだったと感じます。

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