読書感想文 『正方形』
正方形は盲点だった。
これ、自分の言葉だけど引用にしてみた。
Bruno munari のかたちの不思議シリーズ。
僕、正方形ってあんまり好きじゃなかったんです。
安定しすぎていてなんかつまんないし、地球は丸いのに四角く区切っていく人間のエゴが感じられて、頭でっかちでわからずや、みたいな。笑
でも、この本を読んで正方形の見方が変わった。
人間にとって正方形は必然的になくてはならないものだったんだと思う。
人間が手を広げると正方形ができる。
身長と両手を伸ばした先の寸法が同じってことですね。
そんなところから、人間の住む環境や使うものに正方形の論理が使われるのはある意味必然だったのでは、と思っています。
建築や絵画の構成においても、正方形がベースで使われることがある。
正確にいうと、正方形とコンパスがあることで、いろんな構成を生れる。
コンパスは ”長さ” という元の形のルーツを ”角度” の世界に開放する。
直行座標から極座標の世界へ誘う。
宇宙の摂理もそうだけど、自然は極座標で成り立つことが多い。
だから、人間的な正方形とコンパスによる円を組み合わせると、人間と自然を自然に繋げることができるのではないか。
人間が美しいと感じる "黄金比" も正方形と円によって導くことができる。
たぶん人間である限り正方形の摂理から逃れることはできない。
人間の寸法に含まれているので人間を安心させる要素をすでに含んでいる。
それとの付き合い方を少し変えようかなと思わされた本でした。
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