読書感想文 『三角形』
僕は三角形が好きだ。
三角形って強いし、安定しているけど、すこし不安定そうでもあり、神秘的。
ブルーノ・ムナーリ かたちの不思議シリーズの1つが三角形である。
他にも正方形と円形があって、前者は買った。後者もそのうち読む。
この本はムナーリが三角形を集めた本だ。
家具から結晶、折り紙、紋章、アート、建築、構造などなど、様々な分野の三角形が収録されている。
三角形を集める、という視点もなかなか興味深いセンスだけど、科学や物理、幾何学の造詣の深さに尊敬を抱いている。
僕もパイプの写真を集めているけど、ここまで熱心に集めようと思ったことはない。
三角形というのは、面を構成する最小の多角形である。
三点を床に立てた三脚は安定する。
三角形は辺が回転しないので、構造的にもめっちゃ強い。これは建築や物理的プロダクトでもよくみられる強度の出し方。
三角形は面を無限に敷き詰められる。言い換えると面を三角形に切り取っていくと、とても面白い形になったりする。
建築の構成やアートの構成を考える時に三角形は、安定・強さを表現するために使える。
と、同時に角ができるところが三角形の憎いところであり、神秘的な部分である。
神秘って多分、人間の理解の外、というニュアンスがあって、自然の摂理で三角形がいろんなところでみられるから、そう感じるんじゃないかなぁと思う。
人間が考えやすいのは真っ直ぐな形の正方形だから、三角形はより曲者で神秘に満ちている。
特に、得たものとかないけど、巻末の「アルファベット順に並べたから索引はないです」っていうメッセージがめっちゃ可愛かった。
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