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THE LATTE TOKYOがドリンクパッケージを変える理由②

「THE LATTE TOKYOがドリンクパッケージを変える理由」(第2回/全5回)
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●目的地としてもらうため
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THE LATTE TOKYOがオープンした2015年といえば、この辺りは降りたシャッターの目立つ富ヶ谷から渋谷への抜け道というような場所で、休日に人が集まるような街ではありませんでした。
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お店を出すなら住み慣れたこの街が良い!という理由にこだわって、ようやく身の丈にあった物件を見つけたものの、まだ「奥渋谷」という言葉すら無かったこの地で運営していくには、期待だけでは少し厳しい状況。
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これまでのキャリアはあっても、自分の看板でお店をやるとなればやはり0からのスタートになるわけで、どうにかここを目的地、つまりディスティネーションストアとして足を運んでもらわなければならない。
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僕は飲食業界で働いた経験はありませんが、どのコーヒー屋も豆や味にこだわりがあって当たり前だと思っています。特に個人店となればその思いも一入のはず。
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ただ、どれだけ思いを込めたコーヒーだとしても必ず口に合う合わないがあるので、まずは飲んでもらわなければ始まりません。
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当時少しずつ増え始めた他のコーヒースタンドとの棲み分け。
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わざわざ行くには面倒だなあと感じる方に足を運んでもらうためのきっかけ。
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客席もフードメニューも無いけれど何度も行きたくなる理由。
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そうした複数の問題を解決するために考え出したのが「パッケージを変える」ということでした。
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普通なら自社の名前を浸透させるために、パッケージには店名やロゴを据え置きにして認知を拡めていくことが最適だと思います。
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ただ、あえてそこを捨てることで楽しみが増え、もうひとつの価値が生まれる。
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THE LATTE TOKYOのスタイルは、もともと辺鄙な場所にあったからこそ生まれた仕掛けなのです。
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(第3回へ続く)

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