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馬場のぼる展×「11ぴきのねことアホウドリ」

名作なのに、そう言えば何も知らないって、よくありますよね。
子どもの時に追いかけてなかったものを、大人になってから追いかけてみるのって、結構面白いですよ。

11ぴきのねこシリーズ。
読んだことあったかどうか怪しいのですが、絵本が好きなので、観に行きました。

そしたら、いとも簡単に「ねこたち」の世界に引き込まれてしまいました。あれ?ねこ、こんなにかわいかったっけ?

子どもの時から知ってるし、保育園にも児童館にもあったはずなんですが、全く見てなかったのでしょう。ここで会えてよかった。

ということで、初めましてです。

引き込まれた理由は明確でした。色がやさしい。展示してあった絵本の絵は、本当にやさしい配色でした。
次のシーンでは壁が違う色になったりしていたことも、色合いがきれいだからか、何の違和感も持ちませんでした。

前のページと色が違うと、ねこたちの雰囲気が違って見えるのだなと、その時初めて思いました。

絵は、リトグラフという版画を応用した製作工程を採用していて、手間のかかる技法だそうです。
だからところどころはみ出した色がまたいいのかと、朗らかな気持ちになりました。

色使いが好きすぎて、触れないギリギリのところまで顔を近づけてみていました。別に近づいたところで大差ないのに、色や線までをつぶさに見たいと思うとそうなっています。
どうやら、私が夢中になって作品を観るとこのスタイルになるようです。

美術に慣れた人たちはそんな見方しないのかもしれません。大人がまじまじと見ているのは、傍からはマナー違反に見えるかもしれません。
変な動きだし、かっこわるくさえ映るかも。

でも、美術館のルールに則り、まわりに迷惑なことをしていなければ、自由に観ていいはずです。
というわけで、本日も自分のスタイルで、小さな自由を手に入れました。

色合いが一番好きだったのは、「11ぴきのねことあほうどり」。第2作目で、色のバリエーションも少ないかったのに、なぜだか私にとっては一番いい色に見えました。

4Kや最新の技術で鮮やかに見ることは難しくなくなった時代において、紙に映る色には、また別の楽しさがあるんだなと。

ミュージアムショップでは、もちろん「あほうどり」の絵本を購入しました。開いて見ると、なんか違う。やっぱり展示で見た色合いとは少し雰囲気が違って見えます。印刷の関係上、仕方のないことです。

そうなると、やはり現物を観ることと、絵本を見ることもまた、別の楽しみになるんでしょうね。

それにしても…絵本見てたらコロッケが無性に食べたくなってきたな…

リアルでもないのに美味しく見える謎!


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