子どもの怒りを見た時。

児童養護施設の子どもと携わるすべてのみなさん。
こんばんは。
きょうの+1はこちらです。

  • 怒りエネルギーは2割だけ受け取る

  • 子どもの怒りを見たら、悲しさを見つける


詳細は以下記載あります。

児童養護施設で働いている限り、避けて通れないことの1つ。
それが「子どもの爆発的な怒りへの対応」です。

子ども達の多くは児童養護施設の生活の中で、子どもや大人相手に感情を爆発させることがあります。
頻度や程度、そのきっかけなどは様々ですが

子どもに対して怒りを爆発させているときは必ず大人が介入しますので
「きっかけは関係ないけど、怒りの矛先が大人に移る」ということもしばしばあります。


子どもの怒りについてお話する前に。
まず前提として、子ども達のもつ「怒りのエネルギー」を決して甘く見てはいけません。
既に子どもの怒りに触れてきた人ならわかるのですが
子どもの怒りエネルギーはすさまじく、どんな大人であっても興奮状態に入り子どもに攻撃的になるか、もしくは心が折れるもの。
もし真正面から怒りを受け止め続けたら、あなたの体がどうなるか。最初に知っておきましょう。

<心理面>

・自身の人格を全否定されたと感じる
・自分が生きてることすら許されないものだと感じてしまう

<身体面>
・手足は震え、身体は強張り固くなる。
・自分の声も震える。大きな声が出せなくなる、もしくは大きな声しかでなくなる
・自分の心臓の音が大きく感じる、動悸がする。等。


相手はこどもです。中には幼児さんもいることでしょう。しかし、子どもの怒りのエネルギーは想像以上に大人の心を攻撃できます。おとなも人間ですので、「自分の体に危害を与えられた」と判断すると防衛機能(危害を加えた相手から自分の体を守る無意識の力のこと)が働き「その子どもに近づきたくない」という感情が生まれます。
そして、関わること自体に拒否反応が出る。そんなことも珍しくないのです。

しかし、私達は支援者としてこどものそばにいます。
子どもの怒りを、怒りとしてのみ見てはダメージしか残りません。

そこで、
子どもとの関係の保持、そして支援者としてのポジションを死守するために、
子どもから向けられた怒りを、真正面から受け取るのではなく
【斜めから眺める】姿勢が必要になります。

それが
「この怒りは、私に対してが2割。私を通して過去(人、出来事など)に向けられているのが8割」と構えることです。

これは、怒り狂う子ども達の本当の叫びに気づくための余裕を生み出すための手法でもあります。

「子ども達の行動問題は、過去の出来事に起因している」という考えは、トラウマインフォームドケアにも通じる考えです。
(トラウマインフォームドケアとは、「トラウマの特徴を理解しながら関わる方法」のこと。具体的説明は後日アップしますね)

いま現在、子どもが怒った出来事は、あくまでもきっかけにすぎません。
そのきっかけによって、過去の記憶が瞬時に呼び起され、過去に向けられた感情が現在爆発した、という構図になります。

そして、今あなたに向けて刺しに来た言葉や睨んだ目、暴れ怒る姿は
本来あなたではなく、過去の「誰か」に向けて表されたものなのです。


ですので、今暴れ怒り狂う子ども達を見たら
「この子が反応したのは、過去のどの出来事か」とアンテナを張るのです。

(過去の誰に?どのような場面?)と子どもの言葉、怒ったシチュエーションは何にに通っていたか、考えることが大事なのです。

そこに、子どもの「助けてほしかった」思いが、詰まっているのです。

怒りは2次感情、また防衛感情の1つと言われています。
1次感情にあるのは、悲しみ、不安、虚しさ。

怒り狂う子ども達は、いったいどんな悲しみから自分を守るため
必死になってあそこまで怒っているのか。

「ただ怒り散らしている子」で終わらせない。
それが支援です。


そのためにも

・怒りのエネルギーをもらうのは2割だけ
・怒りを見たら、悲しみを見つける

を心掛けてみてほしいと思います。
実践してみての感想、難しさなどはコメントに残してください。
あなたの声が、他の現場で働く誰かの力に必ずなるからです。




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