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クローゼット腐女子~一度きりの大泉の話の感想2

 よくあるオタク少年の妄想に、「自分の美しさを知らない美少女」
ってのがあるじゃありませんか。もう、びっくりするほどの美少女なのに、本人はまるでそのことに気が付いていない。とかいう風な。
 しかし、現実には少女はずっと幼いころから自分の「美しさ」について周りにジャッジされ続けるので、それを自覚しないわけにはいかないわけですよ。
 
 ちょっと以前になるんですけど、近所の会館で萩尾望都先生が講演会をされるというので、行ったことがありました。
 萩尾先生以外の人も出てたと思うし、講演会自体も漫画が主題じゃなかったと思うんですが(何かの社会問題について、だったような気がします。内容は忘れました(笑))
 しかし、その会場は萩尾ファンの人たちで満員でした。

 そして、講演後の質疑応答は、もはや萩尾信者のミサ礼拝の場と化していました。私も、もしかしたらその一人だったのかもですけど、そんな私でもちょっと引くほどの熱気に満たされてしまいました。

 そんなわけで、萩尾先生について、「あれほどの人なのに自己評価が低くい」とか言う人がいますけど、こんな風にですね。
 萩尾先生がお出ましになるたび、「神降臨」状態になるのにですね。その当の先生の「自己評価」が低いわけないじゃないですか~。

 まあ、日本人には「謙虚」っていう美徳があるわけです。

 というわけで、引き続き「一度きりの大泉の話」です。いや、旧聞なのに引っ張ってすみません(笑)

 本のメイン主題は「竹宮先生との確執」の話だったのかもしれないんですけど、それ以前に私にはめっちゃ引っかかるところがありました。
 それは、先生がですね、竹宮を貶めるあまり。
「自分はまるで少年愛には興味がなかった」
みたいな感じに書かれてる部分ですよ。マジですか。

 あんなに「小鳥の巣」とか「トーマの心臓」とか、「メッシュ」とか。「残酷な神が支配する」とか、書いた先生が、ですよ。本当はまるで少年愛に興味がなかったんですか!!
  噓でしょ!!

 人を一生の腐女子の奈落に叩き落しておきながら~~~~っ!!!

 と。

 あんまりにも、ショックなので。友達に電話して、ショック内容を聞いてもらったくらいです。
 その友達は、かつて中二病だったときのクラスメートで、私が萩尾望都にドはまりしてるのを見て、色々と萩尾先生のイラストの切り抜きとか、チェック前の漫画とかくれたりした当時のBL仲間でした。
 
 ただしかし、その中二病のBL仲間も、今や「そんなこともあったよねぇ~」みたいな顔をして毎日を暮らしています(笑)

 その友達が言うのには。
「いやいや、そんなに全然好きじゃないのに、あれだけの数と内容の作品を描くわけないやん、基本的に。」
 えっ? あ、なるほど!そりゃそうだ!!そうだよね?!!

 「それはね『そういうのが好きだ』とか、今でもオープンにできないのよ。萩尾望都は未だにクローゼット腐女子なの!」

 なんたる理路整然。さすがに頭いいなあ。とか、思わずその友達を絶賛してしまいました。
 ちなみに、その友達はすでにこの本のことは去年のうちに知ってたそうです。なんで言ってくれへんねん。
 

 
 
 

 

 

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