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日本橋に謎のビルを持つ男。(実は借りてる)-②Airbnbに土下座編-

日本橋に謎のビルを持つ男。(実は借りてる)
a.k.a
TRAVELING ELEPHANT株式会社代表
梁 剛三 (りょう こうぞう) でございます。

今回がnote記事の第2弾となりまして、前編はこちらになります。

前編が長かったもんですから、後編はサクッとまとめないなと思ってるんですが、僕の実力だと厳しいだろうなぁ。そもそもお喋りだから簡潔に話を纏めるというのが苦手なんです。ロジックよりエモーションエモーションよりフロウを優先してやらせてもろてます。 (つまりは単純に行き当たりばったり)

さて前回の続きなんですが、

ニューヨークで遊びまわる事を日本との比較文化論的見地からの研究と呼んで、カフェやバーの一部としてライブがあるようなベニューに通い詰めていた私。

ローカルな人達の社交の場に音楽を演奏するスペースがあるのって自然でいいなぁ、自分もこんなスペースがいつかもてたらなぁなんて空想をよくしていました。

場所をプロデュースする、という夢を持ち始めたのはこの辺りからでした。そしてその頃タイミングよくこのサービスに出会った事も自分の場所作りに大きな影響を与えてくれました。

それがこちら↓

Airbnb、始めました。

はいそうです。天下のお騒がせサービス a.k.a Airbnb様です。       はっきりいって僕はAirbnbの事務所がある方角には足を向けて寝られません。(でも靴下履いてるとOKという特別ルールを採用)

2013年の初頭、とある事件がきっかけで僕はドン底に叩き落されていました。(この話もぜひ聞いてもらいたいのでRAN TEA HOUSE事変としてまた別のノートに書きたいと思います。)

予想されていた収入も閉ざされ、来年には子供の出産を控えているこの人生の大ピンチ。日本に一時帰国する事すらはばかられる…。

そんな時、「確か家を他人に貸せるサービスあったよな…ちょっとでも稼いで飛行機代金の足しにしてみるかな…airなんだっけ…」みたいなノリでairbnb始めたんですが、時期も良かったのかすぐに予想以上の反響がありました。

自分の作った空間を他人が評価してくれて、お金まで払ってくれる

ぼくはそのことに喜びを感じるのと同時に、

これで日本に帰ってからの軍資金まで作れるかもしれない!

と、取らぬ狸を算用しまくり。

そこからニューヨークの色んなエリアに5部屋くらいのairbnb専用部屋をつくり、ゲストを迎え、掃除をして、予約を取って…。気がつくとドップリハマっておりました。(勿論法律的にどうなっていくのかよく分からなかったし、ネガキャンも程なく始まったので、一時的なものだろうなと思いながらやってはいましたが。)

とにかく、ニューヨーク最後の2年くらいは、不動産事情と空間デザインを一生懸命かじりながら、新しいシェアエコノミーの大海原にイカダに0歳の子供も乗せて漕ぎまくってた思い出しかありません。時には自分達の住んでいたアパートまで貸して、気になるホテルを泊まり歩くという無茶苦茶な生活に家族を付き合わせておりました。(だって皆で部屋出ないと貸せないやん。←厳しい父の姿ってやつか。) 

素敵な思い出だなぁ。。。な?

ところでなんでこの話を持ち出したかっていうと、airbnb 用の新しい部屋をセットアップする時に、インテリアのプロじゃない僕が自然と採用していたやり方が、THE A.I.R BUILDINGの構想に深く繋がっていくからなんです。

はじめにストーリーありき』

「はじめにことばありき」、というのは確か聖書の言葉だったと思います。

ニューヨークはエリアごとの特色が鮮明なので、セットアップを始める部屋のあるエリアに住んでいそうなペルソナを設定するのが簡単だったので、そこから架空の人物の簡単な人生のストーリーを作り上げる。(実際には会話で発展させながらメモしてた程度でしたが。) そのストーリーの主人公が実際に住んでいそうなイメージで家具や小物を買い揃えていく。言葉にするとただそれだけのことです。

例えばNOHOのこの部屋は、ペンシルバニア州から出て来てNYUを出て、今は文章を書く仕事に携わっている30歳の女性ライターの部屋と設定しました。旅の記事を書いたりする仕事柄、アジアへの興味もある。今は仕事に集中しているが、一応最近できたボーイフレンドもいる。昔からニキビを気にして来た為オーガニック食に興味がある。などなど。

あとはなんとなく小説に出てきそうな一節でも加えれば、あら不思議。本当にそんな人が住んでいそうなリアリティーが自分の中で出来上がっていくのです。

サラが一年間の中国行きを告げると、数秒あけて彼は『僕は寿司は嫌いだ』と言った。そもそも聞く相手じゃなかったと悟った後は、彼女は適当に話を合わせた。3ヶ月前に会った男に大きな人生の決断のアドバイスなど求められるはずとない。自分の居るべき場所はここじゃ無いという想いが益々膨らんでくる。

なるほど、順風満帆そうに見える人にもいろんな葛藤があるんですねぇ。 まあ勝手に作ったんですけどね。

こういう人物の生活を頭の中で巡らせて、それにあった家具をとにかく安くCraigslistや街のアンティークショップなどで買ってくると、それなりに見えてくるんですよね。

もう一つ、このやり方のいいのは、自分自身の好き嫌いを超えられるということです。自分だと飾らないお花を飾ったり、装飾もかねて置いておく本のセレクションなんかもあんまり迷わず決められます。自分と他人のセンスが一つになったような不思議な感覚になるけど、結果ベターなものが出来ていたと思います。

予算があんまり無いのが逆に良かったっていうか、ニューヨーカー的な”代わりの物で代用”精神や、”高価なものはそれが必要のない人から譲ってもらう”精神で乗り切っていたので、よりリアルなインテリアセッティングになったんじゃ無いかなと思っています。

ちなみに蛇足ですがこちらの部屋は、部屋数を増やす為だけに良さげな家具を配置しただけなお部屋。部屋の違いは勿論あるけど、こっちの方が一つ一つの家具は高かったのになんかディテールが無いからつまらないなと感じてました。(お金の為や…仕方なかったんや…。)

もちろん文章書くの嫌いじゃないっていうのも、ストーリーファーストな場所作りっていうやり方に向いていたのかもしれないので、国語が苦手なそこの君、ちゃんと作者の気持ちを30字以内で説明できるようにがんばるんだよ。

ほんま色んなこと学ばせてもろて、Airbnbさん、ほんまありがとうございます!決して裸足は向けて寝ません!

さぁそろそろ日本帰ろうかぁ、というところなんですが、またまた喋りすぎた...。

次こそはTHE A.I.R BUILDINGの秘密に迫っていきたいと思います!

それでは次回、振り向いたらチャカがいた編でまた会いましょう!

See ya!

THE A.I.R BUILDING

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日本橋にある築60年のオフィスビルを、「Gilles(ジャイルス)というNY出身の架空のジャズミュージシャンが1970年代に住んでいた。」というストーリーを元にリノベーション。各フロアは特定の機能を持ちつつ、シーンに応じて様々な用途に変化する流動性を持つ。                B1 Music lab 1F Cafe/Bar 2F Artist Residence 3F Share Office 4F REAL ESTATE 5F Rooftop








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