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thaterに込める想い~bond~

「演劇」が小・中学校の必須科目になればいいのに、と長年思っている。
そう思うようになったきっかけは、英語で演劇をすることで英会話力を伸ばすプログラム「ぷれいご」に参加したこと。結局、英会話力はたいして伸びなかったけれど(ポケトークとの出会いがやる気を砕いた)、演劇の可能性には、気が付き過ぎるくらい気が付いた。

演じるとは、その道の人に言わせれば「役を生きる」こと。つまり役者は、その職業人生を通じて、何人もの人生を生きていることになる。この感覚を一般人である我々も身に付けることができれば、人は「今の自分」に固執し過ぎることがなくなるのではないかと思った。そしてそれは、「より良く生きる」ための大いなる武器になるとも感じた。

例えば、プレイヤー気質だと自認するビジネスマンがマネージャーに就任した場合。自分が一人しかいないのであれば、自らの資質をマネージャーのそれに変えていかなければならない。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれないが、この人格同一性の強さが、場合によっては生きにくさや働きにくさを生んでいると、ぼくは常々思っている。

「サードプレイス(家と仕事場以外のもうひとつの居場所)」なんて言い方で、一時期スタバがブランディングをしていたが、人格にもセカンドプレイスやサードプレイスがあっていいとぼくは思う。なので「自分らしさ」の議論にぼくはあまり興味がなく、そもそも人はたくさんの仮面を持って生きるものだ、と思っている。

仮にマネージャーに就任したのであれば、マネージャーという仮面を操れるようになればいいだけの話で、プレイヤー気質の自分に蓋をする必要など、まったくない。ここで試されるのが「演じる」力。つまり、マネージャという、もう一つの人生を「生きる」力だ。

というような自らの経験から、演劇が持つ「より良く生きるスキル」的な側面を、ビジネスでも活用できるように学んでもらう機会が作りたいと思っていたところ、アクティングコーチとして活躍する我が妹・こと葉ちゃんと、人事・人材育成領域で活躍するHOP株式会社の畑さんと話が盛り上がり、半年かけてオリジナルの研修を創り上げた。

研修用の台本も、3人で話し合いを重ね2本創り上げた。参加する方々は、研修前に台本が手渡され、目を通してくることが求められる。当日出会うのは、「これまで知らなかった自分」だ。いくつもの仮面を手に入れることで(考え方をインストールしてもらうことで)、有能なマネージャーへの道を駆け上がってもらおう、と考えている。

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