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「 フェスの持つ物語性 」にある、『 氣志團万博 』の他にない魅力

今年で8年目を迎えた『 氣志團万博 』。

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日本一の万博ファンを自称し、フェス形式で初の開催となった2012年から見届けている僕が考える『 氣志團万博 』の面白さは、「 フェスの持つ物語性 」にあると思う。

物語という言葉には質も内容も年々レベルアップして、他ではあり得ないブッキングやここでしか生まれない奇跡をたくさん実現し、唯一無二のフェスの形を作り上げていった“フェスとしての成長物語”という意味もあるが。

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氣志團だけでなく、万博への愛情を持って何度も出演している常連組や、万博を食ってやるくらいの気概で挑む勢いある若手バンド、何年もラブコールを送り続けて出演した大御所ミュージシャンなど。
それぞれの出演者が、氣志團や万博を通じて生み出し、紡いでいく物語がたくさんあるから面白いし、どれも見逃すことが出来ないのだ。

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2日目に登場した、ももいろクローバーZは8年連続出演。
氣志團以外で皆勤賞はももクロだけで、「 このフェスは『 氣志團万博 』でなく、ももクロ万博 」と言い続ける彼女らの万博への思い入れは尋常じゃない。万博でしか見ることの出来ないスペシャルなステージを展開する彼女らの勇姿を見るため、モノノフ(ももクロファンの総称)たちは毎年、万博へ足を運ぶ。

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「 初めて出てくれた頃は、まだみんな中高生だったのに、こんなに大人になって 」と、綾小路が父親目線で語る煽りVTRで始まった今年も国歌斉唱で仰々しく始まり、新曲「 Nightmare Before Catharsis 」をロックなバンド演奏に乗せて、熱く力強くエモーショナルに魅せると、早乙女 光( 氣志團 )を迎えて大騒ぎ! 万博ならではのはちゃめちゃなステージで盛り上げる。

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MCでは毎年、氣志團万博に招いてくれる氣志團への感謝状を贈り、氣志團からも感謝状の返礼を受けるサプライズで友情と愛と感謝を確認し合うと、これからも共に走り続けていく意志を告げ、「 鋼の意志 」を披露。
氣志團と共に万博の歴史を紡いできた彼女らが「 ももクロ万博 」と言い続けるのは、まんざら冗談じゃないと思う。

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皆勤賞のももクロだけでなく、毎年この日に向けて凝りに凝った映像と演出を準備して挑むゴールデンボンバーや、氣志團を巻き込んでの小芝居“万博新喜劇”が名物となっている10-FEET、さらに東京スカパラダイスオーケストラ、SiM、Dragon Ashなど。

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それぞれが万博への強い想いと愛情を込めたスペシャルなステージを展開する中、HEY-SMITH、King Gnu、SUPER BEAVERといった新進気鋭のバンドも、それぞれの想いを持った熱いステージで存在を知らしめる。

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2017年より3度目の出場にして、初日のMOSSAI STAGEトリを務めたcoldrainはフィールドを溢れる観客を集め、「 向こう(YASSAI STAGE)に行けるか試されてんだよ、今日にかかってるんだよ! 」と意気込みを語る。

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ライブは「 COEXIT 」でしっかり歌を聴かせると、「 F.T.T.T 」でフィールドを掻き回し、ラストは「 THE REVELATION 」で完全燃焼。
メインステージに照準を定め、全身全霊のステージで主張した彼らの物語は、来年どんな展開を見せるのか? そんな見方も万博の楽しみ方のひとつだ。

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「 翔くんはマッチ派だって聞いてたけど 」とアハハと笑いながらYASSAI STAGEに降臨したのは、初登場となる田原俊彦。
万博初登場どころか、「 フェスに出るのは初めて 」というトシちゃん。
彼をフェスの舞台に引っ張り出したことも、綾小路の愛と情熱が紡ぎ出した奇跡みたいな物語。

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真っ赤なスーツでステージに降臨すると、ビッグスターの貫禄にオーディエンスから息が漏れる。
ライブ序盤、キレキレなダンスでオーディエンスを魅了すると、中盤は「 抱きしめてTONIGHT 」~「 哀愁でいと 」~「 NINJIN娘 」~「 ハッとしてgood 」と、誰もが知ってるヒット曲を惜しみなく披露して大いに沸かせ、ラストは「 ジャングルJungle 」で会場中を踊らせると、「 そうさ! 」と最高の笑顔を見せた。

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スモークが焚かれる中、せり上がりから白のスーツ姿で登場する神々しい姿に会場中が狂喜乱舞したのは、稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾。
センターステージに足を進める3人が放つオーラは眩しいほどで、1曲目「 #SINGIN 」を歌い踊る3人の細かな動作も見逃すまいと、オーディエンスがステージに釘付けになる。

「 氣志團との約束、果たしたぞー! 」と草なぎが拳を上げると、「 30年くらい歌ってますが、初めてのフェスです 」と香取が笑顔を見せ、「 クールに見えるかも知れませんが、心は燃えてます 」と稲垣がニヤリと笑う。草なぎが氣志團メンバーと斉藤和義「 歩いて帰ろう 」をアコギでセッションするなど、信じられない光景が目の前に展開し、「 星のファンファーレ 」、「 72 」といった楽曲を華麗に歌い踊る姿は3人のファンはもちろん、ロックファンやバックヤードのミュージシャンも魅了。

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「 フェスの楽しさを知らなくて今まで損してきた。いくつになっても新しい挑戦はし続けたいよね 」と語った香取だが。ラストに披露した「 雨上がりのステップ 」の< このまま一緒に 見飽きた窮屈な世界から 飛び出せる気がしたよ >の歌詞に、僕は彼らの出演で万博がまた新しい地図を大きく広げ、さらなる飛躍を見せることを確信していた。

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2日間の大トリとして登場したのは、たった2日間で大きく成長した感がするほど、その姿が自身と貫禄に満ちていた氣志團。

インストナンバー「 砂の丘 」で堂々とした演奏を見せ、「 One Night Carnival 」で大きく沸かせると、「 俺が音楽を好きになるキッカケを与えてくれた、今年亡くなったあの方に一方的に捧げます 」と始まった曲は、なんと光GENJI「 パラダイス銀河 」で始まるジャニーズメドレー。少年隊「 仮面舞踏会 」、嵐「 Love so sweet 」、SMAP「 オレンジ 」など、ジャニー喜多川氏への愛と敬意を込めた歌と演奏に、オーディエンスも共に歌い踊り、ラストはSMAP「 俺たちに明日はある 」に<行こうぜ、ピリオドの向こうへ>と言葉を足してフィニッシュ。

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光GENJIで音楽に目覚め、ロックに衝撃を受けてバンドを始め、現在に至るまでの綾小路の音楽人生が見えるメドレーからは、彼の信念やアイデンティティがよく見えた上にしっかり音楽愛が伝わってきたし、それを観る会場中の笑顔に“音楽の先にある希望”もはっきり見えた。

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「 万博、来年もやるから! 」と綾小路が宣言し、美しい花火で華々しくフィナーレを迎えた今年の万博。ここから紡がれる『 氣志團万博 』の新しい物語が、今から楽しみで仕方ない。

構成・文:フジジュン


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