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営業部の受注額を伸ばす方法

From 安永周平

先週は連休明けだった人も多いだろう。休み明けはなかなかエンジンがかからない人も多いかもしれないが、安永は50名ほどいる社員の人事評価と昇給・昇格の意思決定に全エネルギーを投下して脳ミソがフリーズしそうだった。人の評価は難しい…そもそも私は「人が人を評価する」なんて烏滸がましいと思っている。それでも会社組織においては評価をしなければならない。頑張った人が報われる会社でなければなと思う。

営業部の受注額を伸ばす方法


そして、メルマガの安永の回も残すところあと数回になってきたが…今日は営業部長(マネージャー)や社長にとって役立つ実用的な話をしたい。あなたが個人としての成果を求めているなら不要かもしれない(むしろ制約条件のように感じるかも)しかし、あなたがセールスにおけるリーダーの立場であれば、これは受注額を伸ばす「システム」だ。『紹介の連鎖システム』とはまた違った”受注”に特化したシステムだ。

今までなぁなぁでやってきた組織でこれを始めると”ついてこれない人”が出てくるのも事実だろう。それでも、単なる根性論ではなく具体的な方法論としては極めて優秀なシステムだと思う。なぜメルマガで書こうと思ったかというと、実は本業の防災設備業でこうしたシステムを導入すべきフェーズに来ていると思うからだ。改めて自分なりに情報を整理しておこうと思い、せっかくだからあなたにもシェアしたい。だからあなたがチームの営業成績を伸ばす立場にいるのなら、ぜひ参考にしてみてほしい(注:主にBtoBの営業を想定している)

商談をABCDでランク分け


最初にやるべきは、売上分析によってどの顧客にアプローチするか方針を決めることだが…ここは「戦略」の話なので詳細は割愛する。簡単に言えば、過去3期分程度の受注案件を分析し、重点的にアプローチする顧客を特定していく。一般的には粗利率・粗利額の高い顧客がよいが、それ以外でもあなたの仕事において大切な顧客を絞り込むことだ。事業においては人も時間も足りないのが当たり前で、その限られたリソースを”どこに配分するか?”で成果は大きく変わる。詳細は省くが極めて重要なプロセスだ。

そして、ここからが具体的な方法論だが…全ての案件をA〜Dの4ランクに分けてしまう。ここは各社でランクの定義が多少変わると思う。たとえば、弊社のような設備業であれば…

A:内諾を得ており注文書待ちの状態(受注率90%)
B:確定版の見積書を提出しており、内諾待ちの状態(受注率70%)
C:見積書を作成中 or 提示済みで受注の可能性は半々(受注率50%)
D:案件として認識してるだけで、見積作成はこれから

といった具合だ。ちなみに失注したらFにする。こうすることで担当ごとの「失注率」がわかるようになる。

案件をExcel等でリスト化する


さて、A〜Dの定義が決まったら、全メンバーが抱えている案件を一覧にしてA〜Dランクに振り分けてもらう。それをExcel等で表に起こす。1行につき1社、顧客名を入れていく。そして、列には先ほどのランクを入れる。続いて、見込みの確定時期、案件の種類、受注予定額、粗利(見込)、粗利率、担当…などを入れよう。細かい項目は会社にとって重要なものを選ぶのがよい。

営業担当には週1回必ず更新してもらうようにして、営業部長は履歴を追うために週1回コピーを残しておく。そして週1でグラフにして状況を共有する。関数で自動化しておくと便利だ。 Excelよりも同時編集できるGoogleスプレッドシートの方が便利かもしれない。なんにしろ、高いお金をかけてシステムを導入しなくても表計算ソフトで十分できる話だ。

営業活動が可視化される


A〜Dのランク分けをすることは非常に重要だ。なぜなら、各営業マンが持っている案件のランクの内訳を見れば「その人が次に何をすべきか?」が明らかになるからだ。たとえば、Dは情報を知っている程度の案件だが…これが少ない人は「新規案件の活動が不十分」という意味になる。A〜D全ての案件で合計の受注額が目標の130%くらいなければ目標を達成することはできない。こうしたケースではD案件を増やす行動が必要だ。

あるいは、BはたくさんあるのにAが少ない人は、見積提出までしているのに最後の受注に結びつかないわけだ。こうしたケースは最後の決定打に欠けている状態なので、たとえば営業部長や社長に同行してもらってダメ押しの一手を繰り出すのもアリだ。デキる営業は”上司の使い方”が上手い。重要案件であればあるほど上司は喜んで協力するはずだ。

もちろんランク分けの定義によってやるべき行動は微妙に違ってくるが、論点は「次に起こすべきアクションを明確にできること」にある。これができればムダな行動がなくなり、営業部長や社長はメンバーの行動から成果を予測することができるようになる。強い営業組織を持つ会社ではこうしたシステムに基づいて活動していることが多い。根性論や定期訪問が必要なケースもあるが、具体的に受注額を押し上げたい時には導入を考えたいところだ。あなたのチームでもぜひ検討してみてはどうか。

追伸:
このシステムは元々リクルート社で行われてきた「ヨミ表」を使ったマネジメント手法だ。リクルート出身の事業家は当たり前のように使っているが、ネット上には情報が少なく導入している会社も少ない。詳細を知りたければ、このシステムを解説した書籍があるので参考にしてみてほしい

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