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失敗とうまく付き合うための思考法

あなたは失敗したことがありますか?

この質問に対して「ありません」と言える人はそう多くないでしょう。というかむしろほぼ全員。生まれて間もない赤ちゃんのように「まだ何もしていない」人間でもない限り、失敗したことがないとは断言できないと思います。

人間はミスをする生き物。そしてそれを許容する能力を持っています。家族や友人、同僚がミスをしたとき、同情したり共感してミスを許すことができる。ところが自分自身の失敗については大きく捉えがちです。他人のことだったら許せるミスも、自分のこととなった瞬間に許せなくなります

もし自分ではない他人が、この恥ずかしい状況にいるとしたら自分はその人のことをどう思うか?

一歩引いて、他人視点で考えてみると「恥の感情」が激減したという研究があります。人間はみんなミスをする生き物だということがわかると、ミスをして恥ずかしいという感情が減って、自分らしい行動ができるようになることも研究から明らかになっています。

ソロモンのパラドックス

という言葉があります。旧約聖書に出てくるソロモン王は、賢くて知識も豊富で、他人に対して的確なアドバイスができ、多くの人を救ったという伝説がありますが、一方で自分のこととなると失敗が多かったとも言われています。私たち現代人も、ソロモンのパラドックスに縛られて自分の問題に対して判断できないことでも、友だちに起きていると「想定する」だけで判断能力が上がります。他人視点で考えることでミスが減るということですね。

少し話がそれますが、「不安」について書いてみます。不安は交感神経系を活発にさせるので、心拍数が上がって呼吸が速くなります。そして有酸素運動をすることで、これと同じ症状を作り出すことができます。不安を引き起こす体の症状を、「自分でコントロールできる望ましいもの」と思えるようになると、恐怖の記憶が薄れて、代わりに新しい記憶が形成されます。意識的に自分のために行動を取るようにしていけば、自分にはそうする力があることに気づき始めます。それを繰り返せば、大きな効果が期待できることを「セルフマスタリー(自己把握)」と言います。

他人視点で物事を考えるとは、このセルフマスタリーを発動させることにもつながります。自分だけの世界に閉じこもり、恥ずかしい、不安だ、怖いという感覚に陥っていることに気づいて、他人視点で状況を好転させることができるようになると、「コントロール感」が形成されるからです。

私たちは常にミスをします。そしてミスをするたびに自己嫌悪に陥っているとキリがありません。ミスや失敗とうまく付き合うこと。そのためにいかに、自分をコントロールできるか、他人視点で自分を認めてあげられるかが重要になってきます。失敗して悩んでいる人は、ぜひこの感覚を活用してみてはいかがでしょうか。

久保大輔




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