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反省する前に明らかにすべき「目的」

振り返りと反省、思考と改善は、何事においても不可欠。営業においてクライアントと向き合い、話し、成約の可否をいただくという一連の流れにおいて「結果から逆算した思考」をもって振り返り、反省して、改善案を考えて、次の商談に生かすというサイクルがあるからこそ、営業成績が向上していきます。

サッカーにおいても同じでしょう。日々の練習があり、練習は2時間程度ですが、その前後で自分が何をしていたかを記録しておけば、週末の試合で得られた結果との関連性を探ることができます。いうまでもなく試合の省察も不可欠。「何をしたからどういう結果が出た」という因果論理は常に言語化して、ストックする習慣を持ちたいものです。

あともうひとつ、振り返りで重要なこと。それは「最終目的」を明確にすることです。たとえば営業において、「売上」が最終目的なのか、それとも「利益」なのか、はたまた「ブランディング」なのか。それぞれの「目指す場所」が違えば、反省すべきポイントも自ずと変わってくるからです。

たとえば「売上」を最大化したいのであれば、とにかく営業の機会を増やすべき。機会を増やすことを因数分解すると「人員×訪問数」になります。人員を増やして、訪問先(ときに遠方も)を増やせば、極端に下手な営業でなければ売上数値は向上していくでしょう。反省するポイントは「採用」「訪問場所」といった感じでしょうか。

ところが「利益」を追求したいのであれば、攻めの戦略だけではなく「守りの戦略」という選択肢も視野に入ってきます。売上を下げてでも利益を死守、場合によっては増やすことを模索。「コストを極限までカットする」ことの優先順位も必然的に上がってくるので、「売上」を目的に置いたときのイケイケ戦術は劣後します。反省ポイントは、「経費項目」「経費の使い方」になるでしょうか。

また「ブランディング」を重視した営業スタイルを志向するならば売上や利益は長期目標に据えて、しばらくは赤字を覚悟。その代わり「世界観」の構築にリソースが費やされることになります。低価格を売りにするのか、高品質なのか、それともカスタマイズか。戦略の違い(ブランディング)によって打ち手も変わってきます。反省ポイントは「世界観」に沿った行動ができているかどうか?に寄っていくことになります。

今日はとあるイベントの反省会に顔を出しました。当事者たちが関与した細かい作業に焦点が集まって、肝心の「目的」が疎かに。ちょっと違和感があったのでしばらく考えていましたが、「そのイベントを通して何がしたいのか?」に思いをいたし、それができてたかどうか?を論じた方が建設的だったかもしれません。

「木を見て森を見ず」なんて言葉があるくらいなので、結構な割合で私たちが陥りやすいミスなのでしょう。反省するときは必ず「目的」を、ちょっと立ち止まって明らかにして、その上で意見を出し合ってみると有意義な反省ができるように思われます。

久保大輔




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