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日本のアルバム名盤選に入るアーティストの全カタログが全て一斉にサブスク解禁になったら、日本の音楽の印象、国際的に絶対いい方に変わると思うんだけどな。

どうも。

ここ最近、一番聴いてたのは、一番は数年に一度やってくるザ・リプレイスメンツのボックスセットで、あと、なぜか80sのUSインディ・ロックな気分でもあったりするんですが

それ以外に、この人たちも聞いてます。

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はい。サブスク解禁で、かなりの音源が聞けるようになったムーンライダーズと大貫妙子ですね。この両者なんですが、ブラジルでも”かなり”聞けるようになって助かっています。

僕はですね、ライダーズに関しては90年代にベスト盤2枚と一部のアルバム、大貫妙子に関しては、なんとなくのイメージでとらえててそこまで掘り下げるということをしてきてません。僕の場合、洋楽は仕事の意識も強いので「とりあえず、少しでも名が知れてるアーティストは全て体系的にとらえるような準備をしておこう」と最低でもベスト盤で抑える、主要ディスコグラフィは記憶にとどめるようにしておく、ということをしてきているんですが、その量が多すぎて邦楽まで手が回ってなかったんですね。なので、自分でもそこ嫌な部分なんですが、邦楽の認識に関してはすごくバランスが悪いんですよね。しっかりアーティスト単位で理解できてなくて(だから「邦楽詳しいですね」なんて言われると、昔から「えっ??」という違和感持ってます)。

「それをやるには邦楽アーティスト、アルバム量が多すぎるんだよなあ」とも思ってましたね。特に上の2組のような、70sからキャリアがあるようなアーティストだと、アルバム30枚くらいあるでしょ?そんなの、よほど好きでもない限り全部は聞けないし、サブスク解禁してないと、いちいちみんな買っていったらお金もかかってしょうがないし、ましてや、違う国に住んでいるとCD持ってない限り聞こうにも聞けないでしょ?

だから、今回すごく助かったんですよ!「ああ、これで、ある程度のとこまでなら、そこまで時間をかけずにちゃんとフォローできるな」って。


ムーンライダーズに関しては、80s前半のバキバキのシンセポップの時が大好きだったんですね。やっぱ僕の場合、出自がMTVのニュー・ウェイヴだったりするものですから。なので、前身のはちみつぱいの時、並びにライダーズの初期って、昔はちょっと違和感が強かったというか、敷居が強く感じられたんですね。それが20数年前の僕の感覚でした。

それが今回、それこそムーンライダーズ名義の初期のアルバム聞いてみたら、その聞いていない間に、僕自身にヴァン・ダイク・パークスとかランディ・ニューマンみたいな古のアメリカに思いを馳せたアメリカの職人ポップだったり、はたまたジェスロ・タルみたいなプログレの免疫がいつの間にか培われていたせいか、理解することができたんですね。「ああ、そういうところからのニュー・ウェイヴ化だったわけね」と。今の耳で聞くと、むしろ、そういう初期のもっと折衷したイメージの方が面白くも聞こえたり。「ああ、こういう再会あるっていいよなあ」と思いましたね。イメージでいうと、それこそスパークスと似たようなキャリアの積み方してたんだな、と言う印象ですね。

大貫妙子の場合は、シュガーベイブの頃のは1枚なのでそれは抑えてたんですが、今、シティ・ポップ・ブームで再評価されているソロ最初の2枚をなんとなく、あと90sの頃に割とラジオでかかってた曲があってその印象だったんですね。で、今回、80sに入ってのヨーロッパ志向が入ってからのサウンドを聞いてみたら、「ああ、シティ・ポップの括りだけでこの人を語るのは無理があったんだな」と、これも目からウロコな感じがありましたね。

そのヨーロッパ路線って、ジャケ写とかアー写だけなら、当時定期購読していたFm fanでイメージだけは覚えてたんですが、こんなにフレンチとかボッサとかシンセポップの方向にも触れてたというのは、ハッキリと認識すると深みが全然違うんだなと。シティ・ポップのブームは改めて再評価するには良いきっかけだとは思うんですけど、そこからさらに大貫さんについての好奇心を上げていくためには、こういうサブスクで便利に聞けることというのは大切なことなのではないかな、と思いましたね。

僕の育った80sの時代も、例えば「フレンチとかブラジルとかがオシャレ」みたいなイメージなんとなくあったんですよね。カフェ・バー・ブームの時とかかな。「そういう感覚ってどのあたりから派生したものなんだろう」と思った時に、「ああ、日本だとこのあたりが先駆だったのか」とも思ったんですよね。そういう意味においても、ある種のオルタナティヴなポップ表現の先駆だったのかもなあ、とも思いました。だって、80sの時代に僕が一般的に耳にしてきた邦楽とかなりメージ違うもの。それはライダーズにも言えることですけどね。そういうアーティストだから、両者ともしっかり再評価されてほしいなと思いましたけどね。

ただ、今回のサブスク解禁、問題がないわけではないんですよね。例えばライダーズだと、アップル・ミュージックとSpotifyで解禁内容が異なるとか、大貫さんだったらブラジルだと部分的に日本で解禁されたアルバムで聴けないものがあるとか。権利の問題でもあるので一概に責めることはできないとは思うのですが、それに限らず、他のアーティストでも解禁で足並みが揃っていないことが少なくないんですね。あらゆるストリーミング・サービスに同じ音源を、すべての国に平等にというのが理想的だと僕は思うので。

こういう形で、

音楽性がしっかり評価され続けている、アルバムを10〜30枚をすでに出している日本のアーティストは全員サブスク解禁するべきですけどね。

それによって、さっき僕が実体験を話したように、「聞いてみたくはあるんだけど、量が多すぎて手が出ない」と思っているような人に聞くチャンスが広がるというのは、とてもいいことじゃないですか。

つい先日も、スピッツもサブスク解禁、されたでしょ?あれ、僕も楽しみにしてたんですけど、ブラジルは結局されてなくて(2000年代の一部の作品のみ)、それで「なんだ、この際、聞いてみようと思っていたのに」とガッカリもしてたんですけど、それもこれも、僕のツイッターのTLで、改めて通して聴き直している人がすごく多くて羨ましかったんですよね。

僕も去年のちょうど今頃、まだjugemのブログだったんですけど、「ユーミン全アルバム視聴」の企画やったら、なぜか反響が大きかったんですよね(笑)。本当にあのユーミンの企画は楽しくて、僕自身もかなり発見があったし、いまだにたまに聞くくらいハマッたんですけどね。それこそ今回、大貫さん聞いた時も「ああ、ユーミン、実は音楽ルーツ、大貫さんと違って70sのSSWじゃないでしょ?」とかっていうのも。これは、ワンハリにはまった後にヴァニラ・ファッジの影響で「プログレ前夜」みたいなものが聴きたくなった時にプロコル・ハルムの初期数枚を聞き返した時に、「なんだ、ルーツになってたの、”青い影”だけじゃないじゃん!」と思ったのもあるんですけどね。プラス、ユーミンの方がやっぱり根本的にアリーナロック好きな感じがあるから、表現がビッグスケールな感じがするところが、大貫さんはもっと良い意味でコンパクトにまとめた感じがあるな、とか、まだそういう気づきがあったりもして、楽しいですよ。

あと、これ何回も言いますけど、サブスク解禁、国際的にやると本当に絶対これまでと違うことが起きますって。それこそシティ・ポップ・ブームみたいなのがいくつも起こるとおもいます!

それくらい、日本のポップ・ミュージックって、長い歴史において多様なアーティスト生んできているわけですからね。これ、国際的に見ても本当に貴重ですよ。「日本はこんなにすごいんだ!」みたいな妙な自尊心みたいな最近の流行りは僕も勘弁したくはあるんですけど、客観的に見て、アルバムを数10枚発表しているアーティストがこんなに多い英米以外の国、珍しいのは事実ですからね。表面的なとこだけ見て「クール・ジャパン」なんていうより、「過去にどういうものを作ってきていたのか」と、シーンの歴史をちゃんと検証することって絶対大切だと思うんですけどね。









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