見出し画像

インド旅行記vol.001 プロローグと旅立ち編

2014-2015年の12月中旬から翌年1月末にかけて、インドで一人旅をしていた。22歳、海外への一人旅は二度目だった。

プロローグ

インドにいける奴といけない奴がいる。それは個人のカルマによる。 君がインドに行くのではない。インドが君を呼ぶんだ。(三島由紀夫)



さいきん、何の気なしに読み物をしていたら見つけたこの言葉で、長年胸につかえてたものがふっと胃の腑に落ちる感覚があった。

「インドに行ったことがある」というと「やっぱり人生観変わった?」といろんなひとに聞かれる。正直わからない。みんなそもそも、ほんとうに「人生観」なんて持って生きている? わたしはなかった。なかったというか、自分の頭の中で一番重要なトピックはそれじゃなかった。あんまり開けたことのない引き出しだった。「どう死にたいか」くらいは考えてたけど。

自分探しとか、「人生観変えたくて」とかで、インドに行ったんじゃなかった。セラピストでも、姉でも、娘でも、女でもない、誰もわたしのことを知らない場所にいって、素の自分になりたいとは思ってたけど。何か自分じゃ到底できない想像もできないようなことをしたいという衝動があって。要するにフルスロットルで働いたり勉強したり悩んだり何かにハマったりしすぎて、疲れてむしゃくしゃしていただけ。

疲れまくって茹だった頭が、急に「あ、インドでヨガ勉強しよ」と思い立っただけに過ぎない。うまく言葉に表せないので、これ以上は割愛するがそれを「カルマ」と表現した三島由紀夫の言葉に深く、大きく首肯したのだ。

旅程のうち一ヶ月弱は、ヨガとアーユルヴェーダを学ぶために「リシュケシュ」のとあるアシュラムに滞在した。そのあと、わたしがインドに行くといったらなぜか「わたしも行く」とノってきたとあるお姉さんと合流して、残りの日数「カジュラホ」「アグラ」「ジャイプール」「ニューデリー」を渡り歩いた。(北インドのメジャーなスポットたち)

当時のわたしは、安全に旅するためにこんなかんじで各種チケットを手配したり旅費・旅程を組んでました。ClearTripはほんとうにおすすめ。

旅程組みに便利だったサイト・アプリ

■ClearTripでインド国内の移動手段を検索・予約(国際線・国内線・国鉄などを一括で予約できる優れもののの外国人向けアプリ!)
 https://www.cleartrip.com/
 現地で電車やバスのチケットを買える気がしなかったので「India railway」(日本でいうJR的なやつ)のサイトとClearTripを連携させて予めネット予約・事前決済。飛行機はその必要はなかったのだけれど。この申請がとにかく大変だった。ビザの取得も、インドはテロ対策で相当厳しくてインド大使館を三回出直したけど、この国鉄申請にもかなり時間がかかった。

■Xpediaとagodaでホテル予約
https://www.expedia.co.jp/https://www.agoda.com/
 言わずと知れていると思うのでみなまで言うまい。
 ただし、エクスペディアとかアゴダで予約とれるくせに、現地ホテルのフロントで「エクスペディアで予約した」っていうとぽかんとされる。すごい待たされた上で「お金先にもらってるんだね!」と言われる。その横のパソコン何に使ってんねん。みんな超適当。そんなことではいちいち腹を立てなくなる。わたしはインドで懐5倍くらい大きくなった気がする。

■行き帰りの飛行機だけHISかなんかでとった
 行き帰りの飛行機、初日のホテルとピックアップは安心したかったし姉さんもいたのでちゃんとしたところを予約した。結構長かったので保険もかけておきたくて。これは、わたしのためというより、なんかあったとき親が安心できるように。ちなみにわたしはシンガポール航空の、体のラインがはっきり見えてスリットの入ったCAさんのお洋服が大好きで、どんなにエコノミー症候群になろうと一人で行く時はシンガポール航空一筋。みんな綺麗だしスタイルいいしまじでテンション上がる。おすすめです。綺麗なお姉さんのむちっとした体のラインにスリットがエロ可愛い。

旅立ち

わたしは何度か一人旅をしてきたけれど、行きの飛行機が離陸する瞬間、毎回ちょっとだけ泣く。飛行機が怖いとかじゃなくて、人生何があるかわからないし、もしかしたらもう家には帰れないかもなあ、とぼんやり考えるからだ。わたし、ここにいたいと思ったら、帰るのやめそうだしな、とか。いつも適当だけど、ちゃんとみんなに「いってきます」って言ってくればよかったな、とか。考えてちょっとうるっとする。これ、いくつになっても一人旅するときは変わらない気がする。

行きの飛行機、隣に座ったのはインドの青年だった。すこし挨拶を交わす。ここで断っておくけど、当時のわたし、ほぼほぼ英語喋れない。ちょっとリスニングはできるけど、「インドは中学生英語でいけるいける」って言われてたし特に勉強してなかった。それになんとかコミュニケートできることも知っていたし。

ニューヨークで仕事をしているけれど、インド人にとって年越しを家族と過ごすのはとっても大事な行事だから帰るんだ、と話していた。インドに到着したとき「よい旅を」と言われたのだけど、うまく返せなかったのが心残りだ。

深夜の2時半頃、インディラ・ガンディー空港に到着した。空港はその国の匂いがするというけれど、インドの空港は土埃とスパイスの混ざったもわっとした匂いがした。由緒正しい絨毯のような、なんともいえぬ。旅程は、翌日の昼前に国内線でデヘラドゥーンという北の都市に移動することになっていたが、さすがに初インド女一人旅で空港泊はちょっと・・・と思い、予めオールドデリーの一角に宿をとっていた。わたしは慎重に慎重を重ねたので、もちろんピックアップも手配していた。

車窓からみる12月のインドは、埃と冷気と湿気で酷くスモーキーだった。空港から車で20~30分と聞いていたのに、運転手が適当で1時間弱かかった。なんとか深夜にもかかわらずチェックインしてシャワーを浴びるとき、お湯が出なかった。ドライヤーもあるにはあったし、持参もしていたが動かない。水洗いだし、髪がキシキシだ。

「なんてこった・・・」と思った。ホテルの不安定なWi-Fiで「無事到着したよ」とだけ連絡を入れて、4時半。日本からなるべく普段使っているスキンケアやボディケアを持ってきたので、その香りにすこし安心して、5時前。就寝した。2時間でも寝れれば充分。

翌日は、30分ほど歩いてインドのメトロに乗り空港へ行く予定だった。そこでまず第一の洗礼を浴びた。あしたにつづく。