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メディアにおける手話映像の見せ方について

以前からぼんやりと考えていたことなんだけれど,メディア,特にマスメディアのテレビでの手話映像の見せ方,もう少しこうできないかなっていう内容である.

そもそも,一般人からだと,手話は世界共通,日本手話は1つとかと誤解されやすい.だから,特に当事者は何度もちゃんと説明したりするんだけれど,ろう・難聴者でもその人の背景(教育や環境等)によっては手話.まあ,声つき or 声なし,日本手話 or 日本語対応手話(手指日本語)と様々である.

そんなことを思い浮かべていた時,去年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式,閉会式の生中継をNHK,,,のEテレが,ろう通訳を取り入れた画面構成で中継していた.

東京オリンピック・パラリンピックの開会式,閉会式の生中継画面の構成
(右下がろう通訳が配置され,ろう通訳の左上に中継映像を配置する形)

これらについては,リアルタイムで視聴していなく,ほとんどSNSやWebのニュース記事などで知ったものであるが,日本のマスメディアでこんな形で示すと思ってもいなかった(それまではほとんど手話通訳などのワイプをあまり見せること自体が見受けられなかったからというのもある)

詳しくは下記に例として記事を記載しているので,細かい部分などはそちらを読んでいただけるとありがたい.


また,筑波技術大学に入学してから知ったのだが,日本でもろう通訳というのを学べるところがあるのを知ったときは驚愕を隠せなかった. 


で,やっとここから本題に入るのだが,日本語対応手話で話している映像について,SNSでかなり議論されていた.
それについては議論されること自体が有益だと思うわけで,賛否とかを言及するつもりはないんだけれど,その議論の前提を一旦置いて,日本語対応手話で話している映像に対してもろう通訳をワイプで入れるのはタブーなのかかなり前から疑問に思っていた.(下記のことをつぶやいていた内容)

なんでかっていうと,かなり前からFacebookの方では,国際手話と自国の手話の映像を両方とも出しているのをよく見かける.

となると,日本手話と日本語対応手話をそれぞれ言語として捉えることができるのであれば,日本語対応手話で話している映像にろう通訳を入れるのは問題ないのではないかって思ってしまった次第である.

声つき手話・日本語対応手話で話している映像に合わせて,ろう通訳を配置する構成の例

こんな感じで,色々な配置構成を試しながらやっていくのもアリのではないかと思っていたら,とある友人?知人?が教えてくれた.もう既に日本財団の電話リレーサービス関連で一部トライしていた模様だ.

なるほどな,もう一部ではトライしているのか.じゃあ,逆にトライするにあたって,何かがボトルネックとなっているんだろうかとぼんやりと思いつくだけ思いついたところ(もう既につぶやいているんだが),

  • ろう通訳の確保

  • SNSなどの各自で投稿するような映像にワイプを入れるのがハードル高い

  • 自分が話している手話が日本手話もしくは日本語対応手話(手指日本語)のどちらか区別できていない

  • 横長ではなく縦横の動画だとどうワイプを入れたら良いかわからない

という感じに挙げきれないほどいくらでも思いつけるのだが,大きく占める要因としては上記4点だろうかな?と考えていた.

どこまでろう通訳を確保できるかどうかわからないし,人件費がかかるからと言って,,というのも少々納得できないし,横長ではなく縦横の動画だからわからないからーというのもうーんそうかなって思ってしまうのもある.
(まあ,SNSなどの各自で投稿するとなると,自分が日本語対応手話で話している映像に,自分が日本手話で話しているのをワイプで入れるのもすごい違和感バリバリあるのは理解できる)

ただ,こうやって試していく自体が,実は「ろう通訳の確保」「日本手話と日本語対応手話との区別への理解促進」に繋がるじゃないかと思っている.

例えるのもアレなのが,英語で話しているのを日本語字幕付きで見るとなんとなく言語としては別だなと直感で理解できるのではないか?それと同様に直感で理解できるようになるじゃないかと.

そうすれば,「ろう通訳の確保」が当たり前のようになっていき,それぞれのコンテンツの専門性が求められるようになった時,各自の専門性を活かせる,もしくは高められるようになるために大学院にも進学しようと思うようになるはずわけで,自然と様々なコンテンツに対するリテラシーを身につけやすくなる.その分,ろう・難聴者の社会進出にもつながり,仕事の選択肢の幅も広がるようなきっかけの1つになっていくのではとぼんやりと目の先を見ていたのである.

あくまでも例であるが,私のかつての仕事仲間?友人?知人?となんて言ったら良いかわからないが,こういう生き様もあるよという話.


(どこかで試してみようとは思う.絶対にやるとは言い切れないが…)

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