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未解決事件簿12:医療事故研究会・W弁護士・I弁護士~後になりすましと判明

前回の未解決事件簿11では、Y総合法律事務所のF弁護士・H弁護士を訪問した時のことについてお話ししました。
 
医師の犯罪(医療事故後の隠蔽・放置とそれによる死亡)が刑法上、殺人罪(不作為の殺人)に該当することを条文で確認し、医師らを殺人罪で刑事告訴してほしいと依頼したところ、弁護士たちは「医師が殺人罪を犯すなど非常識なことを言うとあなた達の心証が悪くなる。頭がおかしいのは医師ではなくあなたたちの方だ」と私たち遺族を叱責しました。
 
また病院から医療記録を網羅的に入手する最善の方法は「証拠保全」という民事上の法的手続きであることを確認し、「証拠保全」を依頼しようとしたところ、「証拠保全」実施の必要条件として「病院に任意開示請求に行ったが断られた場合」、「担当の医師がカルテ改ざんの常習犯であることを立証できた場合」の2要件を満たす必要があるという嘘の理由を付けて、断られてしまいました。
 
とにかく1件目の弁護士(Y総合法律事務所のF弁護士、H弁護士)は最悪で、2回の訪問は徒労に終わりました。
 
そこで僕たちは次の弁護士を探すことに決めました。
 

「医療事故研究会」に申し込み


医療訴訟というのは原告側に医学的知識を必要とする特殊で難易度の高い訴訟であることから、医学的知識があり医療訴訟の経験のある弁護士に依頼するのがベターということも、医療訴訟関係の複数の書籍に記載がありました。
 
そこで僕たちはインターネットでそのような弁護士を調べるために「医療訴訟 弁護士」とキーワードを入れて検索したところ、「医療事故研究会」、「医療問題弁護団」という団体がヒットしました。いずれも医療訴訟の経験のある弁護士が所属する団体でした。
 
僕たちはまず「医療事故研究会」に申し込むことにしました。
時期的には2010年10月末頃だったと思いますが、所定の申込フォーマットをダウンロート・印刷して、そこに必要事項を記入して郵送しました。簡易書留だったと思いますが、普通郵便だったかもしれません。
 

大物弁護士と若手弁護士の2人に決定


その結果、担当の弁護士が決定したと連絡があり、相談日時と場所の連絡もありました。
東京の新橋のT総合法律事務所のW弁護士、I弁護士でした。
2010年11月9日、この日は僕は通常通り、臨床実習がありどうしても休めなかったため、母と弟が訪問し、相談の内容を事後検証できるようにするため、ICレコーダーで録音してもらいました。
 
年配のベテランのW弁護士は終始、「お兄さんは医学生なんですね。優秀なんですね」などと事件とは関係のない雑談をしていました。
 
父の医療事故・隠蔽目的の殺害事件について母と弟が具体的に説明すると、それに対しては返答せず、「実は私は心筋梗塞のカテーテル治療の血管穿孔事故後、心タンポナーデを発症させて死亡したという医療過誤の原告代理人となって勝訴に導いたことがあります」と言い、その時の簡単な資料を見せてくれました。W弁護士の名前がありました。父の事故の場合と内容が非常に似ており、この弁護士に巡り合えたことは稀に見る幸運と、この時、僕たち遺族のテンションは上がりました。
 
W弁護士は「ただこの左前下行枝という血管は、心臓の下の方までぐるーっと回り込んでいて、かなり広範囲の心筋に酸素と栄養を送っている血管だから、その根元が詰まってしまうと、重症にはなってしまうんですよね」と、問題のX病院の医師と全く同じようなことを話しており、そこが気になりました。
 

証拠保全の契約


母と弟が病院から医療記録を入手する方法として「証拠保全」というキーワードを出すと、W弁護士は「それがいいでしょうね。我々もそのつもりで契約書を作成しておきました」と、まるで僕たちが「証拠保全」を希望することを事前に予知していたかのように、証拠保全契約書・委任状が作成・準備されていたという話でした。
 
「医療記録を証拠保全で入手し、協力医にその分析を依頼し、病院側と話し合いになると思います。我々が受任するのはまず証拠保全までとします。その先のことは改めて検討します」とのことでした。「証拠保全しか関わらない」と言いたげな言い方で、その点が不満でしたが、医療記録が入手できれば、この医療事故を立証できる自信が僕にはあったため、それで十分と思いました。僕の話を聞いてもらえれば、その先、刑事告訴まで持っていける自信が僕にはありました。
 
その日の夜、母と僕と弟の3人が実家に集まって、その日の状況を共有しました。
W弁護士は「心筋梗塞に対するカテーテル治療で血管を穿孔し(突き破り)、心タンポナーデを発症させて死亡させた」という医療訴訟で勝訴に導いたことがある、ということで、この弁護士に当たったことは幸運だ、と僕たちの士気は上がってきました。
 

大物のW弁護士、顔の分かる写真が1件もヒットせず

本人とは異なる別人だったことがその約5年後に判明


インターネットで調べたところ、W弁護士は旧統一教会の訴訟や抗がん剤過剰投与死亡事件などの医療事件の訴訟にも携わっており、かなりの大物弁護士のようで、この点も非常に心強く感じました。しかしいくら検索しても顔写真が何故か1件もヒットしませんでした。これが後に非常に重要な意味を持ってきます。というのもこの時、W弁護士の顔写真が1件でもヒットしていれば、僕たち家族は「W弁護士」と名乗るこの男性が偽者、つまり「なりすまし」であることをその場で見破ることができたからです。
 
この後の話の流れを分かりやすくするために結論から先に話してしまうと、僕たちの代理人となったW弁護士を名乗る男性は後にW弁護士本人ではないことが判明しました。それから4年10か月ほど後になってしまいますが、2015年9月21日、テレビ朝日で放送された「TVタックル」で旧統一教会の合同結婚式の問題が取り上げられた際、その担当弁護士としてW弁護士がVTRで取材インタビューを受けていたのですが、それが、僕たちが対面した「W弁護士」と似ても似つかぬ人であり、明らかに別人だったことです。母はW弁護士の顔をよく覚えており、そのテレビ番組でW弁護士の本当の顔を見たときは「びっくりして気を失いそうになった」と話していました。
 
W弁護士と初めて会った日の夜、インターネットで検索してW弁護士の顔が分かる写真が1件でもヒットしていれば、その事実をその場で見破れたはずですが、何故かW弁護士という大物弁護士の写真が1件もヒットしなかったのは、不運という他ありませんでした。
 
あるいは病院側が僕たちのPC、インターネット環境にDNSスプーフィング、DNSキャッシュポイズニングなどのハッキングを仕掛けて、W弁護士の顔が分かるページを閲覧できないように規制をかけた可能性も否定できないと思います(というよりむしろその可能性の方が高いと思います)。このような検閲や閲覧規制は中国、北朝鮮などでは普通に行われていることですが、日本ではこのような検閲が行われているという話を聞いたことはありません。しかも僕たちの場合は政府や法執行機関の監視対象ではなく、相手は単なる一民間病院です。しかしそう考えなければこの状況を矛盾なく説明することができません。
 
このように、僕たちの代理人となったW弁護士は「なりすまし」であることが判明しました。つまり僕たち遺族は、病院側に騙されてしまったということです。ここでは以後、W弁護士を名乗るこの男性を「W弁護士」と鍵括弧を付けて記載したいと思います。
 
この後、僕たちは「W弁護士」の部下と思われる若いI弁護士とメールでやり取りしながら、証拠保全手続きについて進めていくことになりました。
 
しかしI弁護士の対応は僕たちの期待を大きく裏切るものであり、僕たちの不満は募るばかりでした。

次回ではその具体的な状況について説明しようと思います。
 
追記①:最終目標は病院・医師の実名報道
僕の最終目標はこの事件を明るみに出して、この病院・医師の実名報道を実現することです。
 
追記②:「フォロー」と「スキ」のお願い
この事件に興味がある、この病院・医師が許せない、この病院はどこの病院なのか気になる、実名報道まで見届けたいと思われた方は是非、「スキ」と「フォロー」をよろしくお願い致します。

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