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扁桃腺との戦いの記録

わたしは社会人になってから扁桃炎に悩まされました。短期間で扁桃炎を繰り返し扁桃周囲膿瘍になり手術したときの記録と、その後口蓋扁桃腺の摘出手術をした時の記録を残します。同じことで悩んでいる方の参考になればと思います。


扁桃炎発症のきっかけ

結論、免疫低下とストレスだったと思います。

社会人6年目に入る前に同業他社に転職しました。職務的には前職でやっていたことに似ていたため「うまくやらなければ」と自分自身にプレッシャーがかかっていました。そして転職して4ヶ月目ごろに体調を崩しやすくなります。首の右側のリンパ腺が腫れ、喉上部を触るとやたらと大きいしこりができており、人から見てもわかるほどでした。これが恐らく人生初で診断された扁桃炎。微熱を伴っていた様な気もしますが、とりあえず体調優れず、地元の耳鼻科に行っても治らないので人に勧められた耳鼻科に通いながら抗生物質を飲み続けました。

扁桃炎を治っては再発しを2ヶ月の間で繰り返し、合計すると1ヶ月半ぐらい抗生物質を飲んでいたと思います・・・(抗生物質を飲み続けていたことが要因か、婦人科系の膣カンジダ症にもかかりました)。診察のため仕事を度々抜ける必要があったので、これもまたストレスに。

時同じくして、めちゃくちゃ好きな人ができます。しかしわたしの体調不良やコミュニケーションのズレが原因で関係が悪化。これがトドメだった様な気がしますが、ある日体調がMAXキツくなり、喉の腫れも尋常じゃなかったので、改めて他の人が勧める新しい耳鼻科へ。するとおじいちゃん医師が「これは扁桃周囲膿瘍だね、今すぐ入院しなさい」と言われます。あれよあれよと紹介状や入院の手配が進み、わたしはその日から入院します。

扁桃周囲膿瘍の手術編

手術(というほどでもないような気がする)を受けたのが今より4年前のため、粗い記憶になりますがご了承ください。

仕事場に急遽入院することになったことを伝え、わたしはとりあえず先に病院に向かいました。病状についてなにもわかってなかったのですが、おじいちゃん医師が有無を言わさず「今すぐ入院」と判断を下したことに衝撃を受け、とりあえず言われた通りに動く。入院の荷物は同居人と親に頼んで持ってきてもらいました。どんな手術が待っているのかとネットで調べて怯えながら総合病院へ。

ただし病院に着いて担当医師に扁桃腺を診てもらった時に「うーん、、、膿はないみたいだけどな、、、とりあえず抗生物質を投与して様子をみましょう」という結果に。え?という診断結果でしたが、もうこの扁桃炎の悪循環を治すために身を任せることしかできなかったので、数日間点滴による抗生物質投与が行われました。

しかし症状は改善せず。そして3日目ぐらいに「ちょとCT検査しましょう」と言われ、生まれて初めてのCT検査!この体験はちょっと怖かった。造影剤を打ってマシーンに吸い込まれ、ウィーンってなってる間に身体が熱くなり出して「ナンカカラダガヤバイ」と危機感を感じていたら、マシーンから出た後に嘔吐しました。造影剤に対するアレルギー反応が出たようです。薬でアレルギー反応出たのは初めてでした。

そして辛い思いした甲斐あって、膿の場所が特定されました。首右側奥の方。医者曰く「喉のだいぶ下の方にあったようで、診察したときは見えなかった」と。いやいや、前診断してもらったおじいちゃん医師は見つけられたけどな!わたしの無駄な入院生活返せ!とあとになると思いました。
そして手術日が入院5日目とかに決まる。手術内容は、部分麻酔で口開けたまま中切って膿を取り出すというもの。聞いたときはビビりすぎて、いっそのこと全身麻酔にしてもらえないんですか?と聞くが、それほどではないと。これまでの悪夢から解放されるならばと勇気を振り絞る。いざ。

施術はいつもの普通の診察室で実行。わたしは椅子に固定されて、口を大きく開けながらまずは口中の右側を麻酔。そのあとメスで口の中を切られ・・・これが一番辛かったです。メスで切られてる感覚があったから。そして血が出てくる出てくる。肝心な膿はというと、穴開けたとこから勝手に排出されていくから、このまま穴にガーゼを詰めた状態で自然治癒を待つと。口の中の粘膜は比較的自然治癒のスピードが早いらしく、特に縫ったりしないようです。多分30分ぐらいで施術は終わり、そのあとは病室でひたすら抗菌剤や痛み止め、流動食を摂取しながら治癒を待つ日々。口の中にガーゼが詰まってるのが滑稽でしたが、でも不思議なことにどんどん穴が塞がっていきました。

合計10日の入院日ぐらいで退院となりました。想像以上の入院期間となりましたが(膿を見つけてくれなかったから)、ちょうど入院日の後半は夏季休暇を取っていたのでそれで消化しました。海外旅行に一緒に行く予定だった友人には大変申し訳ないことをしました・・・。かかった費用は10万円ほど。急な入院だったため高額医療限度額認定書が取れていなかったので、退院証明書を使って事後申請し、後から数万円還付金が振り込まれました。

ほんの3ヶ月ぐらいの間で扁桃炎の恐怖を一通り体験し今後の再発を避けたかったため、お医者さんにどうやったら予防できるのか聞いたところ、扁桃腺はなくなっても支障がないので、取ってしまうのもオプションの一つと言われました。しかし摘出手術にも10日間ほど入院期間が必要とのことで、次に長期休暇が取れる年末の期間は既に予約が埋まっていたのでその時は諦めました。その後ひどい扁桃炎は発生しなかったので、「いつか手術できたらいいいな〜」ぐらいに考えてました。

口蓋扁桃腺の摘出手術を受ける編

時はたち、扁桃炎周囲膿瘍になってから4年ほど。わたしは結婚し新しい街に引っ越しました。やはり秋・冬の季節の変わり目は風邪気味になってしまう。近くの病院へ診察に行くと「扁桃腺が腫れてますね〜」と抗生物質をもらう。もうこのやりとりにもだいぶ慣れてきたな〜と思っていた時にふと思い立ち、「扁桃腺を取りたいと思うのですが、どうしたら良いですか?」と聞いてみました。

この先子供を作ることを考えると、妊娠中に抗生物質は飲めなくなるのでどうにかした方が良いだろうと思いました。お医者さんにはわたしの過去の扁桃炎の記録を伝え、近くの大きい病院に紹介状を書いていただき後日診察へ。とても気さくな女性の医師が相談にのってくださり、「扁桃周囲膿瘍にかかったことある人は手術の対象になるわよ〜いつがいい?」とさっくりと話が進みました。

その時に教えてもらったこと:
- 入院日数は6泊7日ほど(入院2日目に手術、その後経過診察)
- 全身麻酔で手術時間は1時間ほど
- 手術によるリスクは術後の出血による再手術、手術の際に歯が欠ける、味覚を失う、声が変わる、などなど

上記のようなリスクか箇条書きで書かれていると、手術同意書にサインするとき異様にドキドキしますよね・・・せめてリスクの発生確率を一緒に書いて欲しい、怖いから。

その時が確か2020年1月とかで、6月の手術日を予約しましたが、その後コロナ禍により後ろ倒しになっていき、最終的に9月の大型連休とくっつけて手術日を再確定。その記録を記します。

入院1日目(手術日前日)

1ヶ月前にも入院前検診がありましたが特記することないので省きます。
9:30に病院に行き、コロナ禍期間なのでまずはPCR検査を受けます。長い綿棒を鼻の奥まで突っ込まれてグリグリされるのですが、絶対グリグリしすぎ。そのあと鼻血でました。必要書類を提出したら病室へ案内され、麻酔科の担当医師から手術日当日の説明を受けたら、1日目はフリー。頭フルで動かせる日はこれが最後と思い仕事をする。一応有料の4人部屋(無料と比較して冷蔵庫がついている)を取りました。カーテンで仕切られてますが、わたしのパソコンの音が気になる方がいたらしく、看護師を通して注意されました。すみませんでした。

入院2日目(手術日当日)

本番の日!前日夜21時から絶食、当日朝7時からは絶飲。手術は11時ごろからだったので、喉カラカラ&お腹ペコペコでした。手術着に着替え、時間になると看護師さんが迎えにやってきて手術室へ。

周りにいたスタッフさんは明るく振る舞ってくれ、手術室が並ぶ廊下を歩き自分用の部屋へ。そこにはテレビで見るようなスポットライトを浴びた手術台が部屋中心に置いてあり誘われます。ベッドの上は保温されていて、あったか〜。そして緊張をほぐすためかうっすらj-popが流れていて、スタッフの方々に気さくに話しかけられながら点滴を打たれ着々と手術の準備へ。

話しながら途中で点滴から妙なモノ(麻酔)が入ってきたぞと感じたところで夢の世界へ(夢見てないけど)。目が覚めた時には「終わりましたよ〜」と起こされ、ベッドで病室まで移動されているところでした。「気分はどうですか」と聞かれるのを意識朦朧の中しゃべっていた気がします。わたしの右側の扁桃腺がへばり付いてて苦戦した、的なことを言われた記憶があります。とった扁桃腺は見せてもらうことにしていたので、病室に着いたあと見せてもらい、これまた意識朦朧の中記念写真を撮りました。想像より大きくてびっくりした。

手術時間は1時間ちょっとだったそうです。そのあとまたすぐ寝て、次起きたのが夕方。おお・・・喉がなんかおかしい!痛いというよりはヒリヒリしていて、やたら血の混じった唾やタンが出てくる出てくる。そして声が全く出ない。まるで声の出し方が分からなくなったかのようになりました。口の中が広くなった感じがして、口の中の空間に違和感を感じます。舌は手術時に固定されていた時に傷付いたのか、先端と両側もヒリヒリ。とりあえずこの時は口の中が腫れ上がっている状態だそうです。

重要なことは、傷口が広がって血が出ないようにすること。喉を力む時は慎重になりました。そんな中夕食で流動食がでましたが、半分も飲み込めず。飲み込む度に痛みというよりはヒリヒリして神経を使う&緊張感を伴うので、途中で疲れてしまい諦めました。

しかしどちらかというと問題は寝る時。仰向けになると唾やタンが絡みまくり、全然寝れない!血の混ざった液体をひたすらテイッシュに吐いて指定された袋に入れ続ける作業を繰り返しました。仰向けよりは横向きの方が良いそうです。横向きだと体半分は息を通せました。そして点滴もこの日から始まり、度々看護師さんが点滴の液体を付け替えられます。止血作用がある点滴なので、徐々に吐き出す血は薄れていきました。

入院日3日目(手術日2日目)

ティッシュ1箱なくなりそうな危機に直面。安心したい方は2箱持っていきましょう。わたしは途中からティッシュ節約のため、直接袋に唾を吐いてました(汚い)。喉のヒリヒリ感は相変わらずですが、昨日よりは腫れが治っている感じがしました。朝食の流動食は頑張って半分まで食べた。その後診察を受け、出血の心配もなさそうで経過良好とのことでした。この時点でおおよその退院日がわかるようで、予定通り手術してから5日後で良さそうと言ってもらえます。本日は三分粥まで。

入院日4日目(手術日3日目)

朝は喉が一番痛い!毎朝診察があるので原因を聞いてみましたが、明確な理由はお医者様にもわからないようです。仮説は、喉が乾燥するから、またはわたしの仮説は、タンが溜まるから。朝起きて歯磨きしてると喉からタンが湧き出てきます。積極的に吐き出していくと喉は若干楽になるので、起床後のスグ歯磨きはオススメです。そして徐々にタンを吐き出す回数が減ってきます。まだ若干血が混じる時があったり、それ以外はオレンジ色のタンが出てきます。あのオレンジ色はなんだったのか・・・すみませんがわかりません。血かかさぶただと思います。

この日から、痛み止めが飲めるようになります。シロップタイプだから飲みやすい!痛みが完全になくなるわけではないのですが、ご飯が食べやすくなります。たしか夜には五部粥まで食べれるようになりました。

そして嬉しいことがもう一つ。翌朝には点滴終了!抗菌剤と止血剤を交互、ときにまとめてインプットされていましたが、やっと点滴を取れることに。この日までは入浴が禁止されていたので(血圧が上がってしまい出血しやすくなるから)、次の日には4日ぶりにシャワー浴びれることがとても嬉しかったです。シャワーに入らず寝ることが気持ち悪くて寝苦しくなってきていたので・・・

入院日5日目(手術日4日目)

この日から軟菜食になりました。やっぱり朝は喉にタンが溜まり、起きてから時間が経つまで喉がイガイガした感じなので朝ご飯はあまりガツガツ食べれません。一応痛み止めで違和感は若干軽減されます。朝食が終わった後にはルーティーンの診察と、点滴を看護師さんに外してもらいました。

そして待ちに待ったシャワー!気持ちよかった〜。3日分の汗を洗い流して、良い香りに包まれて心地良かったです。この辺りから元気も出てきました。わたしのベッドは4人部屋の窓から離れた廊下側だったので日光を浴びれず、日光不足を感じてました。なので病室から出てロビーで日が暮れるまで時間を過ごしていました。友達とテレビ電話したり、このノート書いたり仕事したりして過ごしました。ちなみにテレビ電話の時に感じましたが、長く喋るのは喉に負担を感じました。コロナで面会禁止だったので誰かと長く話すことなく気づかなかったのですが、喉は疲れやすいしスグ喉渇きます。水は手放せませんでした。また傷口のかさぶたのせいなのか、喉のイガイガで毎日咳き込んでました。無理せず長話はほどほどに。

入院日6〜7日目(手術日5~6日目)

退院までをまとめて書きます。6日目からは常食になりました。病院食なので味が濃いものや極端に固い食べ物は出なかったので、朝食は痛み止めを飲んだ後に8割ぐらい、昼食と夕食は完食しました。魚に添えてあった焼きミニトマトをトライした際は後悔しました。酸味がめちゃしみました。しばらくは酸っぱいもの・しょっぱいものは無理なんだと身を持って感じました。

その後特に出血もトラブルもなく、無事に退院の朝を迎えました。退院日の朝に最後の診察をし、大体10日後には完治するだろうと言われ、術後診察の予約をして病院を後にしました。旦那さんに迎えにきてもらい、昼食を買おうとスーパー立ち寄ったのですが、ここで悩み事が。わたしは何を食べたらいいのだろうか。

しばらくは固いものや刺激物は禁止となっており(炭酸とお酒も禁止)、マイルドな味で食べれるものを考えながら買い物しました。病院食は食べやすい食事を用意してくれてたのでありがたかったですね。自分で軟らかい食事を作るのも手間だったのでスープやらおかゆやら買いました。あとは両親が心配して家に遊びに来た時にミキサーを買ってきてくれたので、食べ物をミキサーにかけてトロトロにして食べてました。もはや離乳食。

料金

退院した日は連休中だったので、誓約書だけ書き後日支払いとなりました。支払額は、高額医療費支給制度を適用した施術代金+有料部屋+有料衣服+食事代で、計12万円ほどでした。

退院後

退院してから3日間は正直辛かったです。夜中に3回ほど喉の違和感で起きる→咳き込む→タンを出す、を繰り返してました。咳き込む度に傷口から出血しないかヒヤヒヤ。特に朝は乾燥とタンによる喉のイガイガがひどかったです。お医者さんからは痛みの具合を見て痛み止めを最大1日3回まで飲んでいいと言われており、退院してから5日間は痛み止めは1日3回欠かさず飲んでました。6日目以降は痛みが和らぎ1日に2回(朝・夜)だけになり、10日目ぐらいからは違和感を感じる程度になり飲まなくなりました。

幸い傷口から出血することはなく(謎に鼻血が出やすくなり、寝起き後に鼻血の血を吐くことはありましたが)、退院から10日後の術後診察も順調に回復中と太鼓判いただけました。「手術痕がまだ薄いピンク色だけど、あと1週間ぐらいで馴染んでくるから〜」と。この日から制限していた食べ物・飲み物は解禁され、運動もし始めて良いとのことでした。

ただ術後診察の後に、口の中の異変に何点か気づきました。

1つ目は、味覚の何かがおかしい。扁桃腺摘出手術のあとによくみられる副作用の一つらしいですが、術後1ヶ月ほど味覚がおかしくなることがあるそうです。術後診察の時に「味覚はおかしくないですか〜?」とまず聞かれました。味覚の何がおかしく感じるのかはうまく説明できないのですが、例えば自分の好物の焼き鳥やステーキを食べた際に、前ほど旨味を感じなくなりました。食べ物を口にした瞬間は甘いだったりしょっぱいだったりの味は感じるんですが、味の奥深さがないというか、味が残らずすぐ消えてしまう感じがして、余韻に浸れない・・・という感じです。これはきっと時間が解決すると思うのでしばらく様子みます。

2つ目は、鼻汁が奥のほうで固まりやすく、即ち鼻くそになる。奥のほうで固まるので、鼻を擦ると刺さる感じがして痛みます。解消するには思い切り鼻をかむか、鼻くそを掘り出すかになります。しかもこの鼻汁、黄色〜黄緑色で臭うんです(汚い話でごめんなさい)。鼻奥のほうで鼻汁のにおいがするんですが、臭い。原因は全くわかりません。たまたま季節の変わり目によって風邪の症状がでたのか、はたまた口蓋扁桃腺をとったことと関係があるのか不明です。

3つ目は、くしゃみをする時に鼻を摘んで口を閉じて抑え込もうとすると、喉に圧迫感が伝わり違和感を感じること。ちょっと喉に負担がかかり、よくない感じがします。なのでできるだけ我慢せず、家の中では思いきりくしゃみを出すようにしていますが、この行為に慣れてしまい外でやったときに人から嫌な顔で見られます。

以上が現時点での退院後の経過観察の記録になります。

おわりに

冗長になってしまいましたが、以上がわたしと扁桃腺との記録になります。12万円払って、仕事の休みとって、痛い思いして、結果手術してよかったか?と今聞かれても正直よかったのかはわかりません。きっと1年を通して、耳鼻科に診てもらう回数が減ったな〜という実感が湧けば、やっておいてよかったと思えるようになりそうです。

扁桃腺がなくなったことで風邪をひかなくなるわけでもないので、体調にはより一層気をつけていきたいと思っています。扁桃腺がなくなっても首のリンパ腺は疲れると腫れます。リンパ腺の腫れを疲れの目安として、自分の身体を労わります。



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