パゾリーニの映画『テオレマ』とドン・シーゲルの映画『白い肌の異常な夜』
イタリア出身のピエル・パオロ・パゾリーニ監督は、一昨年生誕100周年を迎え、来年は没後50周年を迎えるようです。先日、その代表作『テオレマ』('68)を観る機会がありました。初見です。
(※「ネタバレ」という類の映画ではありませんが、双方の映画のストーリー終盤まで言及します。)
『テオレマ』は、会社経営者を主人とするブルジョア一家(夫、妻、息子、娘、家政婦)の話。ミラノ郊外にあるその屋敷に、何の説明もなくひとりの美青年が同居するようになります。家政婦を含む一家5人は、いずれ