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エタノールによるウイルスの殺菌:何パーセントで効くのか?

新型コロナウイルスが流行してから、エタノールによる殺菌が一般化してきた。
エタノールの濃度は70-80 % が良いと言われてるけど、たぶんこれって細菌に対してがメインなので、ウイルスはどうなんだろう? と疑問に思って調べてみました。

結論

  • 細菌は60%くらいで効く

  • カビは70%くらいで効く

  • ウイルス(膜のあるもの)は45%くらいで効く。27%くらいから効き始める物もアリ

という感じでした(作用時間 10秒)。
コロナは膜があるので、45%くらいの濃度で効くんじゃないかと思います(調べてないけど)。
自分は分子生物学が専門なので、エタノール殺菌は毎日のように実験で使ってきたけど、細菌とカビしか考えてなかったので、今回、ウイルスに対する効果が調べられて勉強になりました。
なお膜のないウイルスは種類によって効果が大きく異なるみたいです。ノロとかは膜がないので、一般的にはエタノールによる殺菌効果はない(少ない)と言われています。

※エタノール殺菌を特に強く推奨しているわけではありません。個人の自由で良いと思います。
※「ウイルスの殺菌」と書きましたが、ウイルスはいわゆる一般的な菌である細菌(バクテリア)や真菌(カビ)などではないので、正確ではない気がしますが、分かりやすさのためこうしました。

参考にした文献

両方ともネットからPDF全文が読めます。

「殺菌・抗ウイルス効果に及ぼすエタノール濃度の影響」 神明 朱美. 2019年 博士論文. 東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 医療保健学専攻 博士課程.

「アルコール類のウイルス不活化作用に関する研究, ウイルスに対する各種アルコールの不活化効果について」 野田伸司, 渡辺実, 山田不二造, 藤本進. 感染症学雑誌. 1981; 55(5): 355-366.


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