見出し画像

現役高校英語教師が日本語教師の資格を取った


ただ、コロナ禍をきっかけにスキルアップを目指して仕事しながら勉強を頑張っただけの記録

2年前の2021年、社会人4年目だった頃から現在に至るまでの過程を、
メモの代わりとしてnoteに残しておくついでに、誰かの参考になればと思って書くことにした


日本語教師の資格を取ろうと思ったきっかけ


・大学時代に教職課程との時間割の重複で、日本語教師養成課程を履修できずやり残していた

・大学の先生の前職が日本語教師だった

・コロナ禍でテレワークという働き方が広がり、オンライン上でできる仕事を私も持っておきたいと思った

・コロナを理由に「何もできない」と言う人と、これを機に「何かにチャレンジしよう」と行動する人を見て、私は後者になろうと思った

・私たちにとって母国語である日本語は、他国から見た別の人によっては「外国語」になる訳で、それを教えるのは国語の先生よりも、英語の先生のほうが向いていると思った

まず2021年の夏は仕事で結構病んでいた時期だったので、その中で大学の先生と再会したことは私にとって大きな転機だった

「これ、それ、あれ、違いを説明できる?そういうのを外国人の方に教えるのよ」

って言葉に一気に惹き込まれた

そんな違い、考えたこともなかったから


2021年 9月 日本語教師養成講座 受講開始


養成講座を受けなくても検定試験にさえ合格すれば日本語学校で働ける資格を得られると知ったが、

養成講座を受講すればそこで新しい出会いや刺激が必ずあるだろうし、
模擬授業や教育実習、また、それ以外から得られるものを私は全てお金で買おうと思って、受講を選んだ


養成講座を選ぶ際の基準

・土日に通学ができる
・もし仕事で通学できないときには融通が利くかどうか

この2つを前提に、私の住む地域で通学可能な養成講座は3校あった(全て福岡県内)

3校全て資料請求をするとzoomで個別の説明会をしてくれるとのことだったので、とりあえず3校とも説明を聞こうと思っていたが、消去法ですぐに2校は候補から除外

その2校は何がダメだったかと言うと、

・電話、メール、ハガキで何度も勧誘の連絡が来てしつこい
・平日にも何度か通学しないといけないと分かり、仕事は休めないのでそれは困る
・2校とも博多駅からまた電車を乗り継がないといけない
(※ただし私の場合です)


残った1校は、資料請求をした中で唯一封筒の宛名が手書きだったり、
中の資料にはスタッフの方の手書きのメッセージカードが顔写真付きで入っていたりして、とても好感が持てた

こういうの大事

結局その1校だけzoomで説明を受け、2021年9月から通信・通学コースの受講を始めた

授業のスケジュールと提出物の一覧



勉強内容


9月から通信での勉強、11月からは平行して通学がスタート

養成講座で使用した教材


通信での勉強

専用のサイトで時間のあるときに授業の動画を視聴

動画を全て見たあとに学校で確認テストを受けて、単位の認定が決まる

(どんな授業があるかは、目次の後半「私の成績」に載せているのでそれを見たら分かります)



通学での勉強

毎週土曜日10:30〜15:45まで授業

私のクールは、受講生が全員で3人だった
クールによっては10人以上いるところもあるみたいだったが、私のほうは少人数で、それが逆に良かった

授業で話し合いのときは意見を言いやすかったし、模擬授業では時間を目一杯使うことができた


実際に来日している外国人に来校してもらい、教育実習も数回あった

教育実習では、
ベトナム、タイ、スイス、ドイツ、アメリカ、オーストラリアの方と出会った

模擬授業や教育実習がある週は、本業の仕事をしながら教案を作ったりパワーポイントを作ったりとにかく追われていて大変だったが、それでも楽しかった印象のほうが強い


初めての教育実習の教案


2022年10月 日本語教育能力検定試験 受験


私は大卒なので養成講座を修了した時点で日本語学校で働ける資格を得られるため、検定試験を受けないという選択肢もあったんだけれど、

やはり勉強した成果として検定試験を受験して合格したいと思った

7月に本屋で出願の書類を買って、すぐに出願

それと同時に試験勉強を開始

クラスメイトのお姉さんと一緒に買いに行った



一発で合格したくて、
とある養成講座の検定試験対策講座も受講した

模試2回+毎週土曜日にzoomでの過去問の解説込みのコースで約7万円だったが、
結論から言えば、模試2回だけのコースで十分だったと思う

過去問の解説なんてネットにいくらでも載っているので自力で勉強できるな、と思ったから


使用した参考書・勉強方法


大きく分けて6つ使った


①中学国語のワーク

まず自分が義務教育で受けてきた学校文法を復習しようと思っていちばん最初に取り組んだのが、中学校の国語の復習

これは本当に2〜3日で終わらせた

懐かしい感じがした



②「赤本」と呼ばれる参考書


受験生はみんな持ってると思うし、実際持っておいたほうが良いと思う

参考書は使い終わったら何でも売りに出すため、私は書き込みを一切しないスタイル


これを3周した

1回目:読み物としてサラッと(7月に入るまでに)
2回目:暗記しながらじっくりと
3回目:復習(覚えてない分野は再度読み込む)


※勉強を本格的に始めたのは7月だけど、
赤本の1周目に関してはあらかじめ6月中に目を通しておいた



③過去問

とにかく何度も解いた

1回目:最初から解説を見ながらサラッと
2回目:自分なりに考えて解く
3回目以降:間違えた問題は何回も解く

受講していた検定対策講座が過去問を分野ごとに分けて送ってくれていたので、苦手な分野は何回も解いた



④プラスアルファで買った参考書3冊

右から、用語集、記述試験対策、模擬試験用


②赤本を早い段階で持っていたのでいちばん右の用語集は別に買わなくても良かったんだけど、大きいし厚いし重いので持ち運んで勉強するには不便、ということで用語集を買った

真ん中は、試験Ⅲの記述式問題対策で購入

最初の何問かは自分なりに書いて解答例と読み比べていたけど、
9月後半に入ってからはあまり時間をかけたくなくて、問題のあと解答例をすぐ読んで書き写す、っていう、答えと書き方をそのまま覚えるような天声人語スタイルでやっていた

結局最後の問題まで到達できなかったけど、「そういう場合にはそういう考え方もあるのか」って発見もあったので、買って良かったと思う


左の問題集は、模擬試験をするために購入

赤本や過去問でカバーできてない知識は2〜3周した



⑤養成講座で借りた参考書


10月に入ってラストスパートをかけるために借りた

アルクのシリーズはキャラクターがじわる


使った参考書の中で、正直これがいちばん効いた気がする

これがなかったらもしかしたら合格できてなかったかもしれないくらい、知識を整理できて補えたと思う


⑥ 検定試験対策講座での模試2回

7月上旬と10月上旬に模試があり、問題用紙と解答用紙は郵送されてくる

試験Ⅱの聴解問題はzoomで行った


第1回目 7月の模試

試験勉強を始めたばかりだったので分からない問題がほとんどだった

記述問題がなぜかいちばん出来が良かった


〜3か月間の猛勉強〜

第2回目 10月の模試

7月の模試と全く同じ点数で焦る



「え?!この数か月間の勉強は何だったの?!こんなことある?!」というひどい有様

養成講座のスタッフの方に、
「やばいです、合格できないかも・・・どうしよう・・・」
って話したら、

「あ〜〜あれは試験直前だから油断しないようにって意味を込めて結構難しく作ってあるんで、そんなに気にしなくて大丈夫ですよ!」

ってケロッと言われて、励まされてるのか何なのかよく分からない気持ちになって、
「本当に???このままで大丈夫か???」
と疑心暗鬼になってはいた


幸い10月の上旬だったので、
「まだ間に合う!諦めない!もっと追い込もう!私ならできる!大丈夫!」と自分自身に言って聞かせ、⑤「合格するための本」にも必死で取り組んだ


いつも裏紙に書き殴って覚える



8〜10月の生活



平日は、6時頃起床

家を出るのがだいたい8時なので、7時には支度を済ませて30分ほど勉強してから出勤


仕事から帰ったらまた勉強

睡眠時間はちゃんと確保したいので22時半までには必ず寝るようにしていた


「職場では絶対に勉強しない!ちゃんと区別をする!」と決めていたので、家だけで勉強するようにしていた

買い物に行っているときや病院の待合室にいるときは、
「あ〜〜〜〜早く帰らなきゃ〜〜〜〜〜〜!帰ったらあれやって、そのあとあれもやって・・・」
って四六時中考えてた


土日は、8時までには起床
というかもう勝手に目が覚める

よっぽどの用事以外は基本外出せず、5〜7時間勉強


秋は本当に余裕がなかった

高3のクラスの担任をしていたので生徒の進路指導も遅くまで連日続いたり、別の仕事で帰りが遅くなることもあったり、その中で絶えず勉強もしないといけなかったりで、ストレスで体調も崩していた

忙しくて唯一苦しかった時期でもあった


部活がなくて定時で帰れる日はすぐに退勤したり、
午前中に授業がない日は午前だけ年休を取って、勉強をしてから昼に出勤したり工夫していた

検定試験1週間前の記録


個人的に役に立った参考書ベスト3

・②赤本
・③過去問
・⑤合格するための本

この3種はメインでやり込んで本当に良かったと思う


ところで勉強の記録は「スタディプラス」というアプリに残すようにしていた

大学生の頃から勉強や読書の記録はいつもこのアプリで記録して管理しているんだけど、モチベーションの維持にも大きく役立つのでこのアプリは本当に愛用してる

7月〜10月が本格的に勉強した時間


試験の前日と当日


初めての日本語教育能力検定試験の受験!


受験前日に南福岡駅の近くのホテルで1泊

当然外を出歩く訳もなく、ホテルにこもって最後の勉強をしてすぐ寝た



当日は養成講座のクラスメイトのお姉さんと合流して一緒に会場へ

私が受けた地域の会場は、福岡女学院大学だった

受験者の多さと、年齢層の幅広さにびっくりした

福岡女学院大学


試験時間は9時〜16時40分

今まで受けてきた試験の中で最長の4時間だった
(でも個人的には、2時間のTOEICのほうが肩が凝るし疲れると思った)


約4時間の試験のあと、
またクラスメイトのお姉さんと合流して、南福岡駅のミスドでお茶

まあまあ寒かったのもあったし、
1日の疲れが一気に癒えた最高の時間だったな〜と思う

お昼ごはんは試験中に眠くならないようおにぎり1個にしていたので、たくさん食べてしまった


そのお姉さん曰く、

「隣の席にいた年配の受験生が、試験Iのときはいたのに試験II以降はいなくなってて、受験を諦めたのかな〜と思った」

って言ってた



試験1週間後、解答速報を見て答え合わせ

実際の問題用紙


問題用紙の持ち帰りはオッケーなので後日自己採点するために解答に丸を付けていたが、
試験Ⅱはその余裕すらなくて、試験Ⅱだけ自己採点できず


試験ⅠとⅢは採点できたが、おそらく合格かどうかギリギリのラインだろうなと思っていた



結果の通知は12月26日に届いた

このとき絶賛コロナ療養中

2022年のクリスマスプレゼントはこの通知



「合格なら大きい封筒、不合格ならハガキ」と聞いていたので、
母から封筒を受け取ったときは大喜びした


養成講座の先生、スタッフの方、そして日本語教師の資格取得を目指すきっかけを作ってくれた大学の先生に、すぐに連絡した



2023年2月  日本語教師養成講座 修了


今年2月25日の授業の参加をもって修了

約1年8か月かかった  無事終わって良かった〜〜〜!


この記事の見出し画像は、最後の授業のあとに先生とスタッフの方と記念に撮ったもの

いつもどこに行っても感じるが、私はここでも人に恵まれたなと思った


後日郵送された証書


この1年8か月間の土日は基本的に全て勉強をして過ごしたので、
友だちとのお出かけや飲み会、その他のお誘いは、本当に最低限のものだけ選んで参加した

趣味の音楽制作やゲームもほとんどしなかったので、今客観的に自分を振り返ると、
私生活の楽しいこと全てを犠牲にして勉強ばかりしていたと思う

私自身は勉強すら楽しかったので他を犠牲にしてまで取り組んでいた感覚はないけど

でも人生でいちばん勉強した気がする


私の成績


実践評価法だけ「B」だった




修了までにかかった費用


・養成講座   約50万円
(入学金・授業料・教材費込み)


・私の最寄駅〜博多駅間の交通費 約7万円
(※基本在来線を使ってたけど1時間半はかかるので新幹線で帰る日もあった
たぶん実際は10万円超えてると思う)


たまたま私が受講を始めたタイミングが、養成講座が交通費キャッシュバックキャンペーンをしている時期だったので、上限2万円という制限はあったけれど修了後に申請をして交通費2万円は戻ってきた


それとハローワークに行って教育訓練給付制度を利用したので、10万円も返ってきた


受講して良かったこと


・受講しなければ一生出会わなかったであろう、年齢も職種も生い立ちも異なる人たちや先生に出会えた

・今後の進路選択の幅が広がった

・言語や異文化への興味が増した

・新たに学びたいことややりたいことが見つかった

・養成講座修了だけでなく検定試験にも合格したことで、とても自信が付いた


今後の野望

普段自分の考えていることをよく口にするタイプではないけど、
言霊は信じているので、ここで宣言しておく

・国内外で日本語教師として働く

・留学もしくはワーホリで海外に行く

・第二言語教育に関して大学院に進む
(英語なのか日本語なのかは未定)

・国内で外国籍の子どもたちと関わる仕事をする


上記が叶うのが何年後になるかは分からないけれど、
これから時間をかけて挑戦していきたい!有言実行しろ!!!

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?