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自ら工夫し,順番待ちでのトラブルを防ぐことができる子を育てる方法


保育・教育アドバイザーの松本くみ子です。これまで,巡回相談の時にお話ししてきた内容を,記事にすることにしました。最初のテーマは,「問題解決力を育む」です。

大人がちょっとした工夫を行い,それを積み重ねることで,子どもたちの問題解決力を育むことができます。

博士論文の執筆をしていたころ,よく,近所の学習室を利用していました。学習室の窓の外には公園があり,保育園の子どもたちがよく遊びに来ていました。

ある日,園児たち(4歳児くらい)が遊んでいるのをぼーっと眺めていると,先生が目を離したすきに,遊びに夢中になった子が,順番を抜かして滑り台を滑り降りようとしました。抜かされた子が泣き出したので,先生は慌てて駆け付けました。でも,時すでに遅し。抜かした子はお構いなしで,さっさと滑り降りてほかの遊びに向かって走り去っていきました。

こんな時は,安全面を考えて,大人がついて交通整理をすることが多いのではないでしょうか。巡回相談では,同様の状況でこんな相談を受けることがあります。

【例1】
子どもたちがやりたい遊びをすべて叶えてあげたい。でも,全部叶えていたら交通整理をする場所が増えすぎて,大人が足りない・・・。何かいい方法ありませんか?

【例2】
子ども同士で解決する力をつけたいので,あえて見守るだけにしています。でも,ケガをしないか心配です。加減はどうすればいいでしょうか?

順番を待つという行為は,単に自分が我慢をして,前の人が終わるのを待てばよい・・・ということではありません。第3者にも,自分が待っていることが伝わる必要があります。

私はいつも,線を引いたりフープを並べたり,「思わず上手に並んでしまう」工夫をすることをお勧めしています。そうすることで,並ぶときには印があると並びやすいし,並んでいることがわかりやすい!と子どもたちは,体験しながら学ぶことができます。

このような活動を積み重ねてきた結果,3歳児クラスを終えるころには,子どもたちが自分で線を引いて待つ姿が見られるようになったクラスがありました。

大切なのは,「分かってできる」「自分でできる」「選んでできる」こと。「3つのできる」は子どもを救う!



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