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公開レシピ:エルサレムビスケット

夏のエルサレムはナイチンゲールの鳴き声と太陽の光で目が覚めます。
朝は軽くでいいかな?という日は熱い紅茶とビスケット。甘くてスパイシーなこの味は地中海ならでは。

保存が効くようにこうなったのか、ビスケットはとても硬い。本当に硬い。


ある日、遅めの朝ヤッファゲートをくぐり旧市街に入った。右にはタワーオブデイビッド、その先はアルメニアンクォーター。私はまっすぐスークの中に進む。

お土産屋はまだ掃除をしていたり、シャッターを半分だけ開けていたり、ゴマが一面にまぶされたこの地特有のパンの匂いと物売りの声が響く。

私が行き着いたのはラミショップ。ラミは骨董品屋でパレスチナにまつわる古いもののコレクターでもある。貴重な品は売らない!生粋のエルサレミー。古い話からエルサレムのゴシップまでなんでも知っている。

おはよう。元気?
おはよう、元気だよ、お茶飲んで行きなよ。

楕円形のなんてことないビスケットとメラミーイエ(セージ)の入った紅茶を出してくれた。

ありがとう!いただきます!!

ビスケットを口に入れる。噛む。砕けない。もっと噛む。もっともっと噛む。やっとざっくり割れる。

(心の声)このビスケット、古くない?バリカタなんですけど!!歯が折れなくてよかったよ。

心の声が聞こえてしまったのか、ラミが笑っている。

これは、こうやって食べるんだよ。

熱い紅茶にビスケットを少しだけ浸して柔くして食べ浸して食べて浸して食べていく。

まるで離乳食!

そう思ったのもつかの間、私の心は鷲掴みされました。

なにこれ、優しい。柔らかくてほんのり甘くて優しいんですけど!!もっと食べたい。ラミ、もう少しもらってもいい?

紅茶なしでは食べられない、このビスケット。エルサレムが恋しい私はこのビスケットも恋しくなった。

私の舌の記憶と共にレシピを作ってみようじゃないですか!

◎材料◎

小麦粉 1/2 cup
砂糖  1/4 cup
オイル  1/4 cup
ベーキングパウダー 小さじ1
卵 1個
アニス 小さじ 1
バニラオイル   小さじ 1/2
塩 ひとつまみ

◎作り方◎

準備>オーブンを170度に温めておく。

卵を割ってなめらかになるまで混ぜる。
卵に砂糖を入れて混ぜる。
バニラオイルを入れて混ぜる。
オイルを入れて混ぜる。
アニスを入れて混ぜる。

粉類を篩にかけて合わせる。
卵ーアニスまで入れて混ぜた中に粉類を入れてさっくり混ぜる。
天板にクッキングシートを敷いてエクレア風に形を作り乗せる。
オーブンでこんがりするまで焼く。(オーブンによって20分−40分)

焼けたらひっくり返してオーブンに戻す。(オーブンは止めておく)

冷えたらカチカチのカルシャッレビスケット出来上がり。

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アニスの風味とバニラの香りのハーモニーがなんとも言えないです。アニス初めての人は、????な味かもしれませんが3回か4回試してみて!病みつきになりますから!!
地中海の味です。

飲み物は絶対紅茶!
紅茶+セージでも紅茶+ミントでもフレイバーはお好みで。

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写真を見てお気づきかと思いますが、このレシピは不完全です。味はとても現地のに近い、でも形は不恰好。

それでも投稿したのは、嘆くよりも今やれることをやりたいと思ったから。
何度でも作り直すし、何度でも間違える。何があっても前に進む。


最後に

自分の好きなパレスチナ、その土地・文化を知って欲しい、広まって欲しい、という気持ちでいつも基本的には無料公開にしています。
その気持ちは今も変わりありません。爆発的に読まれるジャンルではないことも知っています。パレスチナは紛争地だけではありません。そこに息づく文化や風土があります。あらゆる意味でここは世界の縮図と言えます。
この仕事をこれからも続けたい、私がやらないといけない仕事、私にしか出来ない仕事だと思っています。フィジカルなイベントが開催が出来ない今、私にとってインターネット上だけが情報発信元として動ける場所です。
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