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詩を紡ぐ、詩を読む #ガザモノローグ

オープンマイクで詩の朗読をしました。

 わたしは演者ではなく、写真家である。しかし、時には伝えるために舞台に立たなければならない、あったことをなかったことにしないために。言葉を紡ぎ、想像力を刺激し、見えない波を起こすこと。違和感に忠実に思考を深める。

 自分の自由を守り他人の自由を守ために。

photo by ナナシナタロウ

 詩の朗読をします。
 この詩の朗読の企画はラマッラーにあるアシュタール劇場が企画したものです。 2008年から2009年のイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した子どもや若者33人が 書いたモノローグ集は、世界30カ国以上で上演されました。2014年のガザ侵攻時にもモ ノローグは追加され、2023年10月以降は、「ガザ・モノローグ2023」として、アシュタール劇場が発表を続けています。

 アシュタール劇場って何?そう思った人も多いですよね。アシュタール劇場はパレスチナ のラマッラーという街にあります。エルサレムからバスに乗って行くことになります。 エルサレム、イスラム教のお祈りを知らせるアザーンが聞こえてきたと思えば、キリスト 教の教会から鐘の音が聞こえます。日差しは暑く、吹く風は涼しく、日陰に入れば少しひやっととします。

「ローサハマティ、 ラマッラ?」 (すいません、ラマッラ行きですか?)

「ナアム ヤッラ」(そうだよ、乗って!)

「ヤスラモ」(ありがとう)

 そうやってバスに乗り込みます。エルサレムからラマッラまで20kmほどです。バスの中で知らないおばさんもわたしに話しかけてきます。
「ハーダ ムスタウタネ 」(これ、入植地よ。)
 私たちは苦い顔をします。そして警戒し、バス は迂回し、遠回りをしてラマッラーに向かうのです。道が悪くなるとそれはパレスチナ入ったまたはパレスチナ人のエリアに入ったことを意味します。しばらくするとバスが止まります。カランディアチェックポイントです。ここはいつでもひどい渋滞です。車を一台ず つ止めイスラエル軍がチェックしていきます。 美し刺繍が施されたゆったりとしたワンピースを着ている女性がゆっくりと歩いています。手にはスマートフォンを持って。そして何かを尋ねようとしています。

ドドドドン
ヤーアッラー アッラーアクバール!

道に血が流れています。 救急車を呼んで!バスの中も外も騒然となります。悲痛な悲鳴が聞こえます。

ヤーアッラー

近づくな こいつはテロリストだ

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