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【同窓会】みんなちがって、みんないい ~ Mちゃんとのエピソード

同窓会


高校卒業x0周年、久しぶりの同窓会に参加した。
年に何回か定期的に会っている人もいれば、卒業以来の再開だった人も。


これだけ時間が経っていれば、そりゃあ盛り上がるわよ、同窓会だもん。
進学、就職、結婚、そして子育て。
みなそれぞれその人なりの紆余曲折を経て今があるわけで。

お昼過ぎにスタートした同窓会は盛り上がそのままに二次会へ。

Mちゃんとの再会


そこで卒業以来で再会したMちゃんと会話したときのこと。

高校時代はそれほど親しくなく、話したこともあまりなかった。

彼女はいわゆるハーフで、当時も今も日本人離れしたエキゾチックな見た目だ。
大人になってビョークのような美しさを放つ女性になっていた。

記憶になかった出来事

会っていなかった期間、互いにどうしていたのかと、ビール片手に話していたら、彼女が思い出したように言った。

「そう言えば、電車で会ったとき私が話しかけたのに無視してたことあったよね?」

寝耳に水である。
全く覚えていないのだから。

彼女はアメリカからの帰国子女として高校に入学した。当然純粋な日本人とは少し違う価値観を持っている。
田舎育ちの私は、彼女に対して「なんだか変わった人」というレッテルを勝手に貼っていた。

物差しは1つしかないと思っていた

変わった人と思っていたし、当時それほど親しくもなかった。親しくしたいとも思っていなかったので本当に記憶にない。

記憶に無いとはいえ、そんな悲しい経験を彼女にさせてしまっていたことが本当に情けなく、恥ずかしい気持ちで、彼女に謝らずにはいられなかった。

物差しは1つしかないと思っていた。
記憶にも残らないほどに、純粋に自分の信じる価値観(物差し)が世界の常識だ、くらいに思っていたのだろう。

あの頃の私にはダイバーシティのかけらもなかった。
私たちとは見た目もなんだか違うし、話しも合わないし、積極的に関わりたくはない。確かにそんな風に思っていた。

今はわかる、あの頃は本当に未熟だった

高校卒業から今までの間に、海外を旅して異国の文化がたくさんあることを知ったし、職場では多くの外国人と共に仕事をしている。子どもの繋がりで様々な業界で働くママ友やパパ友と出会った。

世の中には様々な価値観があるし、自分の物差しを押し付けてもコトがうまく行くとは限らないことが、歳を取るにつれてわかってきた。

あの頃はダイバーシティという言葉も今ほど認知されてはいなかったが、それ以前に私が本当に未熟だった。
狭い世界で生きていた。

私は申し訳なくて平謝りだった。ひどいことをしてしまっていたと。

それでも彼女は、それも思い出のひとつに過ぎないよ、と。本当に素晴らしい高校生活だったよ、と言ってくれた。
私があのときにした心ない行動に傷ついていたかもしれないのに…

それからのMちゃん

Mちゃんは卒業してから海外に留学し、日本や海外で働いてきたと言う。日本国籍にも関わらず、見た目が違うことによる壁をたくさん経験してきたとも話してくれた。

なのに今も昔も彼女はちっともブレていなくて、今をしなやかに生きている。

みんなちがって、みんないい

あまりにも幼稚で、心の狭かった自分に改めて気がつけて良かった。

みんなちがって、みんないい

金子みすゞ

私の子どもたちには小さいころから教えて来たつもりだった。でも、自分は本当にその意味をわかっていたのか?

今なら以前よりもずっと、わかると思う。

当時の私のように、誰かに悲しい思いをさせるようなことはして欲しくない。

今のうちからリアルな体験としてきちんと教えてあげたい。

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