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皆殺しの天使

最高のタイトルの映画に出会いました。

ルイス・ブニュエル監督の『皆殺しの天使』です。もうこのタイトルがお気に入りすぎて観る前からTwitterのbioに「皆殺しの天使」って書いちゃってました。気付いた人いるかな。

あらすじを書こうと思ったんですが大したあらすじもないんですよねこの映画には。ざっくりと説明すると、金持ちの夫婦の家で開かれたパーティに参加したブルジョワ達がそのパーティから帰ることができなくなる映画です。意味がわからないですよね。でもほんとにこれだけなんです。パーティが終わっても誰一人部屋から出て行かないで、そこでみんなが眠り始めるのです。そして朝起きて、なんだかその状況がおかしいことに気付き始めます。「なんで誰も帰らないんだ?」。そして徐々に徐々に、優雅だった彼らがヒステリックに陥り理性は崩れ去っていく。そこには威厳もなにもない。もちろん外の世界では彼らが帰ってこないことに大騒ぎです。豪邸の門の前に警官達は集まりますが誰一人として門の中へ入っていきません。正確に言うと、入ろうとすると「入る気持ちが失せる」ようなのです。そうして数十日が経っていきます、、、、、

この映画は物理的な障害によって部屋から出られなくなるのではありません。心理的な何かによって20人もの金持ち達がそこから出られなくなるのです。この映画に出てくる金持ち達は自分ではなく誰かがどうにかしてくれることを望みます。それは傍目には「その場所にとどまっていたい」ように見えます。彼らはよく喋るのですが、そこに進展はありません。あるのは停滞のみです。そして意味のない堂々巡りの果てにわずかな希望が見えます。しかしそれも結局はまた別の堂々巡りへのきっかけに過ぎないのです。

他の人の解説?感想を読んでいると、ある登場人物が「皆殺しの天使」であるらしいのですがその辺は私にはわかりませんでした。そんでもってタイトルの持つ意味もよくわかりませんでした。ただ、ブルジョワ達の会話の生産性のなさやくだらなさだったり着飾った外面とは違った内面の人間臭さをとても感じる映画でした。

これが私にとっては初ブニュエル作品だったわけですが、一緒に購入した「自由の幻想」も早く観てみたいです。たのしみだな〜!

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