ITストラテジスト試験章立て-2009-2
X-Twitterを中心にIPA資格試験の情報発信をしてます。
ST試験を受験する方の参考になればと、公開されている過去問を章立てしています。
ちょっと古いものから始めてますが、ITストラテジストの本質は変わりありませんのでご安心ください。
試験の性質上、どうしても文字が多くなります。
そのため、あえて細かい説明は省略し、淡々と組立のプロセスを残します。
なお、スマホでも読めるように改行しています。
また、品質面を必要以上に盛らないために、即興で作ります。
実際の試験に挑むつもりで、制限時間も40分としてます。
お読みいただく方には「出来ていく過程」を追っていただければと思います。
さて、今回の問題はこちら。
階層1
はじめに、全体を囲う階層を設定します。
ここに悩むのは時間がもったいないので機械的に行います。
冗長で格好悪い表現に見えるかもしれませんが、素直に設問を引用します。
1.私が活用の促進策を立案した情報システムの概要と導入の目的
2.情報システムの活用が進まない理由の分析および真の原因
3.情報システム導入の目的を達成するために立案した促進策と工夫した点
階層2
次に、2階層目です。ここも、半ば機械的に仮置きします。
この後の「階層3」の内容によって、組み替えることもあります。
※解りやすいように一段ずらして記載しますが、試験ではその必要はありません。
1.私が活用の促進策を立案した情報システムの概要と導入の目的
1−1.事業の概要と特性
1−2.私が活用の促進策を立案した業務および情報システム
2.情報システムの活用が進まない理由の分析および真の原因
2−1.情報システムの活用が進まない理由の分析
2−2.情報システムが活用されない真の原因
3.情報システム導入の目的を達成するために立案した促進策と工夫した点
3−1.私が検討した促進策
3−2.目的達成のために工夫した点
階層3
最後に3階層目。ここに最も多くの時間を割きます。
普段は仮作成→確定という流れですが、今回は具体的にイメージできたので仮作成部分を省略しました。
なお今回は、「設問1」の汎用性をイメージしていただくために、あえて2009-1と同じ状況を設定しています。
1.私が活用の促進策を立案した情報システムの概要と導入の目的
1−1.事業の概要と特性
・競合他社の進出による顧客の流出がある
・IT分野で競合他社に遅れを取っている
・顧客獲得のための事業戦略を策定している
・地域におけるシェア〇〇%を目標
・A社の経営層は、事業戦略実現のために、顧客
満足度向上のために顧客サービス品質向上の
ための施策を必要としていた
1−2.私が活用の促進策を立案した業務および情報システム
・A社の経営層は、競合他社と比べて渉外業務に
おける営業担当の情報共有の速度に差がある
と認識しており、経営戦略上の課題と考え、
渉外業務支援システムを導入した。
・渉外業務支援システム導入後、効果が十分で
ないと考えたA社の経営層は、活用を進める
ための施策を必要としていた。
・私は、A社に所属するITストラテジストである
2.情報システムの活用が進まない理由の分析および真の原因
2−1.分析の観点
・A社が渉外業務支援システムを導入した目的は
社外における営業担当者の情報連携を効率化
することである
・具体的には
・リアルタイムに顧客とのやりとりを蓄積
・本店の熟練者が集まる営業統括部門とも
共有し、過去の取引記録や熟練社員のア
ドバイスなどを共有
・A社では、直接的な対策として情報システム
の導入時に利用のためのトレーニングを実施
していた
・直接的な対策だけでは、活用が進まないこと
がある
・私は、システムの利用率の観点で分析するこ
とにした
2−2.分析の結果
・私は、システム内のアクセス状況やデータの
種類別の蓄積状況をシステムから抽出し、
分析することにした
・システム導入開始時から現在までの各月毎に
データを整理し、グラフ化したところ、
本店の熟練者によるアクセス頻度が時間と
ともに低下し、かつ当該ユーザー用が登録
すべきデータ項目に抜け漏れが多く見られ
ることがわかった
2−3.情報システムが活用されない真の原因
・私は、分析の結果を元にユーザーにアンケ
ートを実施し、真の原因を特定した。
・具体的には
・導入時の一過性のトレーニングだけで
は定着しなかったこと
・システムの肝であった熟練者の利用が
十分でなかったため、導入効果が発揮
されていなかったこと
・それに伴い全体の利用率が低下した
こと
・私は、A社の目的である渉外業務の効率化
につなげるために、有効な対策を検討する
必要があると考えた
3.情報システム導入の目的を達成するために立案した促進策と工夫した点
3−1.私が検討した促進策
・私は、活用が進まない真の原因をユーザー
の利用促進が不足していることと考えた。
・具体的には
・導入後のトレーニングが十分でなかった
・よくある質問などが整理されておらず、
ユーザーが使用に躊躇するシーンが多く
あった
・それらを解消し、A社の目的を達成するため
に、私は、定期的なトレーニングを実施する
こととした
・具体的には
・四半期に一回
・半日
・3回に分けて全利用者受講
3−2.目的達成のために工夫した点
・真の原因に対策できていなければ活用が進
まず、目的を達成できない
・私は、促進策を工夫することにした
・具体的には
・効果確認のためのアンケート
・トレーニングのない時期における不安
解消のためのQ&A集の作成など
・以上により、渉外業務支援システムの活用
が進み、導入の目的である渉外業務の効率
化を達成できるものと考えた
・私はA社の経営層に促進策について説明し
概ね好評をいただいた
ここまでが、「章立て」の練習となります。
IT施策は先進的で立派なものでなくても問題ありません。
大事なのは問題の要素を漏れなく織り込むことと、設問1で掲げた目的を一貫することです。
要素を織り込むことは、割とすぐ対応できます。
一貫性を保つために、「章立て」の練習が必要です。
次に大事な点として、ここまでにかけられる時間は30分〜40分です。
これさえできれば、あとは修飾しながら書くだけです。40分で作れるようになるまで過去問を繰り返しましょう。
終わりに、私の著書も紹介します。
試験の攻略法ではなく、なにかとモヤモヤしがちな論述試験をどう捉えればよいか。を中心にお伝えしてます。
勉強を始めたばかりの方にお読みいただくものではないので、気が乗らなくなってきたときに思い出していただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました✨
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