こだわりと押し付けの境界線

デートは絶対に食べログで評価3.5以上のお店じゃないと行かない、という人がいた。
一回一回のデートを美味しいものを食べて貴重な時間にしたいからという理由だったが、そういうお店は前々から日時を決めて予約しないといけないし、昼も夜もとなるとお金もそれなりにかかるしで、正直こちらとしてはかなり負担だった。

こだわりというものは、自分だけに留めておくうちは独自の哲学とも受け取れてある種の魅力にもなりうるが、他人にもそれを求めた時点でただの押し付けへと成り下がる。

だから他人には自分のこだわりを押し付けないよう気をつけている、と書こうとして気づいたのだが、私にも一つ、他人に対してこだわり以上押し付け未満の事柄がある。眉毛だ。

男女問わず、整えてある眉毛が妙に気になる。ボサボサでもいいから、整えていない眉毛が好きなのだ。細く綺麗に整えられた眉毛、ばっちりと書き込まれた眉毛、鋭角にとんがっている眉毛などを見ると、ああ〜〜、そのままでいいのに、、と心の中で嘆いてしまう。

口には出さないので誰の耳にも届くことはないけど、
「世界中の人が眉毛を整えないでくれればいいのに、そうすれば私の心は平穏なのに」というのは全くもって押し付けがましい願いだ。


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