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コロナによる出産立会い、面会、付き添い禁止について思うこと

はじめに

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日本で新型コロナウィルスを耳にしたのは、2020年が幕を開け、しばらく経った2月頃ではないでしょうか。その時はまだ多くの人にとって、中国発祥のよくわからないウィルス、くらいのイメージだったかと思います。こんなにも経済に、そして何より日常生活に影響が及ぶとは、自分もつゆ思いませんでした。

こと、私事になりますが、現在、臨月を迎え出産予定日まで1週間ほどの妊婦です(2020年7月10日現在)。新婚ホヤホヤでは全くなく、結婚5周年を迎える30代40代夫婦の片方です。
結婚して、子どもになかなか恵まれず、細々と活動していた期間も含めると4年くらい不妊治療を行っていました。

不妊治療については、別のnoteに残せればと思うので、こちらでは割愛させていただきますが、待望の子を授かったのが、2019年の11月でした。
そこから、産院探し、そして出産へ向けての準備を、不安とワクワクの感情を抱えながら進めていました。

そんな時に突如現れた「新型コロナウィルス」
人生初の出産に、コロナがどう影響を与えたか、何を思い、今できることは何かを記せればと思います。

経緯

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まずは、妊娠判明から出産までの経緯です(記事公開時点では、出産まであと1週間あります)。

2015年冬頃〜:不妊治療開始
2019年11月後半:妊娠が判明
2019年12月:産院決定・悪阻がひどく体重5キロ減

2020年2月:

コロナがニュースで話題に上り始める
産科の検診は4週に1度程度。夫も付き添う

2020年3月:

会社のリモート勤務開始に伴い、在宅勤務スタート
病院で検診の付き添いが禁止になる

2020年4月:

緊急事態宣言が発令される

夫の会社が自宅待機に(〜4月後半頃まで)
母親学級・両親学級・マタニティヨガ教室の中止になる(一度も参加できず)
陣痛時の付き添い、立会い出産、産後の見舞い全て中止になる

2020年5月:

ステイホーム期間
緊急事態宣言解除

2020年6月:

立会い出産復活に向けて、夫婦ともに朝晩の検診を記録するよう病院側から告げられる
産休に入る
母親学級・両親学級キャンセルに伴い、教えるはずだった内容をDVD化したものを病院側が貸し出す(合計2枚、おもに施設面の紹介)

2020年7月:

病院から電話があり、コロナ患者が再び増えていることをふまえ、立会い出産はできないことを告げられる
立会い可能な病院への転院も可能であることを口頭で説明を受けたため、同区内にある2つの助産院と別区にある2つの病院、産婦人科(不妊治療を行っていたところ)に問い合わせる

週数がすでに37週であること、特別な医療介入が必要な場合以外の理由による転院は不可であること、同区内の助産院で出産を行っていないことなどを理由に断られる
当初から予定していた産院でこのまま産むことを決意

湧き出た感情

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上記が妊娠するまで〜コロナと出産準備期間に起こったことでした。
自身が所属している会社も大いにコロナの打撃を受け、売り上げも減りました。自分だけでなく、まわりの家族、友人も倒産など大小かかわらず100%影響を受けています。

そして、検討していた病院ですらクラスターと化し、前代未聞の渦中にある医療従事者の皆さまへは感謝と応援の気持ちしか本当にありません。

いろんな、いろんな、感情や想いが、このコロナ渦で人々のなかに生じていることと思います。
たまたま出産というタイミングだったので、自分なりに先ほどの経緯のなかで、発生した感情を列挙したいと思います。

・悲しい
・怒り
・不安
・孤独
・心配
・不信
・諦め
・覚悟

ざっくりですが、このような感情をいったりきたり…湧いては消え、湧いては消える予定日1週間前の今日でございます。

クレイグ・ナッケンの著書、『やめられない心 毒になる「依存」
のなかで、感情というのは単体で存在するものではないという記述がありました。
たしかに、「何かが達成できないから、悔しい」「信じていた人に裏切られたから、怒っている」など感情が起こる背景には必ずしも理由があります。

次から、なぜ出産✖️コロナで上記のような感情が生じたのか考えてみたいと思います。

感情の背景

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出産にあたり、今の今抱いている感情を一つずつ、考えられる原因とともに紐解いていきます。

悲しい
考えられる原因:立会いができそうな希望が示されていたし、検温を続けるなど前向きになり、期待もしていたところ、実現しないことが確定したため。期待が外れたこと。

怒り
考えられる原因①:6月に立会い可能かもしれないという期待をもたせておいて、転院不可な週数において、電話で不可能であることを告げられたこと。

考えられる原因②:個人的に気になって6月20日に電話した際、6月29日以降は立会い可能になる旨をアナウンスするつもりであると話していたが、もし電話で問い合わせなかったら、そもそもできないままだったのではないかと思ってしまうくらい、情報伝達が受動的で誠意を感じられないこと。

考えられる原因③:妊娠初期から予定日1週間前の今の今まで悪阻が酷く、体験も代わることもできない夫に、せめて陣痛や産む際の辛さや時間を実際に見て理解してほしかった。家で痛みも苦しみもない環境で待って、赤ちゃんが運ばれてくるのを待っているという姿勢に能動性や参加意欲を感じられないこと。

考えられる原因④:親はふたり。出産という行為は母親しかできないので、お休みをとりたくなくても時期がきたら休んで産み育てる。一方、夫側は育休といっても数日しか休めず(会社や日本社会の問題でもありますが)、スタート(妊娠)から負担のバランスに違和感を覚えること。

不安
考えられる原因:陣痛の痛みや産みの痛みが想像できず、分娩時に頼れる身近な人がいないなか、出産に臨むこと。

不信
考えられる原因:こちらから不安に思っていることなどを、電話で問い合わせなかったら、「立会い、面会中止」の張り紙だけのアナウンスで済ませようとしていたのかと思ってしまうこと。不安に寄り添ってくれる気持ちはないように感じてしまう。

諦め
考えられる原因①:こんな時にもかかわらず妊娠・出産というおめでたいことを経験できるだけでそもそも幸せだし、自分たちが望んだことが、たまたまコロナの時期に重なっただけ。

考えられる原因②:自分より辛い人は無数にいるし、コロナで生活どころか人生が変わってしまった人もたくさんいる。比較する問題ではないが、ワクチンもなく対策自体未知で手探りのなか、新たな生命を誕生させられるだけでありがたいこと。

覚悟
考えられる原因:時期が来たら赤ちゃんは出てきてくれるパワーをもっている。もう転院もできないし、立ち会うことが必ずしも最善ではない。

夫が側にいてもいなくても、新生児のホヤホヤ時期を直接見てもらえなくても、夫に愛情はある。そして、産んで授乳、育児をするのは自分。赤ちゃんと力を合わせて、無事に外界に出すことが目前に迫った乗り越えること。

自分なりにどうしたいか

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出産✖️コロナで湧いた感情を、原因とまで言えないふしもありますが、生じた背景とともに挙げてみました。
次に、現状をふまえ、自分なりに出産に向けて今どうしたいのかまとめます。

精神面
・覚悟を決めて、リラックスしてお産に臨む
・助産師さん、看護師さんを信用する
・瞑想を取り入れて、不安、恐怖をなるべく手放す
・タラレバ、プランB、Cの存在は考えない

行動面
zoom、ライン、ハングアウトで出産中に家族と繋ぐ
・デジカメ、goproで誕生を記録して後で夫に共有する
・撮影に必要な、ガジェット用アーム、三脚を手配する
・LDR室、入院する部屋を事前に見学に行く(7月8日済)
・何を考えたら、どういう気持ちでいたら、何があったらリラックスするのか考えて必要なものがあれば準備する(のちのち、実際に用意した結果もご紹介できればと思います・・!)
レンタルWiFiを手配する
・夫にわがままだとしても、正直な気持ちや希望を伝えて、都度現状を把握してもらう。

望む結果
・穏やかな気持ちで出産に臨む
・出産が良い思い出、経験になる
・赤ちゃんを安心して迎える
・赤ちゃんを無事産む

やってみる!

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これまで思うようにならなかった不妊治療
努力次第でどうにもならないということを、育児よりも先に学んだ期間でもありました。

そして、ようやくコロナの波とともにやってきてくれた赤ちゃん。
でん六豆のような姿から、週を追うごとにヒトらしくなって、表情までわかったときの感動。
今の今も、すでに意志をもって、お腹の中でマイペースに生きていてくれています。

立ち会いだ、見舞いだ、付き添いだは、そもそものゴールである「赤ちゃんと力を合わせて無事に出産する」の脇役です。脇役がいなくても一人劇で素晴らしい内容になります。
そもそも一人ではなく、これまでに、生まれた環境も会社も社会も、家族も病院の方も友人もたくさんの方に恵まれて、影響を受けて、他者が存在するというだけでも支えられて生きてきました。なので、出産も全然一人ではありません。

これからも長く付き合う家族や周りの人々と、関わり続けていくなかで、新たな登場人物が誕生します。すでにたくさんの愛を受けているヒトが、お腹からお外に出てくる喜びを楽しみたいと、今は思っています。

簡単なお産なんて、誰に聞いてもありませんでした。
大変なことほど、乗り越えた喜びが大きいことをこれまでの人生でもたくさん経験しています。
きっと出産もそんな大切な経験のひとつにダントツ1位で仲間入りしてくれることを祈って、あとはやってみる!のみです。

結果、どうだったかまた発信できればと思います。

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