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【緊急解説】オレゴン州中学校、暴力予告で生徒教員避難

ポートランドの隣町トゥアラティンの公立中学校に、暴力予告が来て生徒・教員全員が避難する事になった。

https://www.koin.com/news/hazelbrook-middle-school-evacuated-following-direct-threat-of-violence/

【update】
ここ数日この学校は脅迫を受けていたが、このeメールはターゲットの教員やスタッフの名前と細かい加害方法が書いてあったため、警察を呼ぶ事になった。

ことの発端は2日前、9/27の共和党活動家によるこの投稿。

中学校で、トランス女子の生徒がシス女子の生徒に暴力をふるっている映像だ。未成年の映像を拡散したくないのでここではスクショだけ載せる。

被害者の生徒、その後

髪の毛を引っ張って倒し、肩の辺りを三回殴っている。ショッキングな映像なのは間違いない。

「身体は男子だが女子だと名乗る生徒が女子生徒を殴っている。」と言う。

この投稿者は一見政治家に見えるのだが共和党支持の「インフルエンサー」だそうで。この投稿にMAGA(トランプ支持)ラジオホストや、ショッキングな映像を集め「メインメディアが伝えないニュース!」と流す右翼系サイトなどがタグ付けされている。

MAGAおじさん
いやーな映像ばかりのニュースアカウント

この投稿のコメント欄には「この生徒を刑務所に送れ」など、未成年に憎悪を剥き出しにする大人で溢れている。そして「こんなことをのさばらせる学校に抗議せよ」との犬笛が吹かれている。

お前だれ

反トランス運動にはネオナチやロシア武装集団などの恐ろしい集団が背後にいる。こう言う人たちは、全国どこでもショッキングな事件があると現れて大騒ぎをする。

https://theintercept.com/2023/07/08/american-neo-nazis-ukraine-war/


この夏にもトランス差別の酷い患者を、入院拒否した事を本人がこのようなネットでのインフルエンサーに垂れ込み、拡散され、反トランスからの爆破予告を受け一時閉鎖しなければならくなったクリニックがあった。

https://www.opb.org/article/2023/08/05/ohsu-bomb-threat-lgbtq/

今回の脅迫は誰が送ったのかなど、現在FBIまで出動して調査をしているが、反トランスのイデオロギーで情報拡散され、暴力のターゲットになるケースは後を絶たない。


日本でもそうだがアメリカでは特に、「男が女を殴る」事は大きなタブーとされている。それは絶対的な力の差がある弱者(この場合女性)を守る意味がある。女を殴る男は人でなし。この感覚は一般に多く共有されている。

例えばこの事件が「女子 vs. 女子」だとしたらこんな騒ぎにはならない。この生徒が「トランス女子」であり、「身体は男子」なのに女子を殴るとは何事だ、と思う気持ちも分からないでもない。

ただもうちょっと考えて欲しい。

これは双方子供なのだ。

身体がどうだろうと、二人とも子供なのだ。

この二人の間に、以前から醜いやりとりがあっただろう事は予想はつく。その詳細や、二人の心の成長過程、いろいろなニュアンスが様々な判断に影響する極めてプライベートないざこざを、それ、トランスだ!と大人がこうやって未成年の顔の写った映像を、政治目的で拡散する邪悪さについては誰も語らない。

これがトランス女子でなくシス男子vs.シス女子であったとしても、このような活動家やインフルエンサーは騒がない。別に女子を守りたい訳でなく、トランスを叩きたいだけなのだ。

「このように身体男子が女子を殴る事をトランス女子だからと学校が看過している」と決めつけ、ならばお灸を据えてやろうと学校の教員をターゲットにする。

「女性、女子を守るのだ!」と息巻くその口で「このトランス生徒を牢屋に!」と、罵る。トランス生徒が未成年である事、子供の権利は全く無視をする。

犯罪の懲罰に関して、未成年は守られている。大人の法律では裁かれないはずだ。なのにトランスの人や、黒人など、未成年なのに成人と同じ懲罰を受けているケースが過去にごまんとある。

この手のショック映像や扇動投稿を見た時、トランス、シス、以前に子供である事を私たちは考えないといけないと思う。

(特に日本の)フェミニストがトランス権利拡大に際する女性権利の縮小を憂うあまり、差別的な投稿を拡散してしまうケースをよく見る。

私も女性の権利を強く訴えるフェミニストではあるが、米国反トランス運動の背後には恐ろしい団体がいる事を知って欲しい。

彼らは憎悪を煽りたいだけで、実は女性のことなんてどうでもいいのだ。図らずしも彼らの片棒を担いでしまうことだけは避けたい。

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