異動が決まってからというもの、一念発起8年使ったロッカーの整理を始めた。 なんでも溜め込む性格は愛せども愛せども拗らせていくばかり。それでも毎日ちょっとづつ色んな物を捨てていく。 混沌としたロッカーのその中でとりわけ存在感を放つ物があった。 ちょっと前に後輩から貰った中華風おこし沙琪瑪(サチマ)を私は大量に余らせていた。 「美味しいね、これ好き」と言ったら、ある日ロッカーに大きな化粧箱に入ったサチマが1ダース入っていた。 中国の妹からの気持ちはとても嬉しかった。 ただ、これは
早川義夫さんのエッセイを読んでいて、『パパ』というお話に辿り着いた。 (あ、今日父の日だったなぁ)と。こういう事はよくあるものだけれど、なんだかとても良く当たっているおみくじを引いたような巡り合わせを感じる。 仕事終わりに父にとりあえずの電話を入れた。 『明日は早くから髪を切りに行くので』とは言えず、「治りかけの風邪をうつしたくなかったので、今日は実家には帰るのやめたの」と伝えた。 「お前の事だから、電話くれると思ってたよ」との台詞に、なんと言ったら良いのかわからなかった。