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稲穂のように

 融通がきくとか、気が回るとか、あるいは硬直的でない等、物事がスムーズに流れるためには、とりわけ人生経験の長さの中で培われる考え方や判断力のベースとして、弾力(だんりょく)的な感性が必要です。年を重ねるに従って、稲穂のように頭をたれる謙虚さが求められますが、頑固親父の言葉にもあるように、かたくなで硬直的になってしまう人がいることも事実でしょう。それはそれで現実ですが、できることなら弾力的な感性は持ち続けたい。

 弾(だん)の字の意味は、たま、はじく、はずむ、又、弾劾などの場合には、罪をただすといった意味にもなります。次に、力(りょく)の意味ですが、ちから、はたらき、力を出して励む等となります。弾力的という言葉の意味は、比喩的に”その場に応じて、また問題によって、自由に変化できる能力”とあります。即ち、弾力(だんりょく)という言葉の本質は、”はずむ”という意味に有るようです。言葉を変えれば、柔軟性でしょうか。

 弾力的でない考え方、柔軟性がない考え方、いずれも硬直的で進歩がない。事に当たるとき、どんな姿勢で臨むべきか。その場の状況に応じて、自由かつ柔軟に変化できる能力。変幻自在な対応能力が好ましい。立場に拘わらず、すべからく弾力性が求められるようです。