[柏レイソルアカデミー取材記2017 #2-ティキタカ的柏レイソル選手紹介 パート①]

4月8日に開幕した「高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグ」。我らが柏レイソルU-18チームは同9日に京都サンガF.C.U-18との対戦で開幕(味の素スタジアム西競技場)を迎えます。http://www.reysol.co.jp/academy/results/2017/18-premier.php

今回の投稿では12月まで続くリーグ戦を戦う柏レイソルU-18主要メンバーを紹介いたします。将来、大谷秀和選手のようにチームの顔になる選手や小林祐介選手、中村航輔選手、中川寛斗選手、中谷進之介選手、中山雄太選手のようにチームの屋台骨を担う貴重な存在となる選手がこの中にいるかもしれません。

柏レイソル公式ホームページと共に観戦の手引きの1つとして目を通していただけたら幸いです。
http://www.reysol.co.jp/academy/profile.php

今季のチームは猿田遥己と中川創のトップチーム第2種登録選手を抱え、落合陸や田中陸、鯰田太陽ら2011年度の「全日本少年サッカー大会(全少)」の優勝を経験している高校3年生を中心に、森海渡ら2012年度全少準優勝世代を中心に先のアルカスカップで旋風を巻き起こしたことが記憶に新しい2年生たちが虎視眈々と出番をうかがう編成。

監督は柏レイソルトップチームでも活躍した永井俊太監督。システムはレイソルアカデミー伝統の「4141」システムをベースに、状況に応じて3バックや2トップなどを使い分けるが、いずれのシステムにおいてもボールを大切に試合の主導権を握り攻撃的なサッカーを展開する。各ポジションに年代別日本代表選手が並ぶことも特長となる。第2種登録選手以外の選手たちのトップチームへの練習参加も日常的に行われており、下平隆宏監督の下でも技を磨いている。それぞれが戦術理解やプロの姿勢やプレー強度を体に染み込ませた状態で開幕を迎える。
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【GK編】

1 GK猿田遥己
昨季よりチームのゴールを守るU-18チームの守護神。年代別日本代表も経験するなど、2016年は「サッカー人生がガラリと変わった1年だった」と言うが、今季は柏レイソルトップチームに第2種登録され二足の草鞋を履く。チームメイトの中川創は「同年代のGKの中でも抜群の実力を持っている」と揺るぎない信頼を口にする。大胆で迫力のある飛び出しと的確なシュートストップ、磨き続けているビルドアップでチームを支える。

16 GK小久保玲央ブライアン
フィールドプレイヤーとして柏レイソルアカデミーのセレクションへ参加。合格は叶わなかったものの、類い稀な身体能力と足元の技術などポテンシャルを買われ、GKとして加入した経緯を持つ。そこからGKとしてのイロハを学び、年代別日本代表を経験するまでに成長した変わり種。両足でボールを扱える上に滞空時間の長いセーブ、鋭い反応を武器に猿田とのポジション争いの真っ只中にある。

【DF編】

2 DF森大輝
丁寧なポジショニングからコツコツとアップダウンを繰り返し、ボールを引き出してチームに「幅」を作ることができる職人型右SB。ボールポゼッションの能力に長けた今季のチームにあってはスペースを奪いボールに関わりながらビルドアップで貢献するだけでなく、フィニッシュに関わるアーリークロスや効果的なワンツーで好機を作る貴重な存在となるだろう。再編成された前線を活かすキーマンの1人。

3 DF岡本宗馬
とてもレイソルアカデミーらしい左利きの大型CB。鋭いボールを前線に供給し攻撃のリズムを作ることに長けている。長身を生かしたセットプレーでの強さや存在感もあり、ジュニアユース時代には「宗馬がゴールをすると負けない」というジンクスが存在した。高校1年生時代にプレミアリーグの厳しさを体験している点は現在の彼のストロングポイントの1つ。大柄だが足元の技術が巧みで左SBとしてプレーする可能性も。

4 DF中川創〈キャプテン〉
猿田と共にトップチームへ第2種選手登録されているキャプテン。長い手足を活かした攻守が光るCBで、ボールタッチの機会も多い選手。DFラインから大声を張り上げてチームを支え、精度の高い縦パスで攻撃のスイッチを入れる姿は「憧れ」の選手の1人、中谷進之介を彷彿とさせる。「昨年までの結果を思えば、自分たちは大きなことは言えないですが、自分達らしく1つ1つしっかりと戦っていけば、結果はついてくると信じています」と期待を込めた。

13 DF宮本駿晃
ボールを「止める蹴る」の技術とスペースを見つけ出す攻撃的な能力、守備者としての危機察知能力が高い左SB。戦う気持ちも非常に旺盛で、それを前面に押し出して臨む1対1や球際での強さがひときわ目を引くファイターでもある。ボールをタイミングよく引き出しながら、パス&ゴー。前線へ飛び出してからのプレー選択も豊富で、精度の高い攻撃参加でサイドを制するだけでなく、強烈なミドルシュートも持っている。

25 DF杉井颯〈副キャプテン〉
戦術理解度が高く、冷静な判断と天性のリーダーシップを武器とする左利きのCB。パスコースを見つける能力、「間」へボールを流し込む技術、状況に応じてパスの強さや種類を使い分ける状況判断にも長けている。秋野央樹(湘南ベルマーレへ期限付き移籍中)や中山雄太らビルドアップのスペシャリストたちの系譜を継ぐ杉井のポテンシャルがチームにもたらすものは大きい。

【MF編】

6 MF加藤匠人
シーズンを通してブレのない安定感を持ち味とする職人肌のアンカーMF。「止める・蹴る」だけではなく、このポジションに求められる「動く・運ぶ・回る」の判断力やタイミング、ハンドリングが絶妙。攻撃の大半は加藤の足下を経由して始まる。広い視野と戦術理解、シンプルなボールタッチでリズムを作り、チームのボールポゼッションの軸となり、淡々とそれを繰り返すことができる選手。

7 MF鯰田太陽
個性豊かな今年の3年生の中にあっても、類い稀なボールタッチとパスセンスで圧倒的な輝きを放つMF。組織的なビルドアップでも貢献することができる上に、プレッシャーを開放して流れを一変させる展開を作ることにも長けている。それらを可能にしているのは豊富なアイデアや天性の「タメ」を作る能力の高さ。昨年経験したCBのポジションで得た感覚を中盤で活かしたい。

8 MF田中陸〈副キャプテン〉
年代別日本代表としての国際経験も豊富な、頼れる副キャプテン。柏U-18で過ごしたこの2年はDFやGKを含むマルチロールな働きや抜群のスタミナで、チームが苦しい時に真価を発揮してきた田中だが、前線の再編成が進む今季は本来の攻撃的ポジションでチームを牽引することが求められる。豊富な運動量と献身的な働きでボールを引き出して、攻撃の「転調」を作りたい。

5 MF山下雄大
加藤の後を追うのは高校2年生の山下。ジュニア時代からアンカーを務めてきた大型レフティーだ。緻密なパスワークの起点となり、相手のプレッシャーを開放することも、大胆なロングフィードで流れを一変させることもできる。右利きの加藤とは異なる左利きという特長を活かしたアングル、懐の深いボールキープから攻撃を下支えする。

10 MF落合陸
独特なリズムで中盤と前線を繋ぐMF。軽快なボールタッチ、トリッキーなドリブルで攻撃を仕切るだけでなく、周囲を使いながらゴール前へ進入していく大胆さも特長。今年は「ゴール」という明確な結果でチームを高みへと導くことができるのか、求められる仕事は多岐に渡る。「ゴールを奪えるナンバー10」への脱皮の1年が始まろうとしている。

14 MF朝倉涼介
重心が低く、ステップワークとアジリティに富み、まとわりつくマーカーを弾き飛ばしながらも、丁寧にボールを扱い、ゴールへ一直線。見るからに負けず嫌い全開のドリブルを持つ、誰が呼んだか「クラスティアーノ」こと朝倉。ゴールへ直結する働きにかけてはチームナンバーワン。ドリブルからのチャンスメイクのクオリティも高い。

15 MF村越太一
足下のテクニックに長けたドリブラー。パサータイプが多い中でその存在は光る。アイデア豊かなキレのあるドリブルは、ボールポゼッションが武器のチームの攻撃のアクセントとなるか。状況判断も良く、背後のスペースへ進出してから見せ場を作れる選手。楽しそうにボールを扱い、楽しそうにドリブルを仕掛けるサッカー小僧。

23 MF山田雄士
ボールへの執着心が光る球際の強さはチームでもトップクラス、さらにボールを奪ってからのクオリティを持つMF。昨秋からAチームでも頭角を現しプレミアの空気を体感している点は明確なアドバンテージ。穏やかなルックスとは裏腹なプレー強度と冷静な判断力に注目のMF。レイソルアカデミーが掲げる「ダイレクト・プレッシャー」という概念を象徴する存在。

【FW編】

18 FW森海渡
チームの最前線を担う、アルカスカップ得点王。辛抱強く相手DFとの駆け引きを繰り返して良し、スペースへ飛び出して良し、自ら持ち込んでも良し、様々な形でゴールを奪うことができる万能型のストライカーであり、試合終盤の勝負強さも兼ね備えている。昨年顔に負った大怪我からの復帰を支えたのはプレーする喜びやゴールを奪う喜び。その喜びを存分に表現して欲しい。

28 FW正田徳大
長い両脚のリーチを活かしたドリブルが特長のスケール豊かなサイドアタッカー。特に左サイドで輝きを放つ。姿勢の良いドリブルで緩急をつけることができ、ダイナミックな縦への突進もあり、自在なギアチェンジとカットインからの強烈なミドルシュートもある。FWを務める森海渡とのコンビネーションが期待される。

photo&written by 神宮克典
©Libretas de Tiki-taka_magazine
#スポーツ #サッカー #Jリーグ #Jユース #育成

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