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天光受胎

天光受胎 東国李相国集
 朱蒙は東明聖王と呼ばれ、高句麗の初代王であり、天帝の孫にあたる。

 河神の娘柳花が天帝の子解慕漱にかどわかされ、私通したとされて父母に追放され、太白山の南を流れる優渤という川の側にいた。

 それを扶余国の金蛙王に見つけられ、
「私は天帝の子につきまとわれ、なかなか帰してもらえず、両親の怒りを買い、家に戻ることもできずここにいるのです」
 金蛙王はそのことを信じず、柳花を部屋の中に閉じこめた。
 部屋の中に日の光が射すと、それは不思議なことに柳花を追い、ついには照らされて子を宿した。

 その後、柳花は卵を生んだ。金蛙王はその卵を忌むものとしてた。
 犬や豚に食べさせようとするが食べなかった。次に路上へ捨てると牛馬に潰させようとしたが避けて近づかない。
 それならと野原へ捨てると鳥が卵を抱いて守った。
 王は自ら割ってしまおうとしたが壊れることはなかった。
 戻された卵を柳花は暖め続けた。

 そうして中から子供が生まれ、後に王になったという。

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