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獣類の王の矢

獣類の王の矢 生殖器崇拜教の話
 熊は台湾の蕃人の中では獣の王として知られる。その陰茎は、威功もっとも超絶、威力あるものと信じられている。
 
 その力を示すものとして魔日を倒す際に大いに示された。
 魔日とは現在の太陽以外に複数の太陽があったことを指す。この時、魔日を落とすべく三代に渡り旅を続け、天界に到達し、落としたという話があった。撃ち落された大きな魔日は力を失い月となり、飛び散った血が星になったという。

 最初に放った矢は魔日に跳ね返され、到達することはなかった。
 しかし、熊の陰茎を矢の根の縛り付け、祖霊に拝し、神に祈り、矢を放った。この秘法により、矢は魔日を貫いたのである。

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