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茸狩の話

茸狩の話 北国新聞 明治36年9月23日

70あまりになる茸狩の名人と呼ばれる松田老のはなし。

 妖怪などにあったことはないですが、魔所といわれるところでは油断しないものでした。

 ある時、上の方から石が投げられるコトがあり、見てみるとその石はこのあたりでみないものでした。これは誰かのいたずらであろうと思いました。

 しかし、こういう時には『しばし、ここを貸してください』と声かけすれば、おかしな事は起こらなくなるものと伝わっています。

 声をかけると石は落ちてこなくなりました。

 そのまま上に上がると人影はなく、ただ苔がびっしりとついた岩棚が広がっていました。 
 人が入れば必ず苔はとれるものですから、それは不思議でしたね。


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