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坂本善三美術館

先週、杖立温泉の帰りに坂本善三美術館によってみた。

(ちなみに、杖立温泉は風情があって、すごくよかった)

熊本県の阿蘇小国町にある日本で唯一の全館畳敷きの美術館だそうで、
それに、古民家の造りであり、ザ.日本という風景が車から降りた瞬間に目に入った。

入口に入って右に曲がると常設展示エリアと蔵書の閲覧場所が設けられている。
落ち着いた和の空気が漂っていて、面白そうな本もたくさん置かれているのだが、暖房がついていないようで、入ってからずっと床から上がってくる寒気の無視し続けられず、耐えれらなくなり、結局すぐ暖房のついた企画展のスペースに駆け込んだ。

坂本善三のカラフルーグレーの画家の多彩な色という展示をしている。
かかっていてる約20幅の彩度の低い抽象画と開放感のある吹き抜け部屋が溶け合っていて、波のないような不思議な空間を紡ぎだしている。
先程寒気にやられて少し尖った気持ちが丸くなった気がする。


紹介文に坂本善三さんのインタビュー抜粋が書かれている。
確か撮影禁止だったので、一部の文字を携帯ノートに打ち込んだ。
こう書いてある

「ところが今みたいに平均文化の世の中ですとね、地方独身之ものが生まれにくい。流行が邪魔しているんです。
熊本の生活の中には黒がグレーにちなんだものが多いと思いませんか。だから、私たちはそれらの色に敏感なのかもしれない。

私はグレーの画家と言われますが、絵の中でモノを確かめるのには灰色が一番いいんです。赤や黄色だと色にわずらわされてしまう。灰色には柔軟性があって、一方では白に到達し、片方で黒にも到達する。
灰色の人生とか言ったりするけれども、グレーの中にこそ明るいものがたくさんあり、色なき色、形なき形がある。さまざまな考え方が同居しやすいんです。ほかの色と響きあってお互いのバルールも高まる。
私は色を全部捨て去って灰色に行きついた。一緒に残ったのが沈黙の世界であり奥深さ、安らぎです。グレーのかもし出す空間に私のすべてを入れて、形而下の世界を作った。その空間の中に私の思想があるんです。」

んー言われてみれば、熊本って町中彩度低いかもなって、(熊本生活二年目)
けど、それの反面、自然の彩りがすごく色濃く美しく映る。
なんか、色豊かな自然にグレー街並みが溶け込んでいるとも言える気がする。時代の差もあるだろうけど、違う捉え方により、同じ土地の映り方が異なってくるなって思った。
展示してる画に坂本善三さんの世界観が鮮明に反映されていて、面白かった。


低めの入口造り、気に入った
館内のWiFi案内デザイン カワイイイ


SHA


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